アメリカ、ロサンゼルスを拠点とするエンターテイメント企業NOBORDERSを中心として、米国、韓国、日本、中国、インドネシア出身のクリエイターにより結成されたANGELIUM(エンジェリウム)実行委員会は6月5日本日、次世代仮想空間『ANGELIUM(エンジェリウム)』の発表セレモニーを東京・渋谷にて開催しました。
各所で話題騒然となったVR仮想空間「エンジェリウム」、その全貌が明らかに
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VRonでも二度に渡ってご紹介した『ANGELIUM(エンジェリウム)』。本日はその発表セレモニーが開催されるとありまして、早速取材に行って参りましたー。会場のシダックスカルチャーホールはプレス関係者などで満員という盛況ぶりでございまして、いかにこのエンジェリウムが注目を集めているのかが伺えますね。
まずは、今回のセレモニーにて第一弾として発表されました11名のセクシータレントの皆さんが登壇されました(右から順に、七沢みあさん、麻里梨夏さん、JULIAさん、五十嵐星蘭さん、桐谷まつりさん、神ユキさん、架乃ゆらさん、ましろ杏さん、真木今日子さん、黒木いくみさん、優月まりなさん)。んまー、皆さんお麗しい!
続いて、エンジェリウム実行委員会のファウンダー、久保武士(Rio)さんが登場、エンジェリウムのプレゼンテーションが始まりました。
「仮想世界」というもののを説明するにあたり、現在までにビジュアルコンテンツというものがどのように進化してきたのか、を例示していきます。
まずは「紙媒体」、次に「ビデオ」→「DVD(デジタルメディア)」→「インターネット」……、そして
「VR(仮想空間)」。さらに、これらのビジュアルコンテンツの進化は「アダルトコンテンツ」、つまり「成人向けコンテンツ」がずっとけん引し続けている、とRioさんは力説します。
世界的なアダルトコンテンツの市場規模は11兆円以上。これは「映画」+「ゲーム」の市場を足したほどの規模です。しかも、この11兆円もの市場のうち76%を「日本・中国・韓国」が占めており、さらに中国と韓国ではアダルトコンテンツに強い規制がかかっているため、日本のアダルトコンテンツがアジアを席巻しているのだとか。スゴイ!
こんなに大きな市場であるにも拘わらず、アダルトコンテンツ市場は大きな問題を抱えていると言います。それが……
「海賊版」に代表される著作権剽窃の問題です。2022年には現在の被害額(約5.6兆円)の10倍に上ると予測されているとのこと。AVEXからメジャーデビューし、海外で活躍するミュージシャンでもあるRioさんにとってもこの海賊版問題は対岸の火事ではなく、どうすればこの海賊版問題を解決し、よりデジタルコンテンツの世界を盛り上げていけるのか、ずっと考えてきたのだそうです。
海賊版問題を解決した上で、さらに「人と人のつながりを、いつまでも残せる」ためのプラットフォーム、それがエンジェリウム
そこで! と登場するのが、今回の仮想空間プラットフォーム『ANGELIUM』です。Rioさんはこの前の
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映画「マトリックス」についても紹介されていました。
つづいて登場したのが、現在開発中の「仮想空間ウォレット」のイメージ。画面に登場しているのが「エンジェル」と呼ばれるアバター。このエンジェルのベースとなるのが、プロジェクトに参加されるセクシータレントさんというわけですね。
エンジェルさんたちのお姿はこのような3Dスキャナーを使って取り込まれ、3Dデータに変換されます。さらにあらゆる声も録音され、AIによる自動対話でもエンジェルとなるタレントさんの声がベースに使われるそうです。なお、今後は専用のデジタルスタジオもオープンされるそうですよ!
このエンジェルとのやりとりや3D描画などの処理は、すべてブロックチェーン技術を介して行われます。そのためハッキングされる心配がなく、かつクローンを作ることも不可能。つまり、このウォレットをブロックチェーン技術を使って開発することで、まずは海賊版問題に対抗する、ということになります。
エンジェルと話をしたり、何かを覚えさせたりするのに必要になるのが、仮想通貨としてICOが行われている『ANGELIUM』。ウォレット内ではこのANGELIUMが「トークン」に変換され、エンジェルとのやり取りに使用されます。トークンをエンジェルに使えば使うほどエンジェルは成長し、様々なことができるようになっていく、という仕組みになっています。
現在は8月の公開を目指して開発が続けられているウォレットですが、ゆくゆくは触覚フィードバックや、オープンワールドを構築していろんな場所へエンジェルと一緒に赴けるようにしたい、とのことでした。また、参加されるセクシータレントさんについてもローンチレベルで100~200名レベルに増える予定で、来年には1000名を超えたい、ともお話しされておりました。
ここでRioさんは、「さて、ここでもう一つ重要なことを説明させてください」と、別のスライドにチェンジ。
先ほどブロックチェーンを使うことによる海賊版対策についてお話ししましたが、ANGELIUMが考えていることはそれだけではありません。私たちがエンジェルを通じて皆さんに提供するのは「画像」でも「動画」でもない「体験」です。
画像や動画はデジタルになればいくらでも複製できますが、自分が感じた「体験」は複製できませんよね? だから私たちの『ANGELIUM』で構築する世界は、複製がそもそも不可能なんです。
また、これらの3DレンダリングやAI技術などといった膨大な演算処理を可能にする技術として、現在開発している「P2Pレンダリング」を活用するとのこと。
とても大きなマシンパワーを必要とする処理をANGELIUMのネットワークを使ってP2Pの形で分散させることで、ハイクオリティな演算処理を可能にする、としています。
そして、お話はいよいよクライマックスへ。
私たちは、この『ANGELIUM』をアダルトの分野だけに留めることは考えていません。その先にできることがたくさんあるんですよ。
例えば、自分の大切な人を3Dスキャンして、『ANGELIUM』の世界に保存することで、いつでもあなたにとって大切な人に会い、話を交わせる……ということだって不可能ではないと考えています。あるいは、あの大好きだった偉大なエンターテイナーを『ANGELIUM』に保存して、いつでもその人のパフォーマンスを体験できる、なんてことも夢物語ではなくなると思っています。
なるほど……! ANGELIUMさんが目指すのは「人と人のつながりを、いつまでも残せる」仮想空間プラットフォーム……!
Rioさんは、最後に「エルトン・ジョンが行った『VRで引退ツアー』」を例えにしながら、プレゼンテーションを締めくくられました。
いやあ、圧巻でした!
その他、ボードメンバーの登壇や「アジア圏での海外ツアー」発表など盛りだくさん!
この後、今回の『ANGELIUM』を運営しているボードメンバーの皆さんが紹介されました。
DMMのVR動画ランキング1位を誇るVRメーカーなど、6つのトップレーベルを運営する「HHHグループ(リンク先は成人向けサイトにつき閲覧注意!)」のオーナー、Tomoki Takiさん。
プロモーターとして海外のミュージカルの輸入やBIGBANGなどのトップアーティストを手掛けるKevin Changさん。ANGELIUMに対する熱い思いを語っておられました。
ケヴィンさんからは
実は、すでにANGELIUMに参加するエンジェルの皆さんでユニットを結成し、このユニットで15回に及ぶ「アジアツアー」を開催することが決まっているんですよ。まだ始まっていないのにこんなに大きいツアーの開催が決まるということが、このANGELIUMが如何に注目されているのかを示す証拠だと思います。
とのお話も飛び出しました。スゴイですねー!
また、中華圏においてEXO、RUNNING MAN、DAVID GUETTA、ALAN WALKER、JAY ZHOU、AMEIなどアジアを代表するトップスターのコンサート、イベントを手がけているVictor Chenさんが映像で参加。ケヴィンさんが話していたユニットにヴィクターさんも参加されます。最初は台湾でのデビューを予定しているとか!
そして! CTOとして開発を担当している、映画「MATRIX」にて3Dアーティスト・特殊効果アーティストとして参加したブレット・ハートショーンさんもskypeで参加されました。
今作っている『ANGELIUM』は、ライトコインをベースに全く新しいブロックチェーン技術として開発を続けています。近いうちに日本へ行きますよ!
とおっしゃってましたよー!
アダルトだけではない、数々の可能性をも示した『ANGELIUM』。8月のウォレットリリースが待ち遠しい!
この後質疑応答が行われましたが、多くのメディアさんから質問が飛び交ってました(週刊プレイボーイさんとかも!)が、Rioさんからの回答で印象的だったのが、
- 基本的な課金スタイルは「スマホゲームみたいなイメージ」をしていただくと近いのではないかと思う。課金しないと全く遊べないという形にはしないつもり
- 「自身のアバターを作りたい」「男性のアバターも用意してほしい」という要望をたくさんいただいており、段階的に一般の方にもアバター制作の部分を開放出来たらと考えている
- 使われたトークンの一部は、ベースとなったエンジェル(セクシータレント)さんへ「肖像権使用料」の形で支払われる。したがって、エンジェルさんがアバターの存続を希望すれば引退した後でも収益を受け取れるし、動画や画像と違ってそもそも「海賊版」というものが発生しない。その点でも従来のコンテンツビジネスとは大きく性格を異にするものだと考えている
という点でした。
成人向けコンテンツをベースにした仮想空間プラットフォーム、というキャッチフレーズの先に待っていたのが、まさか「人、というものを永遠に形として残すためのアプローチ」であったり、はたまた「デジタルコンテンツにとっての宿命だった『無限複製』への回答」であったとは……。写真を撮りながら、頭の中で膝を叩きまくっておりました。
いやー、これは『ANGELIUM』の動向がさらに楽しみになってまいりましたよ! もちろん、VRonは引き続き追いかけてまいりますので、どうぞお楽しみに!
ANGELIUMについてご興味がある方は公式サイトからどうぞ(英語ページですが、右上に日本語版ページへのリンクがあります)。ブロックチェーンの詳細やICO、プレセールに関する情報が記載されていますので、ぜひぜひ!