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12月8日、にじさんじの未来は今ここに約束された。【Virtual to LIVE in 両国国技館 2019 #VtL両国 レポート】

その時、我々は両国におりました!

いちから株式会社/株式会社ソニー・ミュージックソリューションズは12月8日、両国国技館にて「Virtual to LIVE in 両国国技館」を開催しました。

今回、VRonは取材でお邪魔することができました。この場を借りまして、ご尽力いただきました皆様に厚く御礼申し上げます!

6000席分用意されたチケットはすべてソールドアウト。日本のバーチャル・ビーイングにおいて間違いなく大きな歴史の一歩になったこのイベント。今回一般来場者の写真撮影がNGとなっておりましたので、ふんだんに撮影させていただきました写真とともに、レポートをお届けできればと思います。

思えば、筆者がにじさんじを知ったときは一介の「アプリ」でした。それが今や日本最大のライバー数を抱える、まさしく日本を代表するバーチャルライバーカンパニーになったのですから、本当に感慨深いです。今や6,000人の箱をソールドアウトできるまでに成長したのですから、まさしくこれは「誉」であります。

その光景は、パンパンに膨らんだ期待と、熱気と、そしてどこまでも続く「愛情」に包まれていました。この空間にいるすべての人達が一つの方向に向いている。この非日常の空間を享受できる喜びを感じながら、私は一心不乱にカメラのシャッターを切りました。

ファインダーの奥に広がるのは、まさに「てぇてぇ」の世界。前回DMMのプロデュースの元で開催された「にじさんじ Music Festival」を遥かに超えるワクワク感に包まれておりました。前回のイベントを超えられるのか、そして、その先にある未来とは。……蓋を開けてみれば、本当に素晴らしい、実に正統的なエンターテイメント溢れるイベントでした。とりあえず時系列順に、曲をご紹介しながら参りましょうか。

M1 Sharpness…(剣持刀也)

 

トップバッターを飾ったのは剣持刀也さん。にじさんじのメンバーの中でも特に「自分はVTuberを最初ら見てきた」と常に語り、様々なVTuberに関する造詣も深い彼にとって、この舞台は特別だったようです。イメージソングである「Sharpness」を熱唱。イベント後の最速感想配信では「ついにここまで来たか、と思いました」と感慨深く話されていたのが印象的でした。

M2 ダンスロボットダンス(勇気ちひろ/剣持刀也)

勇気ちひろさんとのコラボ曲として選ばれたのが「ダンスロボットダンス」。振り付けの練習とかもしようとされたそうですが、最終的には「自然体で行こう」とアドリブでのパフォーマンスだったそうです!

M3 Los! Los! Los!(勇気ちひろ)

 

ちーちゃんのステージは前回に引き続き堂々たるステージでした。一発でちーちゃんの世界観に持っていくパワーはさすが! ぴょんぴょん飛び回る姿が可愛らしかったですねー!

M4 メランコリック(椎名唯華)

 

しぃしぃこと椎名唯華さんが歌ったのは「メランコリック」。今年の「BiliBili World 2019」でも披露した1曲。彼女らしいコケティッシュなステージでした……!

M5 ロキ(椎名唯華/笹木咲)

 

M6 命に嫌われている。(笹木咲)

 

序盤、まず特大のエモエモ爆弾を炸裂させたのは笹木咲さんでした。

笹木さんが引退から復帰した今年の1月、彼女が自身のチャンネルで公開したのが「笹木は嫌われている。」。

カンザキイオリさんの名曲を自虐的にカバー・アレンジしたこの動画は300万再生を突破するなど、強烈な印象を残しました。あれから10ヶ月、笹木さんは満を持してこの晴れ舞台で、一切歌詞アレンジのない「命に嫌われている。」を歌いきったのです。

気がつけば、こんなツイートを打っておりました。また、笹木さんはコールアンドレスポンスで……

笹木「ベルモント・バンデラスーーー?」

会場「誰やねーーーーん!!!)

にじさんじでも随一の低音イケメンボイス、そして温和で世話焼きな人柄が愛されているベルモント・バンデラスさん。

笹木さんが復帰したときにグループ内チャットにて挨拶をしたものの、誰も返事がない中、律儀に返事を返したバンデラスさん、しかし笹木さんはそれに対し「誰…?」と返してしまい、さらに上の「笹木に嫌われている。」にしっかりネタとして使われてしまう、というあまりにも有名なエピソードがあります。それが上のC&Rのネタ元です。

でも、これをきっかけにしてバンデラスさんは人気を獲得し、今やにじさんじの主力メンバーになるまでになられました。そして笹木さんも。二人の間でかわされたエピソードが、まさしく両国国技館の空間へと昇華していった瞬間でした。

黛さんのこのツイートが如何に、如何にエモいか……!

ここでトークパート。笹木さんと椎名さんの「こんにちさくさく笹木咲とー! こんばんゆいゆい椎名唯華です! 二人併せてー、さくゆいです! ん゛~~~~~!」がひたすら面白かったです!

M7 恋愛裁判(夢月ロア)

 

夢月ロアさんが歌うは「恋愛裁判」。夢月さんはこれが3D初お披露目です。にじさんじでも屈指のロリロリボイスにして魔界出身・オッドアイ、「~のだ」の口癖でファン数20万超えを突破している彼女、独特の世界観で両国を鷲掴みにしていきました……。

わかるー! 会場がみるみる浄化されておりました……!

M8 secret base~君がくれたもの~(鈴原るる/夢月ロア)

このカップリングに「SECRET BASE」は反則やろーーーー!(歓喜)

M9 ガーネット(鈴原るる)

 

鈴原るるさんも3D初登場。彼女が初めてトライしたカラオケ配信で披露されていた「ガーネット」を熱唱されました。

彼女独特のウィスパーボイスが五臓六腑に染み渡る……!

M10 小さきもの(戌亥とこ)

 

前半戦最大の山場だったのは、戌亥とこさんの「小さきもの」。にじさんじの中でもトップクラスの歌唱力を持つ彼女がアカペラで歌い始めた時、会場には地鳴りのようなどよめきと歓声がこだましました。

ほんっとに、ほんっとに素晴らしかった。自分の不勉強を恥じました。こんなにまで「小さきもの」自らの持ち歌のように歌い切る、素晴らしい才能を持った方がにじさんじにいらっしゃったなんて!! しかも、堂々たるステージング……。彼女も今回が3D初お目見えでした。

M11 オトモダチフィルム(御伽原江良/戌亥とこ)

戌亥さんとの初共演に超緊張していた御伽原さん、それをうまくいなす戌亥さん、これも一つのてぇてぇポイントでしたねー。

M12 おねがいダーリン(御伽原江良)

 

2019年デビュー組の中でも屈指の人気を誇る御伽原さん。キャラ設定を華麗にぶっ飛ばす活動っぷりは、ファンから「ギバラ」という愛称で呼ばれることからもうかがい知ることができます。そんな彼女も今回が3D初披露。だったのですが……!

なんとパフォーマンスの途中で歌が途切れてしまい、そのまま映像もフェードアウトしてしまいます! ギバラ、さてはなんかやらかしたか!?

いやあ……、暗転した瞬間に発生した大「ギバラ」コールには度肝を抜かれました……! 目の前で起きていることがトラブルであることをすぐに察知してファンが動くとは。なんて訓練された皆様なんだ!(褒め言葉です)

その後無事にトークパートへ。ここでも戌亥さんの場回し力・MC力に圧倒されてしまいました……! すげえ! さっきまでトラブルが起きていたのが嘘のように盛り上がっています! しかも、この4名は3Dお披露目配信をこれから行うという、まさにブースト前状態なわけですよ。2019年デビュー組にもこんなにポテンシャルの高い方がたくさんいらっしゃるとは。

に、に、にじさんじすげえ……!

M13 千本桜(静凛)

 

さあ、ここからは1期生・2期生のパート。JK組としてにじさんじを支える静凛さんが歌うは「千本桜」! しずりんさんって、歌わせると上手いんだよなー!

M14 God knows…(鈴鹿詩子)

 

今やBL腐女子お姉さんのキャラが確立してしまった鈴鹿詩子おねえさんが持ってきたのは「God Knows...」! 「歌詞的に『いっしょに頑張っていこう!』という内容なので、ファンのみなさんと一緒に頑張ろうね」という思いを込めました」と仰っていました。どこまでも真面目なおねえさん、それがいい!

M15 バレリーコ(森中花咲)

森中花咲さんが歌うは、昨年9月の5万人記念に歌ってみた動画を出した、節目となる曲「バレリーコ」。このチョイスはファンにはたまらない……!

M16 気まぐれメルシィ(森中花咲/鈴鹿詩子/える)

3人によるコラボソングに選ばれたのは八王子Pの気まぐれメルシィ! 今回はとにかく歌のチョイスがポイントをつきまくっていて素晴らしかった!

M17 MESMERIZER(える)

 

えるさんはオリジナル曲「MESMERIZER」を披露。フォロワーのハヤシユタカさんとの共同で制作された楽曲です。

非常にレベルが高く、ダンサブルな曲でした。よかったなー!!

トークパートはもはや盤石。ど安定。6000人の観客を相手に皆さんが全く物怖じしないのがすごいです!

M18 君は薔薇より美しい(ジョー・力一)

 

力一さん! チョー格好良かったっす!!!!! イントロがかかった瞬間、観客の皆さんが力いっぱい叫びます。「りきいちーーーーー!」、と!

布施明の名曲を高らかに堂々と歌い上げる力一さん。それもそのはず、この曲、彼にとってとっても大事な曲なのです。

力一さんがデビュー直後の昨年9月、このツイートがバズったことで彼は活動の基盤を獲得しました。それ以降、節目節目の配信でこの歌を披露してきました。サビの最後で歌い上げる「かわったあああああ」がミソ。詳細は上のツイートをぜひ。

力一さん、観客、そして相方の舞元さんが一つになって「かわったあああああああ」と叫んでいるのを見た筆者は、そのエモさで涙を堪えるのに必死でした(というかこの時点ですでに泣いておりました)。

M19 あいがたりない feat. 中田ヤスタカ(月ノ美兎)

 

力一さんがはけた後、両国国技館に突如響き渡ったのは、委員長の「だいじょうぶです」という声でした!

今や日本を代表するVTuberの一人として八面六臂の活躍を繰り広げ、BS日テレが実施した「Vアワード2019」にてベストコンテンツ賞を受賞するなど、確固たる地位を爆走する委員長が歌ったのは、「自分にとってとっても思い出深い曲です」と満を持して用意した、バーチャルリアル「あいがたりない」のソロバージョン。初出しでした。

彼女は持ち歌もある中で、あえてこの歌を持ってきたというところで、筆者は自分の中の感情が爆発するのを感じました。そう……

実は同時刻、同じ「バーチャルリアル」として活動をともにしたENTUMのミライアカリさんが、新宿で開催された大型アニソン系クラブイベント「Re:animation」のメインDJ(ヘッドライナー)を務めていたのです。

M20 林檎もぎれビーム!(ジョー・力一/月ノ美兎/樋口楓/鈴原るる/える)

そんな感傷に浸っていた筆者を、にじさんじの皆さんは一気に鷲掴みにしていきました!「林檎もぎれビーム!」! しかも、力一さんセンター!!

 

力一さんの希望で実現したこのカップリング、大槻ケンヂのパートを力一さんが叫び、その脇を錚々たる面々が固める……! 贅沢! 僥倖! まさか、このタイミングでこの曲が来るなんて……!

その後のトークパートは委員長、でろーん(樋口楓)、力一さんの3名で繰り広げられます。こんなんもう、面白くないわけ無いじゃん! 力一さんは今回は3D初お披露目とあってか、本当に生き生きとされておりました。いやあ、よかったなあ……(涙)

そしてその余韻を楽しでいる中、力一さんが口火を切ります。

力一「続いてなんですけれども、なんと、ここで、にじさんじからの、重大発表をさせて頂きます!」

おかげさまで、このツイートがVRon初のバズツイートとなりました(1000RT / 1000Fav突破)。皆様、誠にありがとうございます。

ということで、月ノ美兎さんは輝夜月さんと同じレーベル(SACRA MUSIC)に所属、樋口楓さんは悲願だったランティスからのデビュー、そして御伽原さんと森中さんが「petit fleurs」としてユニバーサルからデビューを果たすことになります。この超重大発表の中……!

M21 MARBLE(樋口楓)

 

樋口楓さんが披露したのは、そのシングルデビュー曲! 本当に、本当に彼女らしい、力強い楽曲でした。トークパートでも最速感想配信でも「ランティスがほんとに大好きで大好きで……。ランティスからデビューできることがとても嬉しいです!」と嬉しそうに話されていたのが、とっても微笑ましかった……!

M22 dream triangle(樋口楓/月ノ美兎/静凛)

 

「最後の曲です!」と委員長のトーク後に披露されたのは、「dream triangle」。clocknoteさんが生み出した、珠玉の名曲です。

そこに出現したのは、にじさんじをスタートから引っ張ってきた、3人の稀代のバーチャルタレントによる、完璧なまでのステージングでした。なんてすばらしいエンディングでしょう。ここから2020年を踏み出すのにふさわしいこのイベントを象徴するような優しい感情が、両国国技館という空間を支配していました。圧巻。その一言につきます。

でも、やっぱり「あの曲」を聞きたいな。でもでも前回のMusic Fesではアンコールをやらなかったし、このまま終わるのかな、涙を拭いながらそう思っていたのです。

客電が上がりません。

それにすぐに気づいた観客が、張り裂けんばかりの声を上げます。「あの曲を聞きたい」、その一心のもとに。アンコール、アンコール、アンコール……

我々は勝利しました。

再び幕は上がりました。ショー・マスト・ゴー・オン。ならば、我々がシンガロングすべき曲は、あの曲しかありません。

樋口「あのね、まだ1曲ね、やっていない曲が、あるんですよ!(会場大歓声) 覚えてる?(「覚えてるー!」) みんなわかるー?(「わかるー!」) そうそう、今日のほら、ライブのタイトルの!(会場大歓声)

というわけでね、みなさんまだまだもりあがっていけますかーーーー!?」(「Yeah!!!!」)

「わ、私も、流れに乗ろうかな……(会場爆笑)」

月ノ「いやいや、流行りとかじゃないからセンパイwww(会場爆笑)」

静「もっともっと、大きな声、出せますかーーーー!?」(「Yeah!!!!」)

月ノ「今日一番の声、出せますかーーーー!?」(「Yeah!!!!」)

樋口「いきましょう! それでは聞いてください、せえの!」

三人Virtual to Live!!」

アンコール M23 Virtual to LIVE(月ノ美兎/樋口楓/静凛/剣持刀也/勇気ちひろ/える/鈴鹿詩子/森中花咲/椎名唯華/笹木咲/ジョー・力一/鈴原るる/夢月ロア/御伽原江良/戌亥とこ)

今回の曲には、一つ、アレンジが加わっていました。

「君の/近く/もっと/近くにいるから」、サビ前で、委員長がはっきりと、凛とした声で、「行きましょう」と投げかけます。目の前には、楓さんと共に目の前の観客に手を差し伸べる姿が。その瞬間、

全員がシルエットになり、これから前へと進むんだという力強い意思を、後光がまばゆいばかりに照らし、我々に教えてくれていました。

もう大丈夫だ。この箱はもっともっと大きくなる。少なくとも、にじさんじは止まらずにこれからもずっと走り続ける。両国国技館にいるすべてのファンに安息と福音をもたらすのに十分すぎるほどの光に包まれていました。

これこそ大団円です。非の打ち所が全くありません。私の目の前にいる観客の方が、嗚咽を漏らしながら泣いていました、私も泣いていました。

ヒメヒナもすごかった。花譜もすごかった。MZMもすごかった。でも、にじさんじもすごかった。なにがすごいって……。

オリジナルフルアルバム「SMASH The PAINT!」参加ライバー / 楽曲提供者(紹介順)

  • 樋口楓 → YUC'e
  • 童田明治 / 御伽原江良 → Nor
  • ジョー・力一 / 鷹宮リオン / 竜胆尊 → 八王子P
  • 夢追翔 / 加賀美ハヤト / 緑仙 → Avec Avec
  • 樟葉 / 叶 → ゆよゆっぺ
  • 月ノ美兎 → TAKU INOUE
  • シスター・クレア / える → 石濱翔(MONACA)
  • 静凛 → kz(livetune)
  • 本間ひまわり → HoneyWorks
  • 戌亥とこ / アンジェ・カトリーナ / リゼ・ヘルエスタ → 篠崎あやと / 詞:烏屋茶房
  • 鈴原るる / でびでび・でびる → ARM(IOSYS) / 詞:まろん(IOSYS)
  • 笹木咲 → やしきん
  • プロデュース:kz(livetune)

この怒涛の発表ラッシュですよ。攻めの姿勢を一切忘れない、あくまでも前へと進む。その強い意志を感じました。

わんわん泣いてた涙が引っ込みました(笑)。こりゃあうかうかしていられません。2020年もにじさんじさんはトップスピードで駆け抜けるつもりのようですね。ならば、それに食らいついていかないと!

今回のイベントは本当に「完璧」でした。一つだけあったトラブルもギバラさんのパワーで笑いに変えてしまったのですから、これを完璧と言わずしてなんと言えばよいのでしょう。まさにファン冥利に尽きる、そして、この箱が描く未来に、安心して寄り添うことができる、そう確信することのできた一日でした。

にじさんじの未来は、今ここに約束されました。その未来はとてつもなく明るく、かつ今後起きるかもしれない様々なハプニングを、ものともしないであろう強大な原動力を兼ね備えています。多くの人が納得し、引き続き推して行ける。そのための必要なものがこのイベントにすべて揃っていました。

であるならば。我々の務めは、その未来を確実なものにするために、この思いと情熱を、皆様に言霊としてお伝えするのみです。それをさせていただけるだけの力を、このイベントから頂きました。

舞元さんのこの言葉をお借りして、この記事を〆ようと思います。この福音は、今も頑張っていらっしゃるにじさんじのライバーの皆さんにも届きます。もちろん、それ以外のバーチャルな活動に身を置く皆さんにも。だからこそこのイベントには大きな意義があり、歴史的価値があるのです。

今日という日を、未来が約束された日を、そして両国国技館に訪れた大いなる福音の訪れを、祝福しましょう。それが「バーチャル」の未来につながるのですから。

さて、ニコ生の方は現在タイムシフトの準備中です。今からでもおそくありません、ぜひチケットをご購入の上で御覧ください(タイムシフト視聴期限:12月24日(火)まで)。

取材協力:いちから株式会社

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