岐阜県にあります大学院大学「情報科学芸術大学院大学(IAMAS)」は27日、来月2月21日から24日までの日程で、第18期生による修了研究発表会および2019年度のプロジェクト研究発表会「IAMAS 2020」を開催することを発表しました。
最先端の科学技術と先端的な芸術表現を追求するIAMAS、今年も18期生による研究発表会が開催
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情報科学芸術大学院大学「IAMAS 2019」へ行って、メディアアートの可能性を体感してきました!(1・現地レポート)
行ってまいりましたー! 岐阜県にあります大学院大学、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]は2月21日から24日までの日程 ...
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昨年、ガッツリと取材をさせていただきました情報科学芸術大学院大学さん、今年も「IAMAS 2020」を開催されますよ!
IAMAS(情報科学芸術大学院大学)は、岐阜県の情報産業拠点ソフトピアジャパンプロジェクトの一環として、1996年に岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(専修学校)として開学。その後2001年に修士課程のみの大学院大学として設立されました。
各期生が「20名」という超少数定員にて募集され、芸術、工学、デザイン、社会学といった様々な専門領域を持つ人が、他の領域に跨って制作・研究を行っていく、というスタイルで学んでいます。
現代音楽家の三輪眞弘さん(学長)や、「Gainer」などの開発で知られる小林茂さん、現代美術家のクワクボリョウタさん……といった、現在も各分野の第一線で活動をされている方々を教鞭をとっておりまして、まさしく「メディアテック」的な先端研究をするにはぴったりな学び舎、と言えるでしょう。
そんなIAMASで学ぶ第18期のみなさんによる卒業記念展示、それが「IAMAS 2020」です。
今年のキーワードは『引っ掛かり』。メディア・アートの最前線が垣間見える展示を体験せよ!
さて、今年の「IAMAS 2020」につきまして、実行委員長を務められます柴田一秀さんの「ごあいさつ」を公式サイトから引用させていただきましょう。
ここでは背景も専門もバラバラな学生が、それぞれのテーマを持ち研究に打ち込んでいます。テーマは誰かに与えられるものではなく、学生が自らの知性と感性に基づいた着眼点からこだわりを持って生み出したものです。それゆえに、研究で目指す表現にひとつとして同じものはありません。しかし、それぞれの表現は異なるものの、その間に共通する『引っ掛かり』の存在に気づくことがあります。そんな時、学生は互いの「おもしろい」や「大切だ」といった、まだ言語化できていない『引っ掛かり』について議論し、伝え合うための手段を模索します。そうしたやりとりの中で個は他者の視点の存在に自覚的になり、その形状は他の個と引かれあい形を変えます。ひとつひとつの個に同じものはなく、視点を引いて全体を見ると離れつつも細かな関わりを持つ集合体として成り立っています。
(中略)
展覧会はわたしたちが研究を学校の外に向けて行う場です。作品に潜む「共通の感性」は、表現の触手となりその手を伸ばしています。それに触れた時、わたしたちとあなたとの間にも『引っ掛かり』が生まれ、集合体の関わりを感じられるはずです。
IAMAS 2020 実行委員長 柴田一秀さん「ごあいさつ」より引用
というわけで、今回の発表会のキーワードはどうやら『引っ掛かり』みたいですね。
IAMASの修了生による修士研究作品発表をメインとする「IAMAS 2020」は、明後日の2月21日から24日までの日程で、岐阜県大垣市にあります「ソフトピアジャパン・センタービル」にて開催されます。
学生の修士研究作品発表と並んで、プロジェクト研究発表会やスペシャルな座談会など、IAMASの研究活動を同時にご覧頂ける、IAMAS全体の展覧会としても位置づけられています。それでは早速、現在公開されているイベントについてご紹介しましょう。
22日:14時~ ゲストトーク「バイオアートの手法」
IAMASの卒業生でありスペキュラティブデザインの手法を用いて制作を展開する長谷川愛さんと、今年度本学に赴任し、合成生物学やナノテクノロジーを駆使して作品を制作されるホアン・マヌエル・カストロ准教授が登壇。それぞれのアーティストとしての立場や制作手法、関心や生命倫理についてトークが行われます
登壇者:
長谷川 愛 | アーティスト、デザイナー
ホアン・マヌエル・カストロ | 本学准教授
林 暢彦 | 本学修士一年
23日:14時~ ゲストトーク「映像の質感」
90年代から00年代はじめまで先駆的なメディアアートを生み出し、一方近年は絵本作家として活躍する岩井俊雄さんをゲストに招き、この四半世紀に移り変わってきたデジタルメディアとしての視覚情報とその表示デバイスをめぐる「映像の質感」をキーワードにトークセッションを行います。
登壇者:
岩井 俊雄 | 絵本作家、メディアアーティスト
クワクボリョウタ | 本学准教授
柴田 一秀 | 本学修士二年
24日:14時~ ゲストトーク「ヴェネチアビエンナーレを終えて—協働プロジェクトを検証する—」
2019年5月11日から11月24日にかけて行われた「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」の日本館展示において開催された「Cosmo-Eggs│宇宙の卵」展の参加作家である下道基行さん、安野太郎さんと、キュレーターの服部浩之さんをお迎えします。現地で展覧会を体験した三輪眞弘学長が聞き手となり、ヴェネチアでの体験談も交えながら、企画、設営、それぞれの作品についてのトークショーです。
登壇者:
下道 基行 | 美術家
服部 浩之 | キュレーター
安野 太郎 | 作曲家
三輪 眞弘 | 本学教授
その他にも各プロジェクトによるトークイベントやライブパフォーマンスも行われる予定で、今後は公式サイトや公式ツイッターなどにて告知がされるそうですので、今後の情報に注目ですね。
では、以下開催概要!
「IAMAS 2020」開催概要
- 日時:2月21日(金)–2月24日(祝)10:00–18:00(2月21日のみ13:00–)
- 会場:岐阜県大垣市加賀野4丁目1番地7 ソフトピアジャパン・センタービル
- 入場:無料
- 主催:情報科学芸術大学院大学
昨年、初めて首都圏を飛び出し大垣まで馳せ参じた我々VRon、今年も取材させて頂く予定です! 昨年は5回に渡りお送りしたレポートですが、今年はもっと深~くお伝えできればと思います。只今もろもろ調整中ですので、続報にご期待ください!
情報提供:情報科学芸術大学院大学 IAMAS事務局