その時、筆者は日本橋におりました!
三重県立鳥羽高等学校と三重県鳥羽市は17日、日本橋にあります「三重テラス」と鳥羽市立海の博物館の二元中継にて、鳥羽高校の地域学習「鳥羽学」の一環として制作した「海女VR映像」の一般公開、及び発表を行いました。
本事業は鳥羽高校、鳥羽市役所の他にも、日本エイサー株式会社、株式会社アルファコードと連携した、産学官で取り組んだプロジェクトになっています。
今回VRonは東京・日本橋での発表記者会見にお招きいただきました。誠にありがとうございます! それでは、当日の模様をお伝えすると致しましょう。
「海女VR映像」記者会見取材レポート
会場には鳥羽高校の皆さんが制作された「海女VR映像」がプレイアブル展示されておりました。使用されているHMDはもちろん、acerさんのWindows MR!(AH501)
また、当日は三重県立海の博物館と二元中継が実施されておりました。会見中も三重県側からのコンタクトがあったりするなど、なかなかにライブ配信バリバリって感じ。東京会場にも360度VRカメラが設置されておりまして、三重県側に配信されていたそうです。
さて、県立鳥羽高等学校では鳥羽市役所、教育委員会、商工会議所、保護者などで構成される「鳥羽高等学校活性化協議会」が設置されておりまして、地域課題解決型キャリア教育モデル構築事業に取り組んでいます。そこで行われているのが「鳥羽学」。
「鳥羽学」では、鳥羽市地域おこし協力隊と高校生がフィールドワークを行うなど、実践的な地域学習が実施されています。今回その一環として実施されたのが、「高校生」×「本気の大人」×「ICT教育」として銘打たれた「海女VR映像」制作なんですね。(上写真は撮影の模様)
当日はVR映像制作を実際に行った鳥羽高校の生徒のみなさんが、東京と三重の会場に分かれてプレゼンテーションを実施されました。こちらが東京会場にて臨席されたお二人。
「海女VR映像」は、鳥羽高校の「チームAMA」の皆さんがエイサー、アルファコード両社のサポートを経て制作を行った360度全天球映像作品です。AMAは「A=新たな、M=(海女さんの)魅力を伝える、A=海女」の略だそうで、「鳥羽学」におけるフィールドワークを経て制作が始まりました。
撮影には自身も鳥羽で海女として活動されている、鳥羽市地域おこし協力隊の上田茉莉子さん(石鏡町活性化担当)も参加し、実際の海女漁が行われるプロセスを丁寧にたどっていきます。鳥羽市ではかねてから海女さんの後継者不足に悩んでおり、これまで地域課題として取り組まれてきましたが、この成果として生まれたのが「海女VR映像」なんです。
エイサーさんが、VRHMDの他、映像を編集するためのマシンなど機材面をサポート。アルファコードさんはVR映像の体験から制作に関するノウハウを生徒たちに教え、サポートする役割を担いました。
まずはVR映像の体験からスタートし、その後映像制作のための企画を経て、撮影・編集へ。何もかもが初めての経験となった生徒さんでしたが、アルファコード代表の水野さん曰く……
「我々は本当にサポートに徹しました。あくまで撮影や編集を行ったのは生徒さんたちで、僕らはノウハウをお教えしただけです。皆さんとっても頑張っていらっしゃいました。本当に素晴らしい作品になっていると思いますので、ぜひ皆さんに見ていただきたいですね」
とのことでした。
生徒の皆さんによる発表、そして映像はとっても瑞々しく、それでいて非常に真摯なものでした。自分たちが住む地域で、あるいは自分の身近なところで従事している「海女」という職業が持つ課題と現状を、非常に清らかな水中映像と共にコンパクトに纏めていらっしゃいました。
いやいや、初めての映像制作でここまでとは、なかなかできることじゃありませんよ!
水野さんとお話させていただきましたが、今後もアルファコードさんとしては、同社のプラットフォームサービスであります「Blinky」を通じて、同じような取り組みを増やしていきたいそうです。「鳥羽高校の生徒さんみたいにVR経験のない方でも360VR動画を作れて公開できる、ということが大事なんです」と厚くお話されておりました!
アルファコードさん、エイサーさんには、鳥羽市から感謝状が贈呈されています。
というわけで、駆け足となりましたが以上、記者会見の模様をレポートさせていただきました。なお、生徒さんたちが制作されました「海女VR映像」はBlinkyにて視聴が可能です。以下のQRコードからどうぞ!
専用の視聴アプリから360度全天球視聴ができる他、そのままブラウザからもご覧になれますので、よかったらぜひ。なお、アプリ視聴・ブラウザ視聴共々、動画データをダウンロードしますので、Wi-Fi環境での視聴をオススメします。
展示A館にて、鳥羽高校が制作した「海女VR映像」体験できます!#海女 pic.twitter.com/hPSDtjnS5g
— 海の博物館Sea-Folk Museum (@umi_museum) January 19, 2020
また、鳥羽市海の博物館の展示A館にて海女VR映像の体験視聴が実施されていますので、お近くにお住まいの方はぜひぜひ!
今回の取材を通して感じたのは、XRというものにおける「教育・知育」に対する親和性の高さ、それとアプローチの可能性の高さでした。今各所で様々なエデュケーショナルなトライがXR技術を通じて行われている中で、産学官によるこういったアプローチが今年はさらに増えていきそうですね。生徒さんたちにもお話を伺いましたが、「今回の取り組みを通じて、XRという世界そのものに興味を持った」と話す生徒さんが多くいらっしゃったのが印象的でした。
今度の皆さんの取り組みに注目していきたいですね! 現場からは以上です。
取材協力・写真提供:株式会社アルファコード / 鳥羽市