クラーク記念国際高等学校は2日、デンマークの企業Labster社が開発したXR理科実験プラットフォーム「Labster(ラブスター)」を、国内で初めて導入することを発表しました。
導入にあたり、「Labster(ラブスター)」の日本エリアにおけるディストリビューター「dragonfruit株式会社」の協力を得ています。
Googleとも提携した「VR実験プラットフォーム」Labsterとはなにか?
「Labster」は、デンマークのLabster社が開発している「バーチャル理科実験プラットフォーム」。STEM分野における実験や最新装置の操作をVR空間内で体験しながら、理論学習や確認テストを経て学んでいくというもの。リアル空間では事故などのリスクを伴う理科実験をXR空間で行い、さらにゲーム感覚でシミュレーションを行うことで、学生のモチベーションアップにつなげる工夫がなされています。
Labsterで用意される実験環境は、普段の授業では体験が難しい最新の研究設備が模されておりまして、まさしく「デジタルツイン」的な環境をフル活用しています。まさしくSTEM教育を地で行くプラットフォームですね!
こちらがその実験の模様。理科実験の分野はかなり幅が広く、分子生物学や宇宙力学に至るまで、その内容は様々です。
2018年にはGoogleのVR規格(すでに終了)「DayDream」に対応し、主にMirage Soloを使ったVR学習にて世界的に多く採用された実績を持ちます。DayDream View規格は残念ながら昨年末にプロジェクトの終了がアナウンスされてしまいましたが、Labsterでは現在でも多くの実験コンテンツが投入され続けています。
今回クラーク記念国際高校の「東京キャンパス(ペット生命科学コース)」「大阪梅田キャンパス(理数探求プログラム)」に導入されることになった決め手は「教育理念」だったそう。
クラーク記念国際高校さんは、通信制でありながら毎日学校に通う「全日型通信制」という制度が大きな特徴ですが、このスタイルをフル活用した生徒の「好き」や「得意」を伸ばすという教育方針に、最新設備での仮想実験を体験できるLabsterのハイブリット型教育モデルがマッチしたそうです。
また、持続可能な国際目標である「SDGs」を取り入れたキャリア教育や、タブレットを活用したICT教育を推進してきた、という土壌も大きく採用のプラスになったみたいですね。自分で学び理解する力を育てる「STEAM教育」や、仮想空間と現実空間が融合し経済発展する社会「Society5.0」を見据えたICT教育を踏まえた起用、とも言えるでしょう。
さらに、同校の設備的限界によりなかなか本格的な理科実験を行う環境を用意するのに苦労されてきたようで、これまでが外部施設などでの実習を解決してきたんだそうです。今回のLabster起用はまさしくXRプラットフォームでそこも解決し、安全性やコスト面の問題も一緒にクリアできる、というところも大きな要素だったそうです。
実際のどのような形で活用されるのか、といったところについては公開されていませんが、XR環境・デジタルツインといった「Society5.0」をド直球で行くソリューションの採用に、今後の続報を期待したいところです!
記事元:クラーク記念国際高等学校が、バーチャル理科実験プラットフォーム「Labster」を国内初導入 -PRTIMES-