その日、筆者は本郷三丁目におりました!
9月14日、IVRC実行委員会は東京大学本郷キャンパスにて、第27回国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト(IVRC 2019)予選大会が開催されました。
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VRSionUp! #4へ行って、国際学生対抗VRコンテスト「IVRC」へ参加する「Youth(若人)」の息吹を感じてきました!
その日。筆者は六本木ヒルズにおりました!(4回目) 5月17日、GREE VR Studio LabはVRに関する研究を ...
IVRCとは?
IVRCは、学生が企画・制作したインタラクティブ作品の新規性・技術的チャレンジ・体験のインパクトを競うコンテスト。1993年から開催され今年で27回目。これまでにVRの既成概念を拡張するような、独創的で親しみの持てる作品を数多く生み出してきています。
参加チームは第一線の研究者を中心とするスタッフと関わりながら、約半年長きに渡ってインタラクティブ作品・VRシステムを企画し、実際にデバイスの製作やコンテンツの作り込みを行なっていき、体験型展示を通じて審査が行われ、受賞作品が決定する……という流れです。同コンテストの目的として……
- 自ら考え・学び・手を動かすことのできる優秀な人材の育成
- バーチャルリアリティの啓蒙普及
- 地域・企業・学界を結ぶ、バーチャルリアリティ・コミュニティの醸成
の3つが公式サイトに掲げられています。
また、IVRCが「「国際」学生対抗コンテスト」と銘打たれている通り、このコンテストはインターナショナルな視点・ベースに基づいて開催されています。特にフランスで毎年開催されます「欧州最大のVRイベント」こと「Laval Virtual」との関係は深く、2003年から相互に学生コンテストの優秀作品の招待参加を実施しています。
特に毎年決勝大会ではLaval Virtualから招いた審査員により選出される「Laval Virtual Award」が制定されていまして、受賞作品は次年のLaval Virtualへ招待される、というのが毎年恒例になっているんですね。昨年は慶応大学KMDの2チームが招待を受け、今年の「Laval Virtual : Revolution」に参加しています。
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慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科「身体性メディア」プロジェクト『EMBODIED MEDIA』へ行って、世界を肌で感じた若者たちの情熱を感じてきました!
その時、筆者は道玄坂におりました! 4月下旬、私達VRonは慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科「身体性メディア」プ ...
予選進出チーム
今年は103の応募がありまして、見事予選に進出したのは以下の23チーム。採択率、実に23%という狭き門です!
一般学生部門
- 「蠢刺青」東北大学 電気通信研究所 北村・高嶋研究室(チーム名: 彫師団)
- 「触覚ステルスゲーム 「シノビアシ」」東京大学 UT-virtual(チーム名: ヌキアシサシアシ)
- 「超・呼吸体験: VReath」慶應義塾大学メディアデザイン研究科 Embodied Media(チーム名: ももまる)
- 「匣内ルービックキューブ」熊本県立大学 総合管理学部・総合管理学科 石橋研究室(チーム名: Solvers)
- 「悪い、やっぱつれぇわ、生理痛」甲南大学知能情報学部知能情報学科田村ゼミ(チーム名: ふあふあ☆ゆーとぴあ)
- 「 N-KOKUDO」大阪大学大学院情報科学研究科情報システム工学専攻尾上研究室(チーム名: 稀代の人形師)
- 「きになるき」東京大学大学院 情報理工学系研究科 システム情報学専攻 稲見・檜山研究室(チーム名: チルドレン)
- 「兎にも角にも」神奈川工科大学 KaitVR(チーム名: Rabbit’s〜コーナーで差をつけろ〜)
- 「ザ ウォーキングネッコ」関西学院大学 理工学部 人間システム工学科 井村研究室(チーム名: ユウマズ)
- 「グランドサーフィン」大阪大学基礎工学部システム科学科生物工学コース大城研究室(チーム名: 鯖缶)
- 「涙腺ダム」京都産業大学コンピュータ理工学部 永谷直久研究室(チーム名: 仙累ダム管理局)
- 「VR消防体験 -炎舞-」筑波大学システム情報工学研究科バーチャルリアリティ研究室,感触工学研究室(チーム名: CyberSpaceLab)
- 「バーチャル空間でつかまえて」大阪大学大学院情報システム工学専攻竹村研究室(チーム名: Mr.インビジブル)
- 「Re:born ~生まれる体験VR~」北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術専攻 知識科学系 宮田一乘研究室・橋本研究室,北陸先端科学技術大学院大学 専攻融合科学共同専攻,東京大学大学院情報理工学系研究室知能機械情報学専攻 稲葉・岡田研究室,東京工業大学工学院 情報通信系 デジタル創作同好会traP,東京工業大学工学部情報工学科SF研究会, 明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科 森勢研究室(チーム名: Internal Space)
- 「ほおずり電話」東京大学 UT-virtual(チーム名: スリスリ)
- 「チョコレート工場」熊本県立大学総合管理学部総合管理学科石橋研究室(チーム名: チャーリー)
- 「Tabletop ARrietty」東北大学 電気通信研究所 北村・高嶋研究室(チーム名: 借りぐらし)
- 「もっちゃぶる」慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 Embodied Media Project(チーム名: 餅は餅屋)
- 「メリーさんの電話」大阪大学大学院情報科学研究科情報システム工学専攻尾上研究室(チーム名: 稀代の人形師)
- 「ひらひらワープ」熊本県立大学 総合管理学部 総合管理学科 石橋研究室(チーム名: チームyume)
ユース部門
- 「渡し舟教習所始めました」立教池袋高等学校・数理研究部(チーム名: かつぞう、かわをわたる)
- 「おかえり感覚」東京芸術大学 絵画科 油画専攻 所属研究室・サークルなし(チーム名: AKチーズバーガーズ)
- 「ねこ放題-もふもふを求めて-」慶應義塾大学SVRC(チーム名: バステトの盾)
では、当日のツイートを交えながら各チームをご紹介しましょうー!
予選大会レポート
「蠢刺青」東北大学 電気通信研究所 北村・高嶋研究室(チーム名: 彫師団)
東北大学「蠢刺青」。ラバーバンド感覚をさらに拡張し、「ヘビの刺青」を題材にエンターテイメント的な昇華にチャレンジしています。 #IVRC2019 pic.twitter.com/h6ZuFEPhNQ
— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
上のツイートで「ラバーバンド感覚」と書いちゃってるのは、正しくは「ラバーハンド錯覚」ですね(汗)。これは視覚的に隠された自分の手と,目の前に置かれたゴム製の手が同時に繰り返し触られることにより、次第にゴム製の手が自分の手であるかのような感覚が生じるというものです。これを活用したのがこちら。
プロジェクターを使った視覚的効果に加え、温感を制御する機構を中に仕込んでさらなる身体感覚の拡張を目指しています。
「 N-KOKUDO」大阪大学大学院情報科学研究科情報システム工学専攻尾上研究室(チーム名: 稀代の人形師)
大阪大学「N-KOKUDO」。音声データとデバイスをリンクさせ、第三者が話者の言動をハッキングするという試み。無線による遠隔動作や、音声データの加工による変声もできます!
#IVRC2019 pic.twitter.com/eSZainZNtH— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
こちらは音声に着目した発表。音声入力にスマホを使っていたのがスマートでしたねー。ちなみに「N-KOKUDO」のネーミングは腹話術師の「いっこく堂」さんから。
「ほおずり電話」東京大学 UT-virtual(チーム名: スリスリ)
東京大学「ほおずり電話」。電話に人の頬ずりを擬態したインターフェースを設置し、人の温もりや距離感の短縮を測ろうとする試み。インターフェースは肌感覚を表現するためにほんのりあったかくなっています! #IVRC2019 pic.twitter.com/C4m9PqhV0H
— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
東京大学を拠点としている日本最大クラスのインカレVRサークル「UT-Virtual」、今回は2チームが予選に進出しています。ウチ一つがこちら。頬ずりを表現したインターフェイス部分は温感をキープするために定期的に交換していたそうです。
「触覚ステルスゲーム 「シノビアシ」」東京大学 UT-virtual / 電気通信大学(チーム名: ヌキアシサシアシ)
電気通信大学「シノビアシ」。
ステルスゲームの触覚表現として「床の軋み」を活用。圧覚センサーを仕込んだ床を足踏みして前へ進み、的に見つからないようにしながら前進するゲームへと昇華させています。軋み方がリアル!
#IVRC2019 pic.twitter.com/1fVdfOQmQ6— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
もう一つのUT-Virtualからの予選進出チームがこちら。IVRCでの表記は「東京大学 UT-virtual」で、論文は所属大学の電気通信大学になっています。木の板を使っているのと、音声などでの効果もあっていい感じの軋み具合でした。視界の右側に出てくる人影に気をつけながら足踏みする、というのがMGS的な趣で!
「チョコレート工場」熊本県立大学総合管理学部総合管理学科石橋研究室(チーム名: チャーリー)
熊本県立大学「チョコレート工場」。
HMDにて「チョコレートの立場」からチョコの生成、製品化までを体験するコンテンツ。チョコの香り、ヒーターやドライアイスなどの連動により温感や嗅覚などにも訴求する内容。予想以上にワイルド!#IVRC2019 pic.twitter.com/Naq1qTSmT2— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
チーム名は「チャーリーとチョコレート工場」から来てるのかな? 展示としてはコンパクトにまとまっていた他、ほんのりとチョコの香りがするのがいい感じ! VRHMDでの体験コンテンツがかなりワイルドでした。暴れん坊なチョコレート粒子!
「匣内ルービックキューブ」熊本県立大学 総合管理学部・総合管理学科 石橋研究室(チーム名: Solvers)
熊本県立大学「匣内ルービックキューブ」。
内側からルービックキューブを解く、という発想の転換。自作の操作インターフェースを用いて内側から巨大なキューブを操作します。インターフェースのセンシングに苦労されたとか!
#IVRC2019 pic.twitter.com/ReDIHSkcKR— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
巨大なルービックキューブの中に閉じ込められた……という趣から始まる感じがタイトルに現れております! 横方向はLeapMotionを使った手のセンシング、縦方向はローラーに仕込んだ色テープをウェブカメラで認識させて足を使わせる、というかなり野心的なインターフェイス!
「メリーさんの電話」大阪大学大学院情報科学研究科情報システム工学専攻尾上研究室(チーム名: 稀代の人形師)
大阪大学「メリーさんの電話」。
ウィルムバースト起電機を使い、「ぞわぞわ感」を都市伝説「メリーさんの電話になぞらえて掲示。耳にピリピリとくる感じが確かにします!
#IVRC2019 pic.twitter.com/NI9Ko3Mzrs— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
自分の打ちミスがひどい! 正しくは「ウィムズハースト式誘導起電機」ですね。右側にある箱状のものがそれ。メリーさんの電話に併せて発電を行い、静電気を起こして受話器のインターフェイスにピリピリ感を掲示する、という内容。前方からは冷風も流れるというあわせ技でした.
「ねこ放題-もふもふを求めて-」慶應義塾大学SVRC(チーム名: バステトの盾) ユース部門:銅賞
慶應大学SVRC 「ねこ放題-もふもふを求めて-」。
猫をなでなでしているような感覚をkinectによる位置センシングで掲示するというもの。事前にVRコンテンツで好みの猫を判定するというインストラクションも用意されていました!
#IVRC2019 pic.twitter.com/PAZQPVHFOX— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
ネコをナデナデしている感覚を、回転する羽毛のインターフェイス+Kinectを使って表現する、という意欲作。当日は残念ながらKinectの調子がわるかったそうで、出展者の意図する動きにならなかったことを悔やまれていました。ドンマイです!
「Re:born ~生まれる体験VR~」北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術専攻 知識科学系 宮田一乘研究室・橋本研究室,北陸先端科学技術大学院大学 専攻融合科学共同専攻,東京大学大学院情報理工学系研究室知能機械情報学専攻 稲葉・岡田研究室,東京工業大学工学院 情報通信系 デジタル創作同好会traP,東京工業大学工学部情報工学科SF研究会, 明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科 森勢研究室(チーム名: Internal Space)
#IVRC 予選大会に「Re:born〜生まれる体験出産VR〜」を出展します!赤ちゃんになり、産道筒を通過して生まれ変われるVR体験をお届けします! #バーチャルオギャリティ をぜひ体験しに来てください!
【日時】9/13(金) 12:00〜15:45
【場所】東京大学本郷キャンパス工学部6号館3階 pic.twitter.com/WUv4o9Mxu5— Internal Space (@internal_space_) September 10, 2019
現在北陸先端科学技術大学院大学修士課程に在学している木村正子さん、東京大学の藤井綺香さんを中心とする大学混成のグループ。「バーチャルオギャリティ」を標榜し、空気圧制御で締め付けられる装置を用いて、苦労して暗く狭い産道を通る様子を映像や音などを駆使して再現するという試み。残念ながらタイムアップで体験できなかったのですが、全展示の中でも一番「異色」(褒め言葉です)でした!
「ザ ウォーキングネッコ」関西学院大学 理工学部 人間システム工学科 井村研究室(チーム名: ユウマズ)
こちらもタイムアップで体験できませんでした……。ユーザが仰向けに寝転び、その体の上を猫デバイスが移動することであたかも本物の猫が体の上を歩いているかのような感覚をユーザに提供する、というもの。またユーザが猫を撫でると、猫デバイスに仕込んだ袋に温水が入ることで猫が体の上で寝転んでいる感覚を掲示する、という内容でした。体験してみたかったな……!
「ひらひらワープ」熊本県立大学 総合管理学部 総合管理学科 石橋研究室(チーム名: チームyume)
こちらも間に合わず、写真すら撮れませんでした……(涙)。こちらは「布」を利用したワープVRをコンセプトに、VR物体と「布」を連動させた新しい感覚提示と室温の違いからくる温度の感じ方の違いに着目しているそう。体験者は温度や湿度、風量などが変化する二つの空間に、布を潜り抜けることによって空間をめくり、別の空間へワープするような感覚を楽しむことができる……という内容だったそう。見たかったなー!
「涙腺ダム」京都産業大学コンピュータ理工学部 永谷直久研究室(チーム名: 仙累ダム管理局)
【IVRC 予選】
永谷研B4の学生が東京大学本郷キャンパスで行われているIVRCの予選大会に参加しました!涙腺が壊れたかのような感覚が体験出来るなら..?というコンセプトで「涙腺ダム」という作品を出展しました。
体験者の皆様、ブースにお越し頂きありがとうございました!#IVRC2019 #涙腺ダム pic.twitter.com/bXTdCQvC4r
— 永谷研究室公式アカウント (@Nagaya_Lab) September 13, 2019
こちらが大盛況でございまして、体験が叶いませんでした。残念ー! 『涙腺崩壊』という比喩表現を『ダム』に当てはめ、頭部を貯水池、まぶたを水の流れ出すゲートに見立てたシステムという意欲作。体験者がカッパ着用、というなかなかワイルドな内容だったようです!
「兎にも角にも」神奈川工科大学 KaitVR(チーム名: Rabbit’s〜コーナーで差をつけろ〜)
聴覚拡張システム?兎になる?
"兎にも角にも"明日是非体験しに来てください。よろしくお願いします!#IVRC #IVRC2019 pic.twitter.com/RXpiW4qC4Y— KaitVR (@KaitVR17) September 12, 2019
こちらもタイムアップで体験できず……(涙)。耳が特徴的なウサギに注目し、HMDとセンサー付きグローブを使って人間の手がウサギの耳の様に使い、音の発生源を直感的に感じる体験できる……という内容でした。
「バーチャル空間でつかまえて」大阪大学大学院情報システム工学専攻竹村研究室(チーム名: Mr.インビジブル)
今回最後に体験させていただいた発表がこちら。見た感じHTC VIVE PROにLeap Motionが取り付けられていますが、こちらは対戦型コンテンツになっています。テーブル上のトラッカー(2つ)とコントローラーをLeap Motionが検知してそこに「クッキー」を表示。「透明人間」に扮したプレイヤーはトラッカーのついたバンドを取り付けて、このクッキーをテーブルから取り除こうとします。
無論、HMDを取り付けているプレイヤーに「透明人間」は見えませんので、目の前のクッキーがいきなり動いて消えようとするように見える、という塩梅。そのため、透明人間がテーブルに近づくとHMD内に投影された「椅子」がガタガタ動くことで透明人間の存在を暗示し、それをヒントにクッキーを守る、というゲーム性を生み出しています。
実際にクッキーを守る側で体験させていただきましたが、面白かったです! ここからトラッカーの使い方やコンテンツのブラッシュアップが進めばますます面白くなりそうだなー、と感じました!
うー! 残念ながらここまででタイムアップ!ただ今各チームは片付けに入っています。
この後の授賞式も取材させて頂きますよー! #IVRC2019 pic.twitter.com/ZetzJV0CvM— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
というわけで、クッキー死守作戦を敢行している間にタイムアップ! その他にもメンテナンスなどのタイミングが合わず体験できなかった発表がいくつかありまして、うーん、もうちょっと積極的に動くべきだった……と猛省しております。全チームを紹介したかったー!!
激戦の予選を通過した9チームは……?
この後17時から予選大会の表彰式が行われました。
司会進行はIVRCではもうおなじみ、京都産業大学の永谷先生!
ユース部門
【速報】受賞結果(発表順)
・ユース部門(予選通過は別)
金賞 渡し舟教習所始めました(立教池袋中高・2年連続金賞受賞)
銀賞 おかえり感覚 (東京芸術大学, 関東学院大学)
銅賞 ねこ放題-もふもふを求めて-(慶應大学)
#IVRC2019 pic.twitter.com/IZQuUd8JBK— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
まずはユース部門の表彰式が行われました。今回予選に3チームが進出しまして、激戦の結果、昨年に引き続き立教池袋中高が金賞を受賞しています!
いやー、強いですね! 彼らの発表詳細は後ほどご紹介するとしまして、それでは……決勝に進出する9チームをカウントダウン形式でご紹介します!
9位 「おかえり感覚」チーム:AKチーズバーガーズ(東京芸術大学 絵画科, 関東学院大学 理工学科)ユース部門:銀賞
実は彼らの作品、大人気でございまして体験することができませんでした……。11月の本選でたっぷりと体験させていただきます!
「おかえり感覚」は、VR空間と現実空間にわずかな差をつけることで、HMDを外す瞬間に不思議な感覚(おかえり感覚)を呼び起こさせる、というもの。「HMDを外す瞬間」をテーマにする、という着眼点が斬新です!
8位 「悪い、やっぱつれぇわ、生理痛」チーム:ふあふあ☆ゆーとぴあ(甲南大学 知能情報学部)
いやいや、お恥ずかしい限りです……。タイムアップで体験が叶わなかった作品の一つ。11月にリベンジさせてください!
こちらは電気刺激と振動覚刺激を組み合わせることにより,子宮収縮感のある痛みを下腹部に与える「生理痛体験デバイス」と、日常行動を加速度センサで検出しそれに応じた温感提示をすることで「血が垂れる」感覚を与える「出血体験」を併せて掲示。これらの要素を組み合わせて、誰でも「月経」を体験できる……という、こちらもかなりの意欲作です。
7位 「超・呼吸体験: VReath」チーム:ももまる(慶應義塾大学 メディアデザイン研究科)
慶應大学KMD「超・呼吸体験: VReath」。
体験者の呼吸を使ったコンテンツ。腹部拡張を掲示するベストを着用し、自分の呼吸を使ってゲームをプレイしていきます。コンテンツの中身が良くできていて楽しめました! #IVRC2019 pic.twitter.com/I2yvgILdIR— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
今年の「Laval Virtual」に2チームを送り込んだ慶應義塾大学大学院KMD、今年も2チームが決勝に進出しています。その1チーム目。ツイートでも書きましたが、VRコンテンツの出来がよかった! ちゃんと呼吸とのセンシングもベストで表現できていましたので、ここからのブラッシュアップに期待です!
6位 「もっちゃぶる」チーム:餅は餅屋(慶應義塾大学 大学院メディアデザイン研究科)
慶應大学KMD「もっちゃぶる」。
アンパンマンに着想を得て「お持ちになる体験」をHMD+独自の引っ張りデバイスで掲示。顔にテープを貼るメソッドが昨年のPinoseを彷彿とさせますね!
#IVRC2019 pic.twitter.com/4spNpSUhbv— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
「お持ち」になっておりますが、正しくは「お餅」です。昨年「SIGGRAPH Asia」の「VR/AR」にて名城大学が「餅つきVR」を通していましたが、こちらは体験者自身が「餅」になる、という趣向。Pinoseで培われた「身体をテープなどで物理的に動かす」メソッドが効いております! VRコンテンツも十分の出来!
5位 「きになるき」チーム:チルドレン(東京大学 大学院情報理工学系研究科)
こちらもタイムアップで間に合いませんでした……。これは本選に俄然期待!
こちらは「木になる」体験を力覚・触覚・視覚提示などのVR技術を用いて掲示する、というもの。見えているのはOculus Goに、両手に取り付けられたデバイス。果たして、これらを使ってどんな体験をさせてくれるのか……。やばっ、めっちゃ楽しみになってきた……!
4位 「Tabletop ARrietty」チーム:借りぐらし(東北大学 電気通信研究所)
東北大学「Tabletop ARrietty」。
VRHMD側とARアプリ(スマホ使用)による対戦型ゲームコンテンツ! VR側が小人となってAR側に登場、AR側からの攻撃を避けながらVR側はゴールを目指します。スッゲーよく出来てる!
#IVRC2019 pic.twitter.com/gWNCnYrTt5— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
これ! 体験させていただいた中では一番VR/ARコンテンツの出来がよかったんですよ!(これを上回る1位の発表とは……)
VRHMD側とAR側との対戦ゲームがちゃんと成立していて、しかも戦略性などの考慮もなされていて非常にアプリ開発レベルの高さを感じました。ちゃんとTHETA 360を使ってVR側の背景を実景にしているのもGOOD。ARアプリ側に至っては、良い意味でも悪い意味でも「なんか普通にApp Storeにあってもおかしくない!」な位の完成度でした。
ここからどのような「IVRC的な」ステップアップができるのかが鍵になるんじゃないかと思います。VR側のチュートリアルなどはまだまだいろいろできそうなレベルだったのと、アバターがUnityちゃんだったので、ここがオリジナルになればさらにコンテンツとしての完成度が上がりそうですね!
3位 「渡し舟教習所始めました」チーム:かつぞう、かわをわたる(立教池袋高等学校 数理研究部)ユース部門:金賞
立教池袋中高「渡し舟教習所始めました」
二人組で船を漕ぐという体験をHMDと木製の独自デバイスで掲示。漕ぎ方や漕ぐ角度などもかなり作り込まれてます。HMD間+アテンド用の音声チャットはdiscordに任せるという効率運用も!
#IVRC2019 pic.twitter.com/VgBN2Ux9ma— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
立教池袋中高の「渡し舟教習所始めました。」。
舵手と漕ぎ手の2人1組で渡し船体験。私の舵がヘタで申し訳なかったです。と感じてしまうあたりに、二人VRは奥深さを感じる作品。 #IVRC2019 pic.twitter.com/nLLxbVTI1T— Yoichi Yamazaki 山崎洋一 (@Yoichi_Yamazaki) September 13, 2019
立教池袋中学校・高等学校が3位で予選通過です……!!
実は、神奈川工科大学の山崎先生と一緒に体験させていただく機会を頂きましたので、山崎先生のツイートもご紹介。前にいる体験者が舵取り役、後ろにいる体験者がエンジン役となって、お互いが違う動作をしながら渡し船をする、という内容でした。
舵取り役が方向を間違うとうまく前へ進めず、エンジン役がひたすら漕いでも舵取り役が速度制御できないため、必然的に体験者間でのコミュニケーションが必須になります。そこで彼らが考えたのが、音声チャットの活用。運用側のアテンドを含めた三者通話を、みんな大好き!「Discord」で解決するというウルトラCをやっています。
顧問の内田先生曰く、「昨年を超える展示を、というところから生徒たちと検討を重ねました」とのこと。
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立教池袋中学校・高等学校へ行って、若き才能達による研究の成果に驚愕しました!(前編)
1月の寒波が吹き、寒さが身に染みる本日1月25日。 我々VRon取材班は、池袋におりました! 2019年の最初を飾った外 ...
いやいやどうして、昨年とはまた違ったアプローチで思わず山崎先生と一緒に唸ってしまいました。さらに企画書の時点ではゴムボートを使っていたのを木造の装置に変えたことで、結果として「船に乗っている感」が伝わってくるという効果も出たそう。
しかも!VRコンテンツもUE4を使って作り込まれていて、良くできていました! コースを舵取り役が選択できて、ルート選択により難易度が変わるというギミックまで仕込んでありまして、ますます唸るばかり。ここからどんなブラッシュアップをしてくるのか……!
2位 「VR消防体験 -炎舞-」チーム:CyberSpaceLab(筑波大学 システム情報工学研究科)
筑波大学「VR消防体験 -炎舞-」。消防士のホース消化体験を様々な装置を駆使して掲示。放水の水圧を後ろからの牽引で表現、炎の感覚も果敢に再現。非常に丁寧なインストラクションが良かったです。アッツー!
#IVRC2019 pic.twitter.com/EBvkNLtzLJ— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
2位で予選通過したのは筑波大学。多彩なギミックで消防における「放水体験」を再現しています。ホースの重量感がバッチリ! ホースのインターフェイスの先に重りを設置することで独特の重さを違和感なく再現させていました。風を表現するためにレインコートを後ろから牽引するというアイデアも光っていましたが、さらに良いポイントだな、と感じたのが……
これ! VR画面にて爆発が起き、炎が発生すると同時に首に設置されたサーキュレーターから「熱風」が吹いてくるんですよ! それも結構熱いヤツ! 筆者は思わず「アッツー!」と何度も叫んでしまいまして、それが自分で面白くなっちゃってね! 非常に興味深い体験でした。
VRコンテンツもインストラクションから非常に作り込まれておりました。特にタブレットを使った事前説明がとってもスマート! VRコンテンツ中でもメタ的なネタを挟み込むなど非常に練られた内容になっていて、満足度が高かったですねー!
そして、これらのハイレベルな発表を従えて1位通過を果たしたのが……
1位 「グランドサーフィン」チーム:鯖缶(大阪大学 基礎工学部)
【速報】予選通過作品
3位 渡し舟教習所始めました(立教池袋高等学校)
2位 VR消防体験 -炎舞-(筑波大学 システム情報工学研究科)
1位 グランドサーフィン(大阪大学 基礎工学部)#IVRC2019 pic.twitter.com/u7DXe1nKWP— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
実は……、タイムアップで体験できなかったんですーーー!!(涙)
というわけで、VRSJ(日本VR学会)で行われました発表の模様をご紹介させていただきます。
大阪大学の浦宗龍生さん、大島康太朗さんが着目したのは「ウインドサーフィン」。ウィンドサーフィンは自然の風と波を使って海の上を走りますが、その魅力を屋内で体験できるシステムとして制作されています。
オリジナルの「セイル型デバイス」ではユーザーの操作と映像上の風のインタラクションを掲示、ボード型デバイスでは振動提示により波に乗っている感覚を再現しています。さらに前方からサーキュレーターで風と海の匂いを掲示するというダメ押しぶりです。
こちらの最大のポイントは、ウィンドサーフィンの力学計算を含めた視覚表示のエンジンに「Oculus Go」を使っていること。PCVRではなくスタンドアローンVRHMD、しかも廉価版的位置づけのOculus Goをメインにしているのがスゴイです!
いやー、この自信に満ち溢れた笑顔! 本選にて1位通過の実力、とくと拝見させていただきます!
ただ今筑波大学の岩田先生による講評中。通過した9チームと、laval virtualから招待される1チームを加えた10チームが決勝に進出します。本番はこれからだ!
現場からは以上です。
#IVRC2019 pic.twitter.com/5D2qdU3hEj— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) September 13, 2019
そう。本番はこれからなのです。
決勝大会は11月15日(金)~11月17日(日)(15日は設営)、テレコムセンター/日本科学未来館(サイエンスアゴラ内)にて開催されます。この2ヶ月間、予選を通過した9チーム+LavalVirtual招待チームの10チームはここからさらにブラッシュアップを図り、本選に挑むのです。
特に本選は学会関係者だけでなく、サイエンスアゴラに来場したたくさんの一般客も体験をすることになります。つまり、現在以上に作品の耐久力と、破損などのアクシデントに対する対応力、そして発表としての完成度アップが求められるわけです。この2ヶ月を各チームがどのように走るのか……。注目していきたいですね!
#IVRC2019 勝ち負けはあるけれど
このステージにいるだけでえらい#IVRC pic.twitter.com/fElFywT6fv— Akihiko SHIRAI, Ph.D #EnjoyStayHome🦠 (@o_ob) September 13, 2019
そう! 23%の採択率をくぐり抜けてきただけでもエライのです!
もちろん、VRonは本選も取材させていただく予定です。今年はもっとIVRCをガッツリと追いかけていきたい所存。ガンバリます! では、11月の本選でお会いしましょうー!
取材協力:IVRC実行委員会