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株式会社HIKKY、バーチャルマーケット3の開催概要を発表。Vケット2の来場者数が約125,000人を記録【取材レポート】

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その時、筆者は南青山におりました!

株式会社HIKKY(VR法人HIKKY)は22日、南青山にありますエイベックスビル内にて記者会見を行い、同社が主催しているVRChat上のイベント「バーチャルマーケット3」の開催概要、及びパネルディスカッションを開催しました。

バーチャルマーケット2で出会ったのは、紛れもない「未来へのログイン」でした(体験レポート)

2019年3⽉8⽇から10日までの3日間・72時間に渡り、「VRChat」内特設ワールドにて「バーチャルマーケット2」が開催されました。 先日お邪魔させていただきました「VRSionUp! #2」では ...

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今回VRonは、HIKKYさんにお招き頂き取材させていただくことができました。この場を借りまして厚く御礼申し上げます!

今回の記者会見では、「VRの可能性と未来を探るパネルディスカッション」と題しましたパネルディスカッションが併せて開催されました。本記事の後半でそちらについてもざっとご紹介させていただくとしまして、まずは今回満を持して公開されました重大発表を改めてご紹介しましょうか。

「バーチャルマーケット3」発表記者会見レポート・概要

今回発表されたのは、今年の3月に開催され、400スペースに6つのワールドをVRchat上に出現させた「バーチャルマーケット2」の報告、として次回開催となります「3」の概要でした。

舟越靖(株式会社HIKKY)さんが登壇し、まず発表したのが……

バーチャルマーケット2の来場者数「125,000人」!!(主催者公式発表・プレスリリースにおける正確な数字は「124,886」)

舟越 「第2回の「バーチャルマーケット2」は3月8日から3日間の日程で開催しました。来場者数はもともとは2万人から、多くても5万人程度かなという感覚でした。しかし、実際に訪れたのは、なんと 12万5000人! これは東京ビッグサイトで行われるような大きなイベントの来場者に匹敵する数字であり、予想の軽く数倍を超えるものでした。

私たちもまったく想像をしていなかった数字ですが、主催のフィオさんをはじめとした運営のみなさんと、彼らを裏から支えたバックヤードの人たち、そして出展者と来場者の方々の成果です。」

株式会社HIKKY 公式開会挨拶文より

こちらの数字はプレスリリースによりますと、今回のバーチャルマーケット2の入り口となったワールド「VIRTUAL MARKET 2 LOGOUT」における「VISITS」のカウント数です。

これですね! いやー、まさかまさかの10万人超えですか!! これにはたまげました!

昨年8月に始まった「バーチャルマーケット」では約80ブースだったのが、「2」では実に5倍以上の「400ブース」。リクエストが殺到したことにより会場スペースを増築した上でのこの数字。素晴らしい!

そしてイベント後半では、次回開催となります「3」の概要が発表されたのですが、さらにパワーアップしております!

バーチャルマーケット3 開催概要

  • 日程:2019年9月21日(土曜日)~25日(水曜日)
  • 会場(プラットフォーム):VRChat
  • スペース:全6テーマ・15会場 / 600ブース(予定)

前回の1.5倍となります600ブース! しかも会期が5日間! はあああ、めちゃくちゃ楽しみじゃないですか! 本日22日には協賛企業などの募集窓口となります「Vケット準備委員会」が発足し、公式サイトが立ち上がっています(https://v-conference.com/)。さらには……

東京都VR化計画」なるプロジェクトも発表されましたが、それに共に今回のイベントを通して語られた一つのワードがあります。それが……

パネルディスカッション「VRで作るパラリアル市場~バーチャルプラットフォームに集う人々の新しいライフスタイル」

パラリアル」。

舟越 「現在のバーチャルマーケットは、バーチャルの世界でアバターをまとって活動する人々が、お互いにアバターを売り買いする閉じた市場です。アバターをまとっての活動というと、私たちにとってすごくなじみのないものに感じられるかもしれません。しかし、実は私たちはすでにこれに近いことをしているのです。SNSです。

今、私たちは当たり前のようにアカウントを持ち、SNS にアクセスし、近況や感じたことを表現しています。そしてアカウントはある意味、私たちの制御を離れ、勝手に RTや、いいねによって、私たちの評価を高めてくれます。アバターはアカウントに外見を与えるものであり、そういう意味ではアバター生活は、昨今のSNSの発展の流れの中にあるもので、私たちはすでにバーチャルの中で生活していると言えます。

これからの社会では、私たちは当たり前のようにアバター、つまり外見を持つアカウントを持ち、必要に応じてリアルとバーチャルを行き来しながら生活していくことになるのです。私たちはこうした生活を、並行、パラレルに存在する現実、「パラリアル」な生活と呼んでいます。

(中略)パラリアルの社会では、あらゆるものはリアル、バーチャル両面で価値を持つようになるでしょう。例えば、私がここに持つ1本のボールペンは、リアルではただのボールペンでありその価値は100 円程度ですが、バーチャルから見たときには実はこのボールペンにはすごく美しい3Dモデルのオブジェクトがついて芸術のような価値を持つかもしれません。そうなれば、このボールペンの価値は 100円どころではありません。パラリアルの社会ではすべての価値が今よりも高まるのです。

舟越さんは、このようにして形成されていくであろう「パラリアル都市」とも表現できる空間どのような姿を持ち、どれほどの可能性を示してくれるのか……こういった観点をテーマにパネルディスカッションを企画されたそうです。

さて、そんなパネルディスカッションに登壇された方々が、まー錚々たる方々ばかりで!!

(前列左から)

  • MC:坂本達夫さん(Smartly.io社セールスディレクター)
  • 舟越靖さん(VR法人HIKKY代表取締役)
  • 前田裕二さん(株式会社SHOWROOM代表取締役)

(後列左から)

  • 鳴海拓志さん(東京大学情報理工学系研究科講師)
  • 杉本真樹さん(HoloEyes株式会社取締役COO / 東京大学先端科学技術研究センター客員研究員)
  • 中馬(ちゅうまん)和彦さん(KDDIライフデザイン事業企画本部 ビジネスインキュベーション推進部長)
  • 土佐林淳さん(AT PARTNERS株式会社代表取締役)

当然のように、パネルディスカッションは非常に濃く深い内容の連続でございました。聴き応えありましたー! まずは前半のセミナー「VR 都市空間のインフラ技術」~から、ディスカッション「VR関連技術によってもたらされる未来の生活」の一部をご紹介。

まずはHoloEyesの杉本さんによる「XR技術による手術支援・遠隔医療・パラリアルヘルス」と題した事例紹介が行われました。「普段は学会とかで発表することがほとんどなので、こういった場所をご用意いただけて嬉しいです」と杉本さん。この写真はMicrosoft HoloLensを用いて実際に実証実験が行われている、MR技術「HoloEyes XR」を使った外科手術での活用例です。

上の動画は実際に杉本さんが公開している映像。杉本さんのHoloEyesさんでは、こういった医療向けXRソリューションを1ケース10,000円~から提供しているんですね!

続いて鳴海拓志さんの研究発表。

鳴海さんと言えば「テーブルトップ型拡張満腹感」、「メタクッキー」などの研究で知られますが、今回は現在鳴海さんが手がけられている最新の研究が紹介されました。上の写真は、目の前に写った自分の顔(実際はディスプレイ上部にあるカメラが捉えている自分の顔)の表情を、リアルタイム画像処理技術処理技術を用いて「少し微笑む」「少し悲しげ」といった変化を加えることで、被写体の判断や行動に影響を及ぼす、という研究です。

セミナーの後はディスカッションへ。非常に含蓄に内容に唸るばかりでした。あまりにも深くて1日では纏めきれませんので(汗)、こちらでは印象に残ったお二人のお言葉をお一つづつご紹介しましょう。

鳴海 「例えばVTuberとかで、現実的に「なりたい自分になる」という活動をアバターを使って行っている人が実際に山のようにいるわけですね。我々としても、(少しでも) 早くそういったことが人々にどのような影響を与えるのか、というところをアカデミックな知見を貯めなければならないと思っています。社会の方が(学術的な点に比べて)先んじているので、それに追いかけるように理論をためて、よりよい方向へ進めれるように研究していきたいですね」

杉本 「私は外科医の活動をする一方で東大で研究もさせて頂いていますが、研究者の方々にもっと(医療の)現場に来ていただきたいですね。現場で実際のものを見ていただいて、それをバーチャルの世界にどこまで相関できているのか、どこまで置き換えることができるのか、といったことは現実に試してみないと議論できないことだと思いますので、(リアルとバーチャル)両方の共存を考えられるといいんじゃないかと思います」

(カッコ内は筆者による補足)

後半は、「パラリアルなライフスタイルの市場的可能性」と題されましたパネルディスカッション。

今やバーチャルアバターベースの配信プラットフォームの一翼を担うまでに成長したSHOWROOMの前田さん、様々なスタートアップ支援を行っているKDDIの最前線で活躍する傍ら、KDDI ∞ Laboのラボ長としても知られる中馬さん、そして、自身のAT PARTNERS株式会社さんをベースに、TRANSLINK CAPITALや「SONPO D STUDIO」など、ベンチャーキャピタルの分野で活躍されている土佐林淳さんのお三人方が登壇されました。

こちらは前半のアカデミックな内容から一転、ビジネスの観点から熱いトークが繰り広げられたのですが、その中から少しだけ。中馬さんと前田さんのお話をご紹介させていただきましょう。

まずは中馬さんによる「5G」のお話。

中馬 「5Gが今年から始まっていく中で、私の中ではパラダイムシフトが起きる、という予感がしています。電話ができて、メールが始まって、スマホができて映像が伝えられるようになってきました。で、今は(5Gの実証実験を通じて)触覚などの感覚も伝えられていくようになってきています。となると、これからいよいよどこまでいくんだ、ということになるわけですが、それはあくまでも「リアルを置き換える」というか、むしろ、リアルを追求するんじゃなくて、バーチャルにしかできないことが多分あって、そこに期待したいな、というところがありますね。

(中略)今僕らが使っているスマホがメインの時代はたぶん「4G」で終わりです。これからはすべての機器が「5G」でつながって、表現にもものすごい多様性が出てくるようになります。そしてたぶん「ポストスマホ」の時代が来て、その先にある一番わかり易い利用システムとして、VR / ARが出てくるんじゃないか、と期待しています」

続いて展開された、前田さんの持論のお話が面白かった!

前田 「今、「人格数を増やす」ということをテーマに考えています。日本って世界的に見ると、人口は確かに減っているかもしれないけど、実は世界で最も「複アカ」(ソーシャルアカウントを複数所有すること)が多いんですよね。つまり、人格数で言ったら(世界で)日本が1番多いんですよ。ここから僕は「これって人格数が増えると、一人あたりのGDPが増えるんじゃないか」、という仮説を立てているんです。

例えば自分が一つアカウントを持っていて、別のアカウントで「読書」に関するツイートをずっとつぶやいている、とします。これを自分自身のアカウントでやると、それはおそらくノイズになってしまいます。自分の通常活動に「読書」のことばかりがつぶやかれると「引いてしまう」人もいるでしょう。でも、「自分にとってのコアな人の中に「読書のことを聞きたい」という人がいるかもしれない」わけで、そうなればそこに別の市場ができるわけです。さらに、これらとは別に全く関係のないことしか呟かない、リアルと紐付いていない「バーチャルな」アカウントに人気が出れば、そこでも経済活動が生まれることになります。

僕らがSHOWROOMで目指している最終地点は「皆さんに「演者」になっていただく」ことです。よくスナックに例えるんですけど、例えばカウンターの外にいるお客さんがカウンターの中に入ったら、その人はそこから離脱せずに「表現する側」になってくれます。自分たちが目指している「一億総表現者」の世界です。でも、カウンターの中に入って頂くための大きなハードルに「リアルアイデンティティが紐付いていると表現できないことがある」というのがあって、日本はこのハードルが特に高いんですね。これは日本人の国民性だと思います。

自分たちがVTuberの分野に投資しようと決めたのは、まさにこのハードルを超えられる自分たちの理念……「生まれ持った性別やあらゆる制約にとらわれずに、自分のうちに秘めた個性を表現できる社会にしたい」と思っていて、まさに(VTuberの)表現方法がこの理念に一致した未来が見えたんです。すごく期待しているのは、そこですね」

今回の会見・パネルディスカッションを通じて強烈に感じたこと、それは、HIKKYさんが如何に「バーチャルマーケット」が生み出したムーブメントを多面的に捉え、あらゆる可能性を模索しているのかがこのイベントに凝縮していた、ということでした。

実のところ、このお話を頂いたときに真っ先にイメージした「記者会見」は、愛くるしい姿の「動く城のフィオ」さんが登場して、高らかに「3」の開催を宣言し、その傍らで「水菜」さんがニコニコしている……みたいな優しい世界だったんです。でも、詳細を伺ってからその見方はガラッと変わりました! 「あああ、HIKKYさんは、ちゃんとビジネスやアカデミックな視点としてのバーチャルバーケットをも見据えていらっしゃるのだ!」と。

それはつまり、HIKKYさんが「バーチャルマーケット」という素晴らしい空間に全力を込めて取り組んでいることの裏返しでもあります。

バーチャルマーケットが規範としたであろう「コミックマーケット」は今や95回を数えるモンスターイベントになりましたが、一番最初は一つのサークル「迷宮」が企画した、わずか数十ブースという規模による同人誌即売会でした。黎明期のコミケにはまだビジネスの観点はなく、徐々にコミケが肥大化していく上で「ビジネスの一歩手前に踏みとどまりつつ、その距離感を模索し共存する」という選択を死守しながら現在に至っています。

その点でも、バーチャルマーケットには大きな可能性があると思うのです。なぜって? 先人たるコミケの教訓があり、かつスタートからあらゆる可能性を模索する体制を意識した上で成長できているからであります。これはあまりにも大きなアドバンテージです。

その先に出現した新たなる世界は、「クリエイティブ」と「アカデミズム」と「ビジネス」が良い形で共存できる可能性を秘めた、まさしく「無限の空間」なのでした。

重大発表はまだまだ続く! 開けて23日22時からの公式配信を見逃すな!

さあて! お楽しみはこれからですよー!

開けて23日22時より、バーチャルマーケットさんの公式配信が実施されます。バーチャルマーケットの主催を務められている動く城のフィオさん、副主催の水菜さんが登場する予定で、本日のパネルディスカッションの模様も取り上げられるみたいですよ! ブース参加を考えていらっしゃる皆さん、9月の開催が待ちきれない皆さん、これはマストで見ないとですよー! もちろん筆者も見ます! 注目ー!!

取材協力:VR法人HIKKY

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