VTuberの音楽史に、また一つ、大きな転換点が刻まれようとしています。
カバー株式会社は29日、「ホロライブプロダクション」内の音楽レーベル「イノナカミュージック」所属の「AZKi」について、本日より新曲『オーバーライト』をリリースすることを発表しました。また、2022年4月よりAZKiさんがホロライブへ転属、3月31日をもって所属していた「イノナカミュージック」が終了することも合わせて発表されています。現在は新体制の構築を行っているとのことです。
一つの歴史が終わり、次の章が始まる。イノナカミュージックがその歴史を閉じる時が来る
AZKiさんは2018年11月にデビュー。当初upd8に所属し、同年12月よりオリジナル曲を12曲リリースを行い、バーチャルシンガーとして精力的な活動を始めます。2019年5月にホロライブ内の音楽活動に特化したバーチャルアーティストのプロデュース・マネージメントを行う音楽レーベル「イノナカミュージック(INNK MUSIC)」に所属、プロデューサーを務めるツラニミズさんと二人三脚の活動に移行しました。
その後、公式サイト内にも記載されている通りライブを中心とした活動を積極的に展開。特にファンネームとして知られる「開拓者」の皆さんによる情熱あふれるサポートは、AZKiさんの高いライブパフォーマンスと共に語り草となっていたのが記憶に新しいところです。
しかし、そんな二人にも「コロナ禍」が別け隔てなく襲いかかります。2019年12月29日、4thワンマンライブ「REPEAT THiS LiFE WiTH U」を池袋harevutaiで開催し、翌年3月に「エルセとさめのぽき」と行った対バン企画「LAST V STANDiNG vol.2」を最後にオンサイトでのライブが途絶え、以降のライブが配信限定になってしまいました。しかし、「止まるんじゃねえぞ……!」の掛け声高らかに楽曲リリースや配信ライブなどを根強く実施、そして……、本日の新曲リリース・発表と相成りました。
このリリースと時同じくして、プロデューサーのツラニミズさんがnoteを更新。イノナカミュージックのプロジェクト終了と、その経緯について胸中を綴っています。
今まで本当にありがとうございました。https://t.co/4YJTACmKiy
— ツラニミズ (@tsrnmz) December 29, 2021
最後に開拓者の皆とワンマンライブで会ったのは2年前の12/29でした。
どうしてもそこで止まった時計をもう一度動かすことが
できなかったことに悔しさはあります。でも、これからきっとAZKiと開拓者の皆がもう一度会える機会が
いつか来ると思います。これからきっといろんな形で彼女自身の活動も形を変えるかもしれません。傲慢な言い方になってしまいますが、皆のできる範囲で
その変化を受け入れたり、新しい活動を応援したりしてくれると
嬉しいです。夢の終わりに / ツラニミズ より引用
その心中、察するにあまりあります。たくさんの決断と苦慮をされたであろうことが、文面からホログラムが現れるかのように伝わってきます。
ただ、このことは記しておかなければなりません。VTuberという枠組みにおいてイノナカミュージック、ツラニミズさん、そしてAZKiさんが果たした役割は非常に大きく、であるがゆえにここまでの大きな反応がSNS上で起きているのだと思います。そのメッセージ性、コンセプトの深さを「イノナカ」流のスタイルで見せていく様は、見ていていつも感嘆するばかりでした。ならば、イノナカミュージックが果たしてきた歴史と功績を、ここにはっきりと記して置かなければならないと。
先ほど発表されたプレスリリースに加えて、
その補足や今後の活動について以下にまとめさせていただきました。
ご覧いただけますと幸いです。https://t.co/6ooJKWrPhp— AZKi⚒ (@AZKi_VDiVA) December 29, 2021
AZKiさんは4月から新たにホロライブ所属として引き続き活動を続けられます。
AZKiさんが今歩み続けている「ルートβ」はまだ道半ば。願わくば、その道が引き続き光あふれるものであらんことを。そしてツラニミズさんに、最大級の敬意と感謝を。
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情報元 カバー株式会社プレスリリース