居酒屋『塚田農場』を全国に展開する株式会社エー・ピーカンパニー(東京都港区)は11日、飲食業界では初めて(※プレスリリースより)となる「VRを使用した研修プログラム」を、アルバイト向けに2017年7月より開始することを発表しました。
塚田農場は現在24都道府県に200店舗以上の店舗を展開している居酒屋チェーン。宮崎県のみやざき地頭鶏を使用した『宮崎県日南市 塚田農場』、『宮崎県日向市 塚田農場』、鹿児島県の黒さつま鶏を使用した『鹿児島県霧島市 塚田農場』、北海道の新得地鶏を使用した『北海道シントク町 塚田農場』などのブランドを持っています。自社や提携農家で育てた地鶏を100%使用していることが特徴です(Wikipedia「塚田農場」より)。
で! 今回のVRを使用した研修を発表するに至ったのには理由があるそうでございまして、「もっともお客様に触れる機会が多いのはアルバイト従業員である」と考え、あらゆる研修を通して「アルバイトが塚田農場のビジネスモデルをよく理解し」「宮崎や鹿児島の地鶏や生鮮野菜の生産者を知り」「6次産業モデルの一層の理解と店舗でのアルバイト一人一人が自分の役割が明確になっている」状態を目指すべく、VRによる研修を行うことを決めたとのこと。
んん? 6次産業モデル?
6次産業、というのは「農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態」を指します。第一次・第二次・第三次の全ての産業形態をまとめて展開しているから、「1+2+3=6」、というわけですね!
VR研修で体験できる、6次産業モデル
塚田農場さんでは、これまで社員向けに宮崎や鹿児島に行き、養鶏業や加工業を見学体験する現地研修を行ってきたんだそうですが、今回のVR研修ではその現地研修をベースに、これまでアルバイトが訪れることのできなかった産地の養鶏場や加工センターである「食の6次産業化モデル」を疑似体験することで、「素材の価値」を消費者に伝えるアルバイトの役割を認識してもらうことを狙いとしているそうです。内容はこんな感じ。
- ①養鶏編:地鶏農家の鶏舎での仕事(鶏の成長段階ごとの飼育を追う)
- ②加工編:加工センター放血(血抜きの処理の一環)担当職員の目線カメラでみる生き物が食べ物になる瞬間
- ③6次産業編:地鶏生産の聖域“ひなセンター”、養鶏場、加工センターでみる「ひよこからテーブルまで」の実現
かなり本格的ですねー。体験させたい空間との距離の問題を解決するためにVRを採用するケースはこれまでも多々ご紹介させて頂きましたが、今回の塚田農場さんのケースは全国展開している飲食店チェーンならではのアプローチなのではないかな、と感じました。これからもこういったVRの活用例が増えそう! 今後の展開に注目です!
記事元:VR(仮想現実)で5000人に農場体験。国内初のVRを活用したアルバイト向け研修プログラム2017年7月ローンチ -PR TIMES