NVIDIA、Oculus、Valve、AMD、Microsoftが参画・推進する新しい業界コンソーシアムは日本時間で18日(カリフォルニア州サンタクララにて17日)、新しいVRに関する統一規格「VirtualLink™」を発表しました。
大手5社により策定されたもの、それは「USB Type-C」コネクタのみで接続を可能にする次世代の規格
こちらの「VirtualLink™」、その最大の特徴が「統一規格」である、ということ。なんせ参加した企業のメンツが奮っています。
- NVIDIA(グラフィックボードメーカー最大手)
- Oculus(Oculus Rift / Oculus Go)
- Valve(Steam / Steam VR)
- AMD(Intelに続く大手半導体メーカー)
- Microsoft(ご存知! Windows MR / HoloLensなど)
現在のハイエンドVRヘッドセットは、たいてい2本、物によっては3本のケーブルを同時に接続します(HDMI+USBとか)。この複数デバイスを使った接続方法はそのままVRヘッドセットを使う際の煩雑さに直結するため、VRHMD界隈では大きな課題になっていました。
今回策定された規格は、複数のコードやコネクタを使用することなく、1本の高帯域USB Type-C™コネクタのみをつかって、次世代VRヘッドセットをPCやその他のデバイスへ接続を可能にする、というもの。「オープンな業界標準」と謳っておりまして、他企業の参入のしやすさもアピールしています。
USB Type-Cケーブルで他の規格の信号を取り扱うオルタネートモードを使用し、VR導入における重要な課題……使用の煩雑性・手間を回避することで、VR設定の簡素化とセットアップスピードの改善を実現しする、としています。また一般的にも多く流通しているType-C規格を使うことで、ノートPCなどのポートが少ない小型デバイスでもVR体験を可能にすることも目的にしているそうです。
新しい世代のVR端末を見据えた、意欲的・かつ「シンプル」なスペック
本規格の概要がすでに一部明らかになっておりまして、
- 拡張可能な4つの高速HBR3 DisplayPortレーン
- 高解像度カメラおよびセンサー用として、USB3.1データチャネルをサポート
- 最大27ワットの電力を提供
という内容になっています。次世代のVRヘッドセットが避けて通れないのが「高解像度化」と「低遅延(レイテンシー)」、そしてトラッキング・AR情報などの増加も含めた「帯域幅の急激な増加」です。「VirtualLink™」はそういった次世代VRHMDが抱える課題を見据え、ヘッドセットおよびPCメーカーが次世代のVR体験を提供できるように遅延と帯域幅への要求に最適化されたものになるそう。
また、他の接続方法とは異なりVirtualLinkが「VR専用」に開発されている、というのも大きなポイントでしょう。はなっから次世代VR端末を念頭に入れた規格策定なわけでございまして、今後のVRHMD界隈にとって大きなムーブメントになるのはおそらく確実なところですね。
あとは、現在の5社に続く企業参入がどこまで進むかが大きな関心事となります。たとえばHTCですとか、SAMSUNGですとか、そういったVRメジャーなあたりの会社さんがどういう動きを見せるのか……。
これは次世代VRHMDの世界がさらに面白くなりそうです!