コラム

VTuber「MonsterZ MATE」、メジャーデビューアルバム「MZM」をリリース。iTunesリアルタイム総合ランキングで第2位を記録

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バーチャルYouTuber(VTuber)として活動しているユニット「MonsterZ MATE」(バルス株式会社 / upd8)は8日、ユニバーサル傘下の「Virgin Music」よりメジャーデビューアルバム「MZM」をリリース。本日のiTunesリアルタイムアルバムランキング(総合)で第2位を記録した他、オリコンデイリーアルバムチャートにて第10位にランクインしました。

男性VTuberによるアルバムランキングのトップ10ランクインは「ミソシタ(ファーストアルバムがAmazon売れ筋ランキング(総合)で10位を記録)」さん以来の快挙となります。

またVTuberとしても、同じ「upd8」に所属している「YuNi」さんが4月24日リリースした「clear / CoLoR」(iTunes:4位(「CoLoR」)、オリコン:8位(「clear / CoLoR」))以来の快挙となりました。

時代を先取るニューパワー! 1年の雌伏の時を経て一つの山を超えた、類まれなる才能を持つ「吸血鬼」と「狼男」

いやーーーーーーーーー、メイト(MonsterZ MATEのファンを指す呼称)で本当によかった!!

MonsterZ MATEは、吸血鬼「コーサカ」と狼男「アンジョー」の二人組ユニットです。コーサカさんがラップ、アンジョーさんが歌を担当しています。

2018年5月5日より活動を開始、ボーカルとラップという楽曲制作のかたわら、御茶ノ水あたりで共同生活をしながら、日常や自分たちのカルチャーについてYoutube上で配信を続けています。

すでに発表されているすべての楽曲が「オリジナル」で、今回リリースされた「MZM」に収録されている楽曲の殆どはすでに彼らのYouTubeチャンネルでMVとして公開されているものです(僕色君色ドリームを除く)。

2018年8月には、株式会社NTTドコモの提供する「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」にバルス株式会社が参画、同社のモーションキャプチャースタジオで撮影したパフォーマンスを5G及び専用線を通して「タワーレコード渋谷店」の特設会場にデータ伝送する、という史上初(当時)のARライブを敢行し、(お二人曰く)「一部で」話題になりました。

実はこのライブ会場には、今日リリースされたアルバム「MZM」のレコード会社であるユニバーサルのスタッフが訪れていたそう。

その後、お二人の頑張りがなかなかYouTubeファン数の増加に結びつかない日々が続いていましたが……

昨年末に歌衣メイカさんのチャンネルで開催された「V紅白歌合戦」にて注目を浴び、ファン数が1万人を突破、ついにここで待望の「バズ」が始まります。

かねてからお二人は、自身のチャンネルで上にあります「誰がもってるか王選手権」に代表される独特なバラエティ指向の動画を数多く公開しておりまして、それらの動画の「内容」や「編集」クオリティの高さ、異様にハイレベルなモーションキャプチャー技術(光学キャプチャーではド定番の「Vicon」を使用)、そして、お二人の主戦場であります「ボーカル」と「ラッパー」としての確かな腕が広く注目されるようになります。

奇しくもV紅白歌合戦が公開された時期にメジャーデビューの話が本格化、そして……

今年の3月9日に晴れてメジャーデビューを発表、現在に至る、というわけです。

「メタ」を巧みに操る二人が、行き着いた先にたどり着いたのは……

彼ら二人の大きな特徴として挙げられるものの一つが「「中の人」を特段隠していない」ことです。

コーサカさんの「中の人」はラッパー、楽曲制作、さらにラノベなど文筆業の活動で知られる「高坂はしやん」さん、アンジョーさんの「中の人」は歌い手としての活動で広く知られる「un:c」さんであることが各所で明かされています。「中の人」はバリッバリのミュージシャンであり、アーティストなのです。

また、昨年6月に「PANORA」さんで公開されたはしやんさんへのインタビューでは、こんなお話も出ていました。

──コーサカとアンジョーは、はじめから正体を明かしていたのも面白いですね。

はしやん 最初から中身を隠さないようにと思いましたね。VTuberは「中の人バレ」で炎上する流れがありますが、それがクソだるく感じられて。別に中の人なんて誰でもいいじゃないですか。

──本当にそう思います。

はしやん だから最初から高坂はしやんのアカウントのままで公開しました。それに、VTuberが好きな層って、サブカルも好きそうだから「プロレス」をちゃんとわかってくれるだろうと思っていました。アンジョーとコーサカのことは、自分も最低限は告知するけど、基本的には侵食しないようにしている。例えるなら、武藤敬司とグレート・ムタの関係ですね。

ーPANORA「例えるなら武藤とムタの関係──高坂はしやんが語る、VTuber「MonsterZ MATE・コーサカ」の可能性」より引用

上記インタビューでは「MonsterZ MATE」を知る上で重要な観点が数多く語られていますので、ぜひPANORAさんでご一読くださいませ。

この観点を踏まえてもう一つ言及すべきポイントがあります。それが、彼らのコンテンツで随所に見られる「とんねるずリスペクト」です。

  • 「誰がもってるか王選手権」の元ネタは、フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげです(した)」における代表的なコーナー「モジモジくん」の「激辛ワサビ入りロシアン寿司対決
  • バラエティ企画の最後に動画出演者全員で挨拶する「バーイ、センキュー」は、同上のコーナーで行われていた最後の挨拶のオマージュ。オリジナルは「でんでん」の決め台詞
  • 本アルバムのキャッチコピーに使われている「時代を先取るニューパワー!」は、とんねるずの前身「貴明&憲武」時代の決め台詞「時代を先取るニューパワー」から

  • 彼らの活動1周年を記念して制作された特番の番組名「MZMのみなさんのおかげです。」は、上記とんねるずの番組から

上記PANORAさんのインタビューでもはしやんさんが「お笑いが大好き」と公言するなど、公開されている100本以上の動画のそこら中で「とんねるず愛」「コメディ愛」を感じ取ることができます。

伝説のお笑いコンビであるとんねるずのお二人も、芸人としてだけでなく歌手としても活躍し「日本歌謡大賞」の大賞受賞経験もお持ちなくらい、日本の歌謡界において確かな足跡を残してこられました。特に木梨憲武さんは、言わずもがなの高い歌唱力の持ち主です。

時代を作った「とんねるず」と、今まさに飛躍しようとしている「MonsterZ MATE」の2つの間にある、あまりにも多くの共通点。これらがまさか「偶然の産物」だとはとても思えません。そこで筆者はずっと考えておりました。「MonsterZ MATE」と「とんねるず」をつなぐものは、果たして何なのか? と。

その答えになっているのかはわかりませんが、筆者はある一つの共通点にたどり着きました。それが「メタ」です。

「メタ」とは、「高次な-」「超-」「-間の」「-を含んだ」「ーを入れた」「-の後ろの」等の意味のギリシャ語。広義には、「何かを取り込んだ何か」、「何かについての何か」、といったものがメタと呼ばれます。「入れ子構造」を思い浮かべるとわかりやすいかしら。

VTuberという存在は、その存在そのものが「メタ」である、と定義することが可能です。「VTuberには等しく「中の人」がいる」と考えれば、その構造は「入れ子構造」です。

一般的にはその存在はタブー視され、明かされることはありませんが(中の人などいない!)、MonsterZ MATEのお二人は「中の人がいる」という点で非常に「メタ」を活用しやすい状況下にいるのですね。その点については彼らのチャンネルに上がっている動画をご覧頂ければ、よーくおわかりいただけるのではないかと。

かたやとんねるずのお二人がお家芸としていたのが、「内輪ネタ」とも形容される「メタコメディ」です(昔で言うところの「楽屋落ち」)。とんねるずのお二人は、デビュー当時から全盛期、野猿、そして現在に至るまで一貫して「内輪ネタ」を大得意としています。

一例を上げましょう。宮沢りえ・観月ありさなどを輩出した「○○によくある風景」は、現在で言うところの「○○あるある」をコント化したようなもので、その上で「番組をよく見ている人が大笑いできる」ような内輪ネタが巧みに散りばめられていました。これらは一般的な「コント」や「コメディ」を重層的にしたものと定義することができます。だから、とんねるずにおけるお笑いの要素には多分に「メタ」(高次的)な要素が含まれているのです。

この「メタ」という概念において「とんねるず」と「MonsterZ MATE」には非常に強い結び付きがあるのではないか……

ただ「とんねるずが好きだから」「お笑いが好きだから」というところにはとどまらない、非常にレベルの高い、それでいて抱腹絶倒間違いなしの映像コンテンツがどんどんと量産されていく様の奥に、MZMのお二人の中では「メタ」という概念が何らかの形で明確に意識されているのではないか……

そう、深夜2時を回った今も考えを巡らせています。

 

ホントのところは、コーサカさんやアンジョーさん、それにバルスの木戸さんを始めとするスタッフの方にしかわかりません。考えすぎかもね。

……ただ、これだけははっきりしています。

彼ら二人とバルスの皆さん、そして数多くの理解者や協力者の手によって生み出されたコンテンツの数々は間違いなく面白いし、それが本日のアルバムリリースとなって結実した上で、「iTunes総合2位」という大きな結果が出ました。あのHYDEやONE OK ROCKなど、錚々たるアーティストを従えての「2位」という勲章は、必ずやお二人の先に伸びていく栄光への道を照らす光となります。この事実はもはや疑いようがありません。

来週末にはSPWNにて単独ライブが控えているお二人を、筆者はこれからも追いかけていきたいと思います。

まずは、今日という日に祝福を。そして、お二人のこれからに、大いなる拍手を声援を送るといたしましょう!

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