コラム

【気になるVRonスペシャル】AR技術でテクノスポーツ!「HADO」で驀進中の株式会社meleap代表・福田浩士さんインタビュー

こんにちわこんばんわ! かなえです!
のぞみだ。
今回は、今大注目のテクノスポーツ「HADO」を手掛けている、株式会社meleapさんへお話を訊きに虎ノ門までやってきました!
VRon初のインタビュー企画か。取材担当スタッフがめちゃくちゃ緊張しているぞ。
お姉ちゃんそういうメタなセリフはいらないから!

AR技術を活用して作られた新しい「テクノスポーツ」、HADOとは?

 

HADO」とは、株式会社meleapが開発・提供しているAR(拡張現実)を用いた新感覚のARスポーツです。名付けて「テクノスポーツ」。

ウェアラブルデバイス(iPhoneを使用したヘッドマウントディスプレイ+アームセンサー)を身につけ、実際の空間と映像を合成。アームセンサーを付けた自分の手からエナジーボールを放ち、相手と撃ち合います。

対戦形式は3対3のチーム戦で、エナジーボールで攻撃しながら、バリアを張って敵の放つボールから防御するのが基本スタイル。体を動かしてフィールド内を自由に動き回りながら、チームメイトと連携して楽しめるのが特徴です。

というわけで、この「HADO」を開発されています、株式会社meleapのCEO・福田浩士さんに詳しく伺っていきましょうー。よろしくお願いします!

子供のころから夢だった「かめはめ波」を出し合って戦うことができたら、どんなに面白くなるだろう

福田浩士さん:株式会社meleap CEO。1986年新潟県生まれ。東京大学大学院を修了後、株式会社リクルートを経て2014年1月に株式会社meleapを設立。AR技術とウエラブル端末を用いたテクノスポーツ「HADO」を開発し、レジャー施設やイベントなどでサービスを展開している。

VRon 本日はよろしくお願いします。

福田浩士さん よろしくお願いします!

VRon まずは、「HADO」を開発されたきっかけや経緯などを教えて頂けますでしょうか。

福田さん 2014年に株式会社meleapを2人で創業したんですけど(現CTOの新木仁士さん)、その時に考えていたのが「リアルとバーチャルを掛け合わせて世界を面白くする」というコンセプトでした。そこで注目したのが「ウェアラブル・AR」で、これから発展が見込まれるこれらの技術を使うことで面白いものが作れるのではないかと考えました。

この技術を使えば、子供のころから夢だった「かめはめ波」(鳥山明「ドラゴンボール」に出てくる架空の技)が実際に自分で放てるようになるかもしれない。ARでかめはめ波を放ち合って戦えるようになったら、面白いと思ったんですね。では、どうすれば実現できるのか、という方向性で作っていきました。

VRon さぞかし大変だったんじゃないですか?

福田さん そうですね……。基本的に「プレイヤーが動き回る」中で、「プレイヤーの位置を検出する」というのは大きなチャレンジでしたね。他にも、走り回っても転ばない、酔わないようなヘッドマウントディスプレイを開発したり。他に同じようなことをやっている会社がなかったので、試行錯誤しながら自社で開発を始めたんです。

開発をスタートして1年ほどで基本的なシステムが出来上がり、その後、「対人戦」と、もう一つ「モンスターとの対戦」の2つを軸にして具体的にコンテンツを作り込んでいきました。

VRon 「モンスター対戦」というのは?

福田さん 次から次へと目の前に巨大なARのモンスターが現れ、仲間と協力してモンスターと戦うというコンテンツです。

VRon 体験された方の反応はいかがですか?

福田さん 非常に高い評価を頂いている、と感じています。子供から大人まで幅広く遊んで頂いていますね。おかげさまで、「ARによる臨場感のある映像と、体全体を使った新しい体験」として非常に面白がってくださっています。特にお子さんからの反応が良い印象ですね。

福田さん ハウステンボスでは3つのアトラクションを展開しています。現地でアンケートを取らせて頂いているのですが、ほぼ上位の評価を頂くなどかなり高い評価をして頂いていて、非常に手ごたえを感じています。

もう一つの「競技スポーツ」路線については、子供というよりも10代後半〜20代の層をターゲットにしており、何度も何度もやり込めるようなものにしようと考えております。

「競技スポーツ」としてHADOに必要なもの。それは「のめりこめるか」

VRon なるほど! それでは「競技スポーツ」「対人戦」としてのHADOについて詳しくお聞かせください。

福田さん 「対人戦」は今後スポーツ(テクノスポーツ)として伸ばしていきたいと考えています。テクノロジーを使った新しいスポーツジャンルを「テクノスポーツ」と呼んでおり、「HADO」をその代表競技として位置づけております。そのうえで「何度も何度もやり込めるようなものにしていく」と見据えているのには理由があります。HADOという競技に「プレイヤーがどこまでのめりこめるか」が大事だと思ってるんです。

例えば、サッカーなら子供のころから毎日毎日練習していきながら技術を磨いていき、10年・20年と積み重ねてきたものがW杯出場のような「実績」「オリンピック」などの成果となって炸裂していくものですよね。

そこには人生がかかったピリピリ感があると思うし、それこそがスポーツにとっての「深み」につながっていると思うんです。そういった奥深さをHADOとしてどうやって出していくか、が大きなチャレンジの一つです。

新バージョンのリリースでより「奥深く」より「楽しめる」

VRon 先日(2月10日)に行なわれた「HADO体験会」にてHADOの新バージョンがお目見えしたそうですね。

福田さん そうなんです。今回のバージョンから、腕に着けるアームセンサーを「iPod Touch」に変更し、自分のスキルのパラメータを事前に調整できるようにしたんですよ。

VRon おお! これがそのアームセンサーですね! かっこいい!

福田さん 左から順に、「打つ球のスピード」「球の大きさ」「球ゲージのチャージ速度」「防御のためのバリア強度」です。この4つのパラメータを、ゲーム開始前に設定することができるようにしました。最大で12ポイントをプレイヤーが自由に割り振ることができます。

これによって、3人一組のチーム内で相談しながら守り役や攻め役など役割分担を考え、パラメータを割り振ることにより戦略性や戦い方のバリエーションを広げることができるようになりました。かなり思考を巡らせながら対戦を行えるようになったんじゃないかと思います。

VRon 体験会での反応はいかがでしたか?

福田さん 2月10日の体験会を通じてわかったんですが、プレイヤーの方の様子を見ていると、HADOのゲーム回数を重ねるほど戦い方が変わっていったんです。最初は小さくて早い球を使う方が多かったのですが、対戦するにつれて大きくて遅い球が打てるように変えるプレイヤーがいたりとかして、プレイヤー各々が自分なりに学習しながら独自のスタイルを築いていくようになったんです。

こういった思考錯誤の要素を提供できたことも、「戦略性」や「奥深さ」構築の第一歩にはできたかな、と思っています。

2017年2月10日に行われた体験会の模様

HADOはワールドカップを経て、新たなステージへ

VRon HADOの今後の課題ですとか、こうしていきたい、というようなビジョンはありますか?

福田さん 今後の改良点の1つとして、「観客にとってわかりやすく、面白いものにする」ということがあると考えています。HADOはスポーツなので、プレイヤーだけでなく、観客も楽しめないといけない。多くの観客が楽しめるものになればスポーツビジネスとしての広がりも出てくると思います。

VRon ビジネスとして、今後の展望はどのようなものをお考えですか?

福田さん 今のビジネススタイルは基本的にBtoBtoC、僕らはレジャー施設やゲームセンターなどに対しHADOを提供し、その場所に訪れた人々が施設にお金を払って遊ぶという仕組みになっています。

この「施設ビジネス+『HADO』大会運営」を一緒にしていきながら進めていくことで、よりHADOのビジネスが加速していくのではないかと考えています。大会があるから「勝ちたい」→だから「通う」、それと、大会を見ていて「あんな選手になりたい」→だから「通う」、この2つの流れを加速させていきたいですね。

また、中長期的な視野としてコンシューマビジネスも仕掛けていきたいと思っています。先の話になりますけど、「施設に行かなくてもいつでもどこでもできる」ような仕組みを考えています。特定のデバイスさえ持っていればどこでもHADOをプレイすることができるようになるので、よりHADOのすそ野を広げていくことができると思っています。

こういったものを通じてプレイヤー層がさらに広がり盛り上げていければ、例えばHADOからプロ選手が誕生して、「朝から晩までHADOを練習してスキルを積み上げている」プレイヤーが現れるようになっていけると思うんですよね。そうすれば、スポーツ観戦としても見ごたえがあるものがお届けできるようになる、と考えています。

VRon 現在は中国・台湾でもHADOがプレイできるようになった他、株式会社Tryfundsとの業務提携も発表されました。今後の大会・体験会開催などの展望についてお聞かせください。

福田さん HADO WORLD CUPについては秋ごろに第2回の開催を予定しています。前回よりも規模を拡大し、多くのプレーヤーに参加頂きたいですね。観戦者数も大きく拡大させます。

HADOを体験できる場所は現在7か所ありますが、今後1年で導入施設がどんどん増えていく予定なんですよ。この調子で開催場所を増やしていって、いつでもどこでもHADOがプレイできるようにしていきたいと考えています。

VRon では、最後に読者の方へメッセージをお願いします!

福田さん HADOは新しいスポーツです。子供のころから憧れるような「技」を自らの手で放つことができる新しい体験なので、一度やって頂ければ面白さがお分かりいただけると思います。

また、競技としても、大会としてもHADOをこれから盛り上げていきますので、ぜひ大会映像も見て頂きたいですね。皆様のご参加をお待ちしております!


 

インタビューを通じて強く感じたこと。それは、非常に「先の先まで考えられた」プロジェクトだな、ということでした。

福田さんが子供のころからあこがれていた「かめはめ波」。それを現実の世界で実現する、というだけでも大変な労力とアイデアが必要なのに、それを「競技スポーツ」にまで高めようとしていらっしゃる。福田さんの志の高さと、「HADO」というテクノスポーツに対する本気さに感銘を受けました。

次回の体験会は3月9日、ポニーキャニオン1Fイベントスペース(東京都港区虎ノ門2-5-10)で開催されます。興味がある方はぜひどうぞ!

福田さん、インタビューへご協力頂き、誠にありがとうございました!
次回は3月9日か……。体験してみたいものだな。
行ってみたーい! お姉ちゃんも一緒に行こうよー!
しかし……。我々はヴァーチャルな身の上、ゆえに参加は叶わないのではないか?
だからお姉ちゃんそういうのはいいって!

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