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Video Electronics Standards Association (VESA)、年次記者会見を開催。Display HDR認証・USB 4.0についての現状と今後について公開【取材レポート】

2019年11月20日

その時、筆者は新橋におりました!

11月15日、パソコンやワークステーション等のビデオ周辺機器に関する業界標準化団体であるVideo Electronics Standards Association(VESA)が年次記者会見を行いました。

今回、VRonはこの年次会見にお招きいただき取材をさせて頂きました。一見すると「え、XRとかとなんの関係があるの?」と思いがちですが……、ノンノン! めっちゃくちゃXRにおいて密接な関係性があるのですよ! というわけで、今回はこの取材の模様をご提供頂いたスライドとともにお届けしていきましょう。

Video Electronics Standards Association(VESA)とは?

 

© VESA 2019. All rights reserved(以降の全てのスライド)

VESAは、民生・産業向けのビデオ周辺機器に関する業界標準規格の仕様策定を行っている非営利の業界団体です。世界に名だたる290以上の企業が参画しておりまして、特にディスプレイ系統の企画策定・認証などを行っています。

そうですね、我々にとって身近なところで言いますと……、

  • DisplayPort。VGA→DVIと普及が進んできた映像出力インターフェースの新しいスタンダードとなる規格です。今販売されているPC用モニタの大部分にこのDisplayPort端子がついてくるようになってきましたね。また、PCHMDの接続についてもこのDisplayPortを採用する端末がでてきました。
  • 「VESAマウント規格」。こちらのほうをご存じの方も多いかもしれません。液晶ディスプレイやテレビなどの映像機器を、壁掛け金具・アーム・スタンドなどに取り付ける際に使うネジ穴の間隔について定められた国際標準規格です。この規格に対応しているディスプレイとアームの組み合わせなら、必ず設置が可能になる、という塩梅。

その他にもこんな感じで多くの規格がVESAにより策定されています。最近だとUSB-Cコネクタを使う「Alt Mode」とかが注目されていますね!

さて、そんな今回の会見では、以下の規格について紹介されました。

  • 「DisplayPort 2.0」:バンド幅最大3倍、8K以降の高解像度に対応、4K/HDR及びVRアプリケーション向けの高フレッシュレートに対応する新規格
  • 「DisplayHDR」:ハイダイナミックレンジ(HDR)品質に関する業界初の完全なオープン標準規格。最新バージョン1.1の紹介と、「 DisplayHDR True Black」と呼ばれる発光ディスプレイへの対応、超薄型ノートPC向けディスプレイ(DisplayHDR 500)やコンテンツ制作に最適な高光度ディスプレイ (DisplayHDR 1400)への対応について
  • 「DisplayPort Alt Mode」と、USBの次世代規格である「USB4」仕様について

DisplayPort 2.0

まずは「DisplayPort」から。USB-Cを使う「アルト・モード」の普及により、特に携帯電話やモバイル端末での需要が爆発的に増えたそう。またノートPC・タブレットでの内部接続や車載向けに「Embedded DisplayPort」の採用が進んでいるそうです。こちらは基盤とディスプレイとの接続に多く使われるので、あまり目にしないやつですね!

今回登壇されましたVESA コンプライアンス・プログラム・マネージャーのジム・チョートさん曰く、「従来型のポートやmini DisplayPortを採用する機器がなくなる、というわけではありませんが、端末の小型化や端子の共有化に有利なUSB-Cでの採用が今後は増えていくのではないかと思います」とのことでした。

さて、そんな中今年の6月に発表されたのが最新の「2.0」であります。

「2.0」最大の武器は、なんと言ってもそのパフォーマンス。データレートが約3倍の「最大77.4Gbps」までパワーアップ。非圧縮で60Hz / で8Kをサポートする初の規格になる他、8K以降の解像度(10K、16Kなど)にも対応可能になる、まさしく高解像度時代にやってきた新規格です(現在の「1.4a」でも8K対応にはDisplay Stream Compression(DSC)圧縮が必要)。

VESAではDisplayPort 2.0の認証テストを早ければ2020年に開始予定とのことです。また、この規格の製品がいつごろ市場に登場するか、という質問については「これまでだと認証テストから製品が登場するまでは1年くらい、というのが通常でしたが、「PHY(物理層)がUSB 4.0とほぼ同じ」という点もあって難易度は高くありませんから、もう少し世に出るのは早まるのではないでしょうか」とのことでした。

上が現在の規格である「1.4a」との比較表。会見では8K/60Hz(4:4:4)・30bpp(bit per pixel)でHDR10をサポートする初の規格であることなどが改めてアピールされました。ジムさんは「レーン数の多さは、それだけ拡張性が高いということです。この点がUSB-C製品の設計をされる皆さんから好評を頂いています。また、2レーンと4レーンが選べることで、高解像度と高伝送性のどちらかを狙いに行ける、という点も大きいと思います」とお話されていました。

DisplayHDR

もう一つ紹介されたのが「DisplayHDR」についての取り組みです。こちらは主にHigh Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ・HDR)に対応するPCモニターなどで用いられておりまして、表示機器が持つ輝度、コントラスト比などHDRに関わる性能を、いくつかのグレードに分けて明示化する……というもの。言ってしまえば「HDRの性能にお墨付きを与える」って感じ。

「HDR」というと、スマホカメラに搭載されていることの多い機能ですが、こと高解像度モニタの世界になるとちょっと話が違ってきます。元々4K/8Kのハイビジョン規格では「解像度」「ビット深度」「フレームレート」「色域」の4つについて、4K/8K UHD放送の規格である「BT.2020」にて標準化がされているんですが、実は「輝度」については明確な基準がありませんでした。このため、高輝度な部分では表示装置の特性に合わせて圧縮する必要があり、結果として4K/8Kモニタの映像が「現実よりも暗い・輝度が違う」ものになってしまう、という弱点がありました。

そこで技術の向上によりモニタの世界でもHDRを採用できるようになったことで、4K/8Kの世界でも高い映像表現が可能になってきた、というわけ。この動きは元々モニタの世界で先行していましたが、昨今はPC用ディスプレイにもこのHDRの波がババーンとやってきています。ここでそのHDRのクオリティを検査し認証を行うのが「DispllayHDR」です。

VESAでは上の表のような様々なDisplayHDRの規格を用意していて、それぞれの基準をクリアした製品に認証を行い、品質を保証しています。しかもテストツールは無料で公開されておりまして、誰でも取り扱うことができるんですねー!

ちなみに「DisplayHDR」の右にある数字は「ピーク輝度(cd/m2)」の基準値で、数字が大きければ大きいほど輝度表現に優れます。また明暗差を10ビットデータ・1024階調で表現し、最高輝度1000~10000nitを実現する「HDR10」プロファイルをクリアしていることが必須条件です。

USB4

もう一つ紹介されたのが「USB4」です。USB4はその名の通り次世代のUSB規格であります。今年8月に発表、「Thunderbolt 3」プロトコルの仕様が採用されたことで、それに伴いDisplayPortの対応も一緒に組み込まれることになります。

今回の会見では「USB4はType-Cコネクタを採用」「USB3とPCIe、DisplayPortプロトコルによる接続をサポート」の2点について說明。また現在採用頻度が急激に上がっている形状である「USB-C」の採用により発生するエンドユーザー側での混乱を最小限にするため、エコシステムの変換を支援するそうです。

さらにType-Cポート経由で映像出力をする場合、USB 3.1まではホストやハブが「DP Alt Mode」に対応しているかどうかを確認しなければなりませんでしたが、USB4ではその必要がなくなったそうです! USB4のホスト側実装でDisplayPort出力への対応が必須要素となったことで、特にPCサイドでType-C経由のDisplayPort出力サポートが大きく進みそうですねー。

また、後半はゲストとしてVESA会員企業であるグラナイトリバーラボ社永田 学さんが登壇されまして、DisplayPort 2.0/DisplayHDR 1.1における評価試験を中心とした最新情報の紹介が行われました。

こちらが実際に評価試験や解析に使われている機材。実際に会場で稼働している状態での展示も実施されていましたよ。永田さんによれば、DisplayHDRの認証試験は暗室内で上記のアプリケーションとPC、上の写真にあります照度計と測色計で実施しているそう。こうやってDisplayHDRの認証が厳密に行われているんですねー。

会見を通じて感じたのは、「映像の帯域増加、高解像度化に対する業界の果敢な対応から透けて見える、映像技術の進化の速さ」でした。やっと4K放送が落ち着き、展示会では8Kが主役になっている……という現況の中で、10Kや16Kというさらに高解像度な規格への対応を先んじてやっているという事実が、そのスピードの速さを象徴しているかのようでした。

VESAとしてはXRについても専門のチーム「AR/VRタスクグループ」を結成し、将来的なニーズに向けた動きを加速させています。そういう意味でも、今回の会見を取材できたことで映像技術の現在を体感できたことは大きな収穫でした。勉強になりました!

VRonとしては、こういった最先端技術(E-Tech)についてもどんどん追いかけていきますので、今後もご期待くださいね!

取材協力:VESA

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