SIGGRAPH Asia 2021 TOKYO コラム ニュース

SIGGRAPH Asia 2021 TOKYO取材レポート(2・15日)

コンピュータ科学分野の国際学会(ACM)の分科会「シーグラフアジア2021(SIGGRAPH Asia 2021)」が14日から17日までの日程にて、東京国際フォーラム(リアル開催)、及びオンラインのハイブリッドにて開催されます。

開催期間中の4日間はリアル会場の模様お送りしております。本日は2日目です。

朝9時から行われました「Tips for First-Time Attendees. Perfect Guide to SIGGRAPH Asia 2021 (in Japanese)」、今回も盛況でした。各セッションの概要やパスの種類、展示概要など、細やかな説明がされておりました。3年前にこのBoFに参加して、めちゃくちゃ感動したのを思い出しますね……。

ボランティアのみなさんも早くからお疲れさまです。さ、いよいよ今日からオープンしますあちらへ参りましょう…… っと、その前に!

 

カンファレンスチェアの塩田さんによる開会スピーチに続き、ソニー副社長、勝本さんによる基調演説が行われました。ツイートでも書きましたが、勝本さんが楽しそうに講演されているのがとても印象的でした!

展示会(ホールE)

今年はコロナ禍に対応するため、エントランスでの消毒や検温などが実施されています他、会場レイアウトがかなりゆったり目に配置されるなど、隅々まで現在の情勢に対応する展示会となりました。今回オンラインとのハイブリッド開催ということもあり客足がどうなるかな、と思っていましたが、非常に程よい客足といいますか、3年前とまではいかずとも、各参加者の熱意がしっかりと伝わるような雰囲気に包まれていたのが印象に残っています。

デジタルハリウッド大学

本日はそんな展示エリアから2つご紹介しましょう。まずはデジタルハリウッド大学さん!今回は卒業生・在学生の皆さんによる展示が行われています。

DHU卒業生の瀬尾拡史先生(大学大学院・特任准教授)による教育研究用ソフトウェア「Viewtify」とソニーの空間再現ディスプレイ「ELF-SR1」を使った展示が圧巻でしたねー。「Viewtify」はDICOMデータを瞬時に3DCGに変換できるDICOM 3DCG可視化ビューアー。

空間再現ディスプレイと組み合わせることで、CTやMRIといった平面のデータからリアルタイムに高精細な3DCG画像を表示するシステムを構築することができるようになっています。特に医療分野などでの活用が期待されているそう。展示ではELF-SR1の能力を最大限活かしたデモンストレーションになってまして、なかなかの見ごたえです。

個人的に気になったのはこちら、在学生・澤田真吾さんによる「Soup of Voice - 核 - 」。

スープ・オブ・ボイスは、人々の遺志を未来に残すプロジェクトです。中央にある白いボタンを長押しすると、10秒間自分の声を録音することができます。ルールとして、1人につき録音は1回のみ・テーマは「未来に残したい声」。録音が終わると、それまでに録音されたたくさんの方の声をベースにした荘厳な音声がサラウンド音声により空間内に響き渡る、というインスタレーションです。

澤田さんからお話を伺いました。声を「意識と身体から離れることができ、言語情報と非言語情報を兼ね備えた優れたメディウム」と規定し、1回の録音で生成されるモノラルwavデータ群を未来永劫「継承」するそう。

「私は、死ぬまでスープ・オブ・ボイスを続けようと思います。私が死んだら、息子の孟ノ佑(はるのすけ)にこの声のスープをゆだね、澤田家末代まで継承し、人類が滅んだ後も残すつもりです。2021年8月29日、私は次のようにスープの最初の一滴を落としました。お父さんお母さん、産んでくれてありがとう。僕の子供、生まれてきてくれてありがとう。妻の美紗、共に人生を歩んでくれてありがとう。未来に遺すあなたの遺志を声にのせ、スープの一滴としてください。」

ーDHUプレスリリースより

データをどのように残そうとしているのですか、とお聞きしたところ、「じつはまだ決めてないんです。でも、未来永劫永久にデータを残せる方法が、いつかはこれからの将来に実現すると思いますし、その未来を待ちながらデータを残していきたいと思います」とのこと。非常にミニマリズムな風体の先に広がる「永遠」をスープに例える様が非常に新鮮でした。

エルザジャパン

もう一つはエルザジャパンさん。nVIDIAの各種ソリューションやハイエンドXRHMDの開発元「varjo」のプロダクトを取り扱っていらっしゃいます。

実はVarjo、今年の10月に新製品を発表しました。それが「Verjo Aero」です。片目2,8k(両目で横5.6k相当)と高解像度で知られるVerjoにしてはおとなしめに見えますが、真価はディスプレイの手前にあるレンズにあります。新たに独自開発された非球面レンズを採用することで、フルネル系・球面レンズで起きがちな周辺視野の歪みがガッツリと解消しており、非常にクリアな視界になっています。

また、別途独自開発された1dot Calibration Eye Trackerにより、IPD調節をアイトラッキングで自動的に行うのもミソ。IPDのズレにより生じる違和感や目の疲れなどを一気に解決しています。

レイトレーシングのデモンストレーションを体験しましたが、はー! 5.6kなのにはっきりくっきり!って感じで、非常にハイレベルなHMDになっているな、と感じました。おそらく価格が20万を超えてきそうですが、それが納得できるクオリティです!

また、「Verjo XR-3」も展示されていました。さすがは貫禄の8K! パススルーで表示される現実の映像に浮かぶCGの細かいこと細かいこと! こちらにもアイトラッキングによるIPD調整がついておりまして、非常にクリアな映像体験でした!

 

それ以外にも興味ぶかい展示が盛りだくさん! まだ後2日あります。マジで! 4000円以上の価値があると言って良いでしょう。明日もこんな感じでお伝えしていきますので、どうぞお楽しみに!

取材協力:「シーグラフアジア2021(SIGGRAPH Asia 2021)」運営事務局
VRonWEBMEDIAはSIGGRAPH Asia 2021の公式メディアパートナーです

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