SIGGRAPH Asia 2021 TOKYO コラム ニュース

SIGGRAPH Asia 2021 TOKYO取材レポート(3・16日)

コンピュータ科学分野の国際学会(ACM)の分科会「シーグラフアジア2021(SIGGRAPH Asia 2021)」が14日から17日までの日程にて、東京国際フォーラム(リアル開催)、及びオンラインのハイブリッドにて開催されます。

開催期間中の4日間はリアル会場の模様お送りしております。本日は3日目です。

3日目の午前中はこんな感じでバーチャル会場経由で2つのセッションを2窓する、なんてことをやりながら原稿を書いたりしておりました。コロナ禍がイベントというものそのものを大幅に変えていきましたが、それによってこんなことも実現可能に。

木曜日ということで、昨日よりも客足が落ちるかなー、なんてプレスルームでお話していたのですが、確実に昨日よりも客足が増えておりました! こちらは毎日閉場前に展示場であるホールEで行われている「Join us, Students! Production Meet-Up」というBoFなのですが、企業と学生をつなぐ場として活発なコミュニケーションが行われてまして、盛況でしたねー。

ホールEではもう一つ非常に興味深い展示が行われております。こちら、TAITOさんとスクウェア・エニックスさんによる、今で言うところの「レトロゲー」に関する貴重な資料展示! ゲーム基板や当時のゲーム仕様設定資料など、老舗のゲームメーカーだからこそできる激レアな内容。必見です。では、本日も展示ブースと「XR」から2つご紹介しましょう。

GIBSON / 株式会社MESON(XRブース)

先日の直前ガイドでもご紹介したMESONさんの「GIBSON」が実機にてデモ展示されていました。こちら、企業ブース展示ではなく「XR」部門に応募し見事採択された立派な研究発表です!

「GIBSON」は、実空間(実世界)の3Dコピーであるデジタルツインを用いて構築されたサイバー空間と、実空間における座標位置をVPS(Visual Positioning System)を用いて重ね合わせることで、そこにログ
インする遠隔地のVRユーザーと実空間にいるARユーザーとが、あたかも同じ場を共有しているようにコミュニケーションを取れるようになると構想したプロジェクトです。

ヒト・モノ・空間の情報を相互に共有することによって、ユーザーは実空間かサイバー空間かであるかを問わず、リアルタイムに変化するお互いの環境コンテクストを共有しながら、物理的距離を超越した没入度の高いコミュニケーションを取ることを目指しているそう。

今回採択された論文では、国土交通省主導の3D都市モデル整備・オープンデータ化プロジェクトである「Project PLATEAU」の一環として、2021年3月8日から3月16日にかけて東京都渋谷区神南エリアにて実施した実証実験をベースに執筆され、見事採用! おめでとうございます!

実際にMeta Quest2 と NreaiLight の両端末で、バーチャル渋谷内をお互いにコミュニケーションするデモを体験しました。これまでにAR・MR関連の様々なプロダクトを開発されてきたMESONさんだけに非常に完成度が高い! 空間内で体験者はコメントを音声で残せるのですが、音声認識で文章化させてオブジェクトとして配置する、というのミソ(上の写真真ん中らへんにあるピンクの文字が筆者の残したコメント)。

メンバーの本間さんと「以前に人気を獲得したVPS系コミュニケーションアプリ「セカイカメラ」的な展開がもっとスマートにできればいいですね」とお話させていただきました。これは今後の展開がめっちゃくちゃ楽しみ!

IMAGICA GROUP

こちらも直前ガイドにてご紹介した「IMAGICA GROUP」さん。今回はブースステージによるセッションの他に、IMAGICAさんらしいアプローチの展示が行われていました。

こちらはライトフィールドディスプレイ。東京農工大学との共同研究として開発がされているもので、大きな特徴が「シンプルかつ薄いライトフィールドディスプレイの構築」 「虚像結像モードによる視認域の拡大」「アパーチャアレイとレンズアレイを組み合わせて異なる方向に進む光線間のクロストークを低減」の3つ。特にアパーチャアレイとレンズアレイを組み合わせることで光度の高い結像に結びつけています。

ライトフィールド系のデバイスとしてはLooking Glassさんやソニーさんの空中結像ディスプレイが先行している印象ですが、それを踏まえてよりブラッシュアップされている印象。特に映像のくっきりとしたコントラストが良く伝わってきました!

こちらはイノラックスジャパン株式会社さんと共同開発している「煌めきディスプレイ」。

ライトフィールドディスプレイの技術を応用し、金、シルク生地、さらにモルフォ蝶の翅のような構造色の質感を再現しています。実際に拝見しましたが、まあきらめくこときらめくこと! なんかトレーディングカードのSSRキラキラカードを画面いっぱいに見せられているかのようです!

こちら、最初の量産型ディスプレイとして開発されておりまして、特に高い空間解像度と方向解像度を持ちます。ライトフィールドというとどうしても視野角に限界が来ます(一番広いものでも60度くらいまでが限界)が、こちらは煌めき=輝度のみをコントロールしているため、視野角外に出たときの破綻が全然気にならないのがまたいいですね! 担当者の方とお話しましたが、「『これ、サイネージ系で絶対売れますよ』って皆様に言っていただけるんですよー」とのこと。やや、自分もおんなじこと考えてました!

で、実は一番驚いたのがこちらでした。左にあるカメラはPHOTONのハイスピードカメラなのですが(INFINICAM UC-1)、なんと1000FPSというスピードをリアルタイム圧縮してデータとして送り出せる、という超高速なカメラでございます。上の写真は、立体視を想定して2つ設置したカメラの前に「高速マッサージ機に取り付けた名刺」を映し、なんと2台で合計2,000FPSの速さで画像データ転送させる、というものすごいデモをやっているところなのですよ。写真じゃ伝わらないなー!

特にレイテンシーや高リフレッシュレートでの解析が必要となる研究分野に役立ててほしい、とは担当者の方のお話。これからおそらく1週間近くを掛けてご紹介していく各部門の展示では多くのプロジェクションマッピングやセンシング系の発表がありましたが、こういう分野では高速な画像転送が実現することで感覚掲示の精度が上がったり、より高精度な解析が可能になります。2000fpsという凄まじさは大きな力になりそうですね。

さあ、明日はいよいよ最終日です。最後までVRonは突っ走ってまいりますので、よろしくおねがいします! それと!

この度、カンファレンス・チェア:塩田周三さんのインタビューをお届けすることになりました! コロナ禍の中で行われているハイブリッド開催、そして新たな環境下を経験したシーグラフアジアが進む未来への思いなどをお聞きしています。年内にはお届けできれば! お楽しみにー!!

取材協力:「シーグラフアジア2021(SIGGRAPH Asia 2021)」運営事務局
VRonWEBMEDIAはSIGGRAPH Asia 2021の公式メディアパートナーです

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