株式会社ハローは31日、VTuberを始めとしたデジタル上のキャラクターと物理的に「触れる」をテーマとした、最先端技術を駆使した研究開発「Project ToucH」の第一弾企画を、大阪大学工学部/大学院工学研究科 中西 英之 准教授協力のもとで行うことを発表しました。
重ねてクラウドファンディングにて賛同して頂けるプロジェクトメンバーの募集と「VTuber握手会」イベント参加者の募集を8月2日18時より開始することを合わせて発表しています。
デジタル上のキャラクターと物理的に「触れる」をテーマとした新プロジェクト、「Project ToucH」
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ハローさんと言えば、VTuber「響木アオ」さんが所属する「ハロクリ」の運営や、今年大注目を浴びた「VTuberが主演のシチュエーションコメディドラマ」、「四月一日さん家の」の製作を担当されたことで知られます。また……
松竹による「カブキノヒカリ展」では総合演出を担当するなど、主にxR領域の研究開発事業をメインに、様々な企業の商品プロモーション企画、メディアアート、オリジナルIP開発などを行なっています。
そんなハローさんが仕掛ける新たなプロジェクトが、「Project ToucH」です。
ハローさんは響木アオさんのマネジメントを通して、2次元と3次元の垣根を超える表現ができないか模索。その過程でライブやファンイベントでは、必ずファンとの写メ会等、リアルなコミュニケーションにこだわってきましたそうです。全国ツアーなど様々なイベントを行ってこられたのもその一つでしょう。また「四月一日さん家の」への出演もそのチャレンジの一つだ、としています。
「VTuberも一人の人格として認められてきています。ほぼ、一人の人間と変わりません。ただ、私たちはどうしても越えられない壁が存在することに気づきました」
とハローさんが言及されているというポイント、それが、「触れる」こと。
今回の「Project ToucH」では、今まで不可能であった「キャラクターに触れる」を可能にするこをテーマに立ち上げられたそうです。そして。まずはプロジェクト第一弾の目標を、コミュニケーションにおいて第一段階に位置する「握手」と設定。「響木アオ」さんと握手できる「アオちゃんの手」を製作していく、という内容になります。今後は段階を踏みながら「手」以外の部分でのコミュニケーションを行う事ができるプロダクトを順次製作していく予定だそうです。
また、他企業キャラクターIPとコラボし、響木アオ以外のキャラクターで実現することも視野に入れているそう。
鍵は「握る事ができる手の製作」と「アオちゃんの手の再現」
ハローさんは今回のプロジェクト第一弾の「握手」においてキーとなるポイントとして「握る事ができる手の製作」と「アオちゃんの手の再現」の2つを掲げています。
これらを実現させるため、今回は大阪大学の中西英之准教授・研究チームに協力を仰ぎ、プロジェクトを進めていくそう。中西准教授は「遠隔地の人がまるで同じ部屋にいるかのような、リアルでインタラクティブなコミュニケーションを成立させること。」といったいわゆるソーシャルテレプレゼンスの研究をされています。
こちらは2014年に中西教授のチームが国際的なヒューマン・インターフェイスに関する学会「ACM SIGCHI」で発表された研究発表の動画。
この動画で示されているように、ビデオ会議の画面にロボットハンドを取り付け、「視覚だけの映像に身体接触という触覚を付加することで、ソーシャルテレプレゼンスを強化することができるのではないか」という検証などを行っています。
一方、響木アオさんの「手」を再現するため、すでに手の「柔らかさ」や「質感」、「弾力感」、「水分」、「暖かさ」の再現を始め、手の皮に使用するシリコンの薄さ、耐久性など様々な方向から「アオちゃんの手」に適した素材を選定するために専門家と幾度も議論を交わしているそう。上がその模様です。
クラウドファンディングは8月2日18時からスタート!
今回のプロジェクトでは、8月2日よりクラウドファンディングが実施されます。締切は8月29日まででゴール金額は3,000,000円、達成の有無でプロジェクトのGOサインが出るか出ないか(オール・インかオール・オア・ナッシングか)については、現時点で公表されていません。
今回のクラウドファンディング最大の特徴が、全てのリターンに「プロジェクトメンバー ID PASS 発行」という枠が設定されていることでしょう。支援者には独自のID・PASSが付与され、プロジェクトメンバー専用会員サイトへのログイン権が付与されることになります。
プロジェクトメンバー専用会員サイトでは「アオちゃんの手」製作の過程や開発状況の進捗を知る事ができる他、プロジェクトの方針決定に関わって頂ける企画も用意されるとのことです。またリターンには「響木アオ “Project ToucH” 記念ライブ」・「”Project ToucH” お披露目握手会」のチケットを用意しており、「”Project ToucH” お披露目握手会」では完成した「アオちゃんの手」と握手できる権利が含まれるそうです。
“Project ToucH”における「握手」はスタートに過ぎません。様々な「触れる」コミュニケーションをプロジェクトメンバーと共に実現していきます。
とのことで、「握手」はあくまでも第一段階にすぎないようですね……。これまでxR領域に置いて様々な革新的アプローチにトライされてきたハローさんの次の一手は、「アオちゃんと握手」でした。
バーチャルキャラクターと握手する(物理的・仮想的問わず)、という試みは2013年にXViのGOROmanさんが開発した「Miku Miku Akushu」……
岩本町芸能社さん所属のVRアイドル「えのぐ」の皆さんが、今まさに各地で行われている「バーチャル握手会」、
「キャラとリアルタイムでの握手会」ができるアプリを開発しました! これで画面一枚をはさんだ“接触”が可能に…!
※実際は握手しながらおしゃべりができます
(超会議の #IRIAM超バーチャル握手会 ブースで明日から体験できるので、ぜひお越しください!) pic.twitter.com/Juk6eCtY4i
— IRIAM(イリアム) - バーチャルライブ配信 (@iriam_official) April 26, 2019
今年の「ニコニコ超会議」でIRIAMが実施した「IRIAM超バーチャル握手会」などの実例がありますが、そこはハローさんらしいアプローチで実現に向けて準備を進められているようです。今後の第2段階、第3段階で、ハローさんはどこまでVTuberと「触れる」という試みを表現するのか……、注目していきましょう!
記事元:“VTuberに触れる” を可能にする研究開発、“Project ToucH” 始動!大阪大学中西研究室協力のもと、第一弾企画となるVTuber握手会を発表。-PR TIMES-