イクスアール株式会社は5日、法人向けVR教育ソリューションサービス「EQUIPX(イークイップス)」を本日5日より開始したことを発表しました。
指導者いらず! 場所・時間の制約なしで感覚的スキルを習得可能に
イクスアールさんは、2018年3月に創業した、VR及びAR技術を用いたコンテンツの企画~設計・開発・運用を手がけるスタートアップ。昨年5月に開催された「2019中部 大学展・進学相談会」(於:ウインクあいち)にて金城学院大学オープンキャンパスのVRコンテンツを制作するなど、活動を続けています。
そんなイクスアールさんが本日発表した新しいサービスが「EQUIPX(イークイップス)」です。
「EQUIPX(イークイップス)」は、指導者の作業から「視覚」「触覚」「聴覚」をそれぞれ記録・データ化し、再生・体験させることができる、というサービス。VRデバイスを装着し事前教育を受ける事で、指導者がいなくても感覚的にスキルを学び取ることができ、実作業への理解力が高まるシステムとなっています。特徴は3つ。
- 指導の一元化:複数人による異なる指導から、ひとりの指導者による一元化指導が可能
- 教育時間削減:複数人の同時指導、教育時間の短縮により、教育にかかる人件費削減が可能
- 教育スペース削減:教育場所の準備・移動することなく、教育を受けることが可能
そして、最大のポイントがこちら!
上の画像には魚を下ろす作業の模様が写っているんですが、実はこれ、点群描画を使った3D映像なんです。しかも、6DoF(6自由度)!!
お魚とまな板、それに右下には魚を押さえるためのタオルが写っていますね。これらは全て点群により描画されていて、VRHMDをつけた体験者が動くと、その方向に同期する形で映像も描画される……という仕組み。
こちらが実際に魚を下ろす作業を収録している風景。上部にはInsta360 Proが見えます他、周囲には複数台のカメラが配置されていて、これらから6DoF+3Dの映像を生成する、という感じですね。
また、被写体になっているコックさんの手にデバイスが取り付けられているのがわかりますか? これは「触覚」を記録するためのデバイスで、実際に体験者は触覚のフィードバックも受けられるようになっているんですね! このようにして、「視覚」「触覚」「聴覚」の3つの感覚をデータ化し、擬似的に再現することを可能にしている、というわけ。
これにより、工程のレクチャー時間、実践指導や作業に慣れるまでの大幅な教育時間の短縮を見込める、としています。
第1弾は食品加工教育システム「EQUIPX COOK」
今回スタートしました「EQUIPX」、その第一弾となりますのが上記にあります通り「食品加工」のVR教育ソリューション「EQUIPX COOK」です。
鮮魚店・食料雑貨品店などでの利用を想定してコンテンツになっておりまして、あたかも現実で体験しているかのようなVR空間を人工的につくり、再生することで、指導者の視覚・触覚・聴覚を体感可能にしています。
(システム詳細)第1弾:食品加工教育システム「EQUIPX COOK」
第1弾は、両手を使った複雑な作業である”魚をさばく”作業を学べる、食品加工教育システム 「EQUIPX COOK」を開発しました。鮮魚店・食料雑貨品店などでの利用を想定。以下の工程により、あたかも現実で体験しているかのようなVR空間を人工的につくり、再生することで、指導者の視覚・触覚・聴覚を体感することが可能になっています。具体的には
- 指導者が各記録装置を設置・装着し、魚をさばく作業を撮影・記録
- 記録されたデータを解析・計算し、再生できるデータへ加工
- 受講者が再生装置を装着し、魚をさばく作業を体感する
の3ステップで食品加工の技術をバーチャルに体験し、習得していくという仕組みです。
気になるお値段は「200万円~」。内容・仕様に応じて変動はあるそうですが、6DoF+振動フィードバックまでをデータ化し再現する、となれば、決してお高くはないんじゃないかと思います!
今後は業界を問わず教育が必要な現場と向き合いながら、実用性の高いVR・ARを含めたXR領域のシステムをリリースしていくそう。実写で6DoFとなるとなかなか技術的な障壁が高くなってしまうところを、点群描画を活用することで実現しているのがなによりもスゴイです! 「技術」のデジタル保存、という観点において確実に一石を投じるであろうイクスアールさんのチャレンジに、今後も注目していきたいですね!