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Activ8、VTuber支援プロジェクト「upd8」を年内で活動終了

アバター・エンターテイメントの歴史に大きな楔を打ったプロジェクトが、幕を閉じます。

Activ8株式会社は1日、運営していたバーチャルタレント支援プロジェクト「upd8」を、本年12月31日をもって終了することを発表しました。

巨星墜つ。個人勢から企業勢まで幅広いタレントを支え続けたupd8がない未来の先にあるものは

upd8発足時に公開されたイメージ © upd8

Activ8、バーチャルタレントがもっと活躍するためのプロジェクト『upd8(アップデート)』を発表

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upd8が産声を上げたのは2018年5月31日のことでした。「upd8(アップデート)」は参加者に対し、

  • リアルイベントやTV番組への出演など海外も含む新たなファンに「もっと知ってもらえる機会の創出」
  • バーチャルタレント同士やリアルなタレントとの「コラボの促進」
  • 情報交換や勉強会・バーチャルタレントになるきっかけとなる「場」をオンライン・オフライン・VR上で提供

といったサービスを提供、また参加者から希望があればクライアントに対する窓口としての役割や、キャラクター商品化のお手伝い、各種事務作業の代行などバーチャルタレントが制作活動に集中できる環境構築に取り組んできました。事務所ではなく、あくまで互助組織的な「プロジェクト」と称していたことから、MCN(マルチ・チャンネル・ネットワーク)的側面の強いグループであった、と言えます。

スタート当初は

  • 小山内めい
  • 音無りずむ(2019年まで在籍・活動休止後、2020年9月に「らな」として活動再開)
  • おめがシスターズ
  • キズナアイ(現:Kizuna AI株式会社)
  • けも神男子(2019年初頭に活動休止)
  • つのはねあかぎ(天目童心プロジェクトを経て、2019年8月頃に活動休止)
  • モスコミュール
  • AyaMina Games(2018年末に活動終了)
  • YuNi(現:yunion.wave / トイズファクトリー)

の9組でスタート。その後多くのバーチャルタレントさんが参加されました。中でもキズナアイ親分を始め、YuNi、織田信姫、かしこまり、響木アオ、のらきゃっと、あにまーれ / ハニーストラップ、由宇霧、歌衣メイカ、闇雲ケリン、MonsterZ MATE、ふくやマスター、AZKi、キミノミヤ、渋谷ハル、魔王マグロナ、兎鞠まり(以上敬称略)など多くのバーチャルタレントが活躍されてきたことは、みなさんもご存知のことでしょう。

しかし、2019年10月1日以降参加者は増えることなくコロナ禍を迎え、それまで積極的に行われてきたイベントでのブース展開やグッズ展開に陰りが見えてきます。以降、多くのタレントが徐々にupd8を離れていき、今年4月にキズナアイ親分が独立してからは、株式会社Candeeの事業縮小、774 Inc勢の撤退、カフェ野ゾンビ子、織田信姫の引退などが続きました。

公式のリリースには解散の理由について記載はありませんが、CEOの大坂武史さんは、ご自身のTwitterでこんな報告をされています。

心中察するにあまりあります。upd8がVTuberというシーンを牽引してきたことは間違いのない事実です。

コンテンツ東京2019に行って、XRのビジネス最前線を見てきました!(その4・upd8(Activ8株式会社) / バルス株式会社)

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昨年4月のコンテンツ東京で展開されていたブースは他のどのブースよりも大きな存在感を示し、商談スペースは活気にあふれていました。それが何よりもの証拠です。

おめがシスターズはこの発表を受けてすかさずアンサー動画を投稿。「upd8が終わってもおめシスはなくなりません!」と力強く宣言されています。大坂さんも自ら出演され、「力不足で黒字にできませんでした」と、経緯や心境などを赤裸々に語られています。

また、かしこまりさんも昨日ライブ配信を実施。今の心境とこれからについてお話をされています。

 

Activ8さんによると、参加タレントに対しては今後も活動を継続されるそう。今後同社はバーチャルタレントの支援で培った技術を応用した番組制作や、B2B領域での事業展開を継続する、としています。

以前、今年はアバター・エンターテイメントの世界において節目の年になる、と書きました。ホロライブ・にじさんじの大躍進、英語圏を中心とした日本型バーチャルタレントのバズ、そして様々な形で起こった「リストラクチャー」。upd8の活動終了は、そのリストラクチャーの象徴として、遠い将来に歴史の1ページとして語られることになるでしょう。それほどなまでにupd8という存在は大きく、頼もしかった。

大坂さんを始めとしたupd8に関わったすべての皆さんの情熱が、VTuberという世界をここまで持ってきたという事実を、我々はここに確実に記したいと思います。そのうえで、また前を向きましょう。

記事元:Activ8株式会社ニュースリリース

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