SIGGRAPH Asia 2021 TOKYO コラム ニュース

SIGGRAPH Asia 2021 TOKYO取材レポート(8・XR 2)

コンピュータ科学分野の国際学会(ACM)の分科会「シーグラフアジア2021(SIGGRAPH Asia 2021)」が昨年12月14日から17日までの日程にて、東京国際フォーラム(リアル開催)、及びオンラインのハイブリッドにて開催されました。

只今各発表・展示について順次ご紹介しております。本日は「XR」の後編です。

BEAT(日本・株式会社CinemaLeap、株式会社WOWOW:監督:伊東ケイスケ)

純粋にXRHMDを介して体験することでコンテンツが成立する作品。3年前なら「VRシアター」で上映されたであろう秀作が、今回はXRで見事採択されています。

「BEAT」は第77回ベネチア国際映画祭 VR部門「VENICE VR EXPANDED」にコンペティション作品としてノミネートされるほど、高い評価を受けています。監督はVR & 3DCGアーティストの伊東ケイスケさん。製作としてWOWOW・Cinemaleapさんが携わっている作品です。

伊東さんは1986年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業後、メーカーのグラフィックデザイナーを経て、2012年よりフリーランスのCGアーティストに転身。CGアニメーションのほか、VR開発、キャラクター、グラフィックデザイン、イラストレーションの制作も行っています。

これまでに「GROW」がSIGGRAPH ASIA 2013 にてCAFに採択された他……

「Feather」が第76回ヴェネチア国際映画祭「ビエンナーレカレッジシネマVR」、SIGGRAPH 2020の「VR THEATER」に採択されるなど、XR技術を駆使した作品で数多くの高い評価を残しています。

今回の「BEAT」では、HTC Viveのコントローラーを使いインタラクティブ性をフル活用した内容になっております。ユーザーの心臓の鼓動によってロボットに命が吹き込まれ、心を通わせて成長していく物語が、伊東さんの独特なタッチで描かれるCGで展開していきます。その内容は……、ぜひ次の機会にご自身の目と「手」でお確かめ頂きたい!

体験としては非常にド直球なアプローチでしたが、伊東さんならではの世界観がそれを感じさせないほどに完成されていて、ついつい引き込まれました。そりゃあヴェネチアにいけるわけです。XRでの採択も、非常ーに納得!

Virtual Whiskers:頬への触覚刺激によるVR環境での方向情報の提示(日本・慶應義塾大学)

XRの最後は慶応理工学部・杉本研究室による研究発表。人間のほっぺた(頬)に対して触覚を与えることにより、XR空間上での方向情報を掲示する、というものです。

空間ナビゲーションにおいて、視覚を触覚などの他のモダリティと統合することで、ユーザーをより効果的に導くことができる、という点に着目し、体の中でも感覚が鋭い「頭」に新たな触覚を与えて、どっちを見たらいいかをコントーロールしよう! というのがざっくりとした内容になります。

こちらが装置のアップ。この装置に取り付けられているロボットアームが体験者の頬を撫でるようにして一度トラッキングし、その後トラッキングに基づいた振動を与えることで、VR映像に表示されている映像の方向を指し示してくれます。VR空間内にて大量に表示されたアイコンの中から、指定されたアイコンを探し出す、という体験をするのですが、そのアイコンがどこらへんにあるのかをロボットアームが「ブルブルッ」と頬を震わせて教えてくれる、という感じ。

面白い体験でした! まだまだトラッキングの精度に改善点が多いとのことでしたが、なかなかどうしてちゃんとアイコンをかんたんに見つけられるようになるもんですね!

なお、杉本研究室からは「X-Wing: Propeller-Based Force Feedback to Head in a Virtual Environment」も採択されておりました。4つのファンをHMDに取り付けて、風力を使ってフォースフィードバックを掲示する、という非常に野心的な研究でしたが、残念! トラブル発生で体験できませんでした。また体験する機会があるといいなあ……。

というわけで、XRは以上! 次回からはお待ちかね、「E-Tech」です!

取材協力:「シーグラフアジア2021(SIGGRAPH Asia 2021)」運営事務局

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