大日本印刷株式会社は10日、HMDを装着して、VRの空間に作られた仮想の美術館で、彫刻などの立体作品や絵画を手に取っているかのように鑑賞できるシステム「DNP Virtual Gallery(バーチャルギャラリー)」を開発したことを発表しました。
DNPさんによるVRコンテンツパッケージはギャラリーに特化、購買機能もプラス!
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今年に株式会社WHITEさんとの取り組みをご紹介した大日本印刷さん。今回はがっつりと本格的なVRコンテンツの発表です! まずは公式紹介動画をどうぞ。
昨今、さまざまな芸術作品や文化財のデジタルアーカイブ化が進んでおりますね。ライバルである凸版印刷さんもデジタルアーカイブに関する展開を行っています。
今回大日本印刷さんが発表したのは、今まで同社が培ってきたデジタル技術による新たな美術鑑賞システムの開発ノウハウと、作品の色調や質感などを限りなく忠実に再現する高精細な複製印刷技術を活用した、「VRによる鑑賞」と「複製作品の購入」を同時に実現するコンテンツです。
「DNPバーチャルギャラリー」の3つの特長
では、そのDNPバーチャルギャラリーの主な特徴をご紹介しましょ。
VR空間で作品を間近に鑑賞
DNPバーチャルギャラリーのVR空間では、作品を実際に手に取っているかのように間近で鑑賞することができるようになっています。HMDのコントローラーを使って作品を手に取り、自由に拡大したり回したりすることも可能で、洋画の筆致といったディテールも含めて楽しめるようになっておりますよ。
絵画コンテンツのほか、彫刻などの立体物や、動画やパノラマVRなどの設置もOK。バーチャル展示ルーム1フロアあたりに10作品展示でき、フロアを増やすことで展示の数も増やせるようになっています。
コンテンツ内にて高精細複製画の販売もOK
もう一つの大きな特徴が、VR空間に展示されている絵画作品などの高精細複製画を利用者が購入できる機能。VRコンテンツの中で購入申込みをするとバーコードシートが出力され、複製作品と交換することができるようになっています。
絵画の複製作品は、大日本印刷さんが誇る高精彩出力技術「プリモアート」を使用する、というのも大きなポイントです。
テンプレート化により短期間・低コストで導入が可能
そして、この「DNPバーチャルギャラリー」最大の特徴は、「テンプレート化」されていることです!
「美術館の外観や内観」「作品別展示ルーム」「絵画の額」などが予めテンプレート化されているので、絵画等の画像や動画のデジタルデータを用意するだけでVRギャラリーコンテンツを作ることが可能になります。
従来よりも短期間・低コストで導入でき、さらに展示する作品などのコンテンツの入れ替えもカンタン。一度導入すれば様々なバリエーションのVRミュージアムを安価に構築できる、というわけです。以下概要!
「DNPバーチャルギャラリー」価格概要(税抜)
- 初期導入費 : 200万円~
- コンテンツ入替作業費 : 20万円~/1回
- リース費 : 30万円~/1日
なお、初期導入費には作品10点までのコンテンツ展示費用が含まれています。また、システムを稼働させるためのPC、コントローラー、VRHMD、バーコードシート出力機などの機材費・運営コストが別途かかります。
とはいえ! VRミュージアム+複製品販売のシステムをイチから創り上げるコスト・時間を考えればかなりのお値打ちなのではないでしょうか! しかも「プリモアート」で複製品を出力、となれば、そのクオリティについても全く心配がない、というのも大きいですね。
これは特に中小規模の美術館・博物館事業にとってはかなり魅力的なソリューションになりそうです。今後このサービスを使ってどのようなコンテンツがお目見えするのか、楽しみですね!