この空のまもり 芝村裕吏 (著)
「高機動幻想ガンパレード・マーチ」で有名になった芝村裕吏の著作シリーズです。
2012年に、それぞれ発行されている作品で
この空のまもり
強化現実技術により、世界中のあらゆる場所と人に電子タグをはりつけられる時代。強化現実眼鏡を通して見た日本は、近隣諸外国民の政治的落書きで満ちていた。現実政府の対応に不満を持つネット民は架空政府を設立、ニートの田中翼は架空防衛軍10万人を指揮する架空防衛大臣となった。就職を迫る幼なじみの七海を気にしつつも遂に迎えた清掃作戦は、リアル世界をも揺るがして…理性的愛国を実践する電脳国防青春SF。
ガジェット⇒AR
富士学校まめたん研究分室
陸上自衛隊富士学校勤務の藤崎綾乃は、優秀な技官だが極端な対人恐怖症。おかげでセクハラ騒動の責任を押しつけられ、閑職で失意の日々を送っていた。こうなったら質の高い研究で己の必要性を認めさせてから辞めてやる、とロボット戦車の研究に没頭する綾乃。謎の同僚、伊藤信士のおせっかいで承認された研究は、極東危機迫るなか本格的な開発企画に昇格し…国防と研究と恋愛の狭間で揺れるアラサー工学系女子奮闘記!
ガジェット⇒分散処理型ロボット戦車(ドローン?)攻殻機動隊のタチコマのようなもの
マージナル・オペレーション
30歳のニート、アラタが選んだ新しい仕事(オペレーション)、それは民間軍事会社──つまり、傭兵だった。住み慣れたTOKYOを遠く離れた中央アジアの地で、秘められていた軍事的才能を開花させていくアラタ。しかし、点数稼ぎを優先させた判断で、ひとつの村を滅ぼしてしまう。
ガジェット⇒インフォメーションイルミネーター(情報統合端末)十数人~数百人に同時に作戦指示可能のタブレット端末
「マージナル・オペレーション」と「富士学校まめたん研究分室」は、ほぼ現代の同時期の出来事と描写され
情報統合端末の操作情報の蓄積が、分散処理型ドローンの運用に反映されるという形をとっています。
そして、「この空のまもり」はその未来の日本を描いています。
「この空のまもり」ではARの無秩序な情報氾濫でのパニックの中を、「マージナル・オペレーション」の主人公に師事した主役が、同様の技能であるマルチタスクな情報指示でパニックを鎮めるという内容です。
2010頃のセカイカメラとその周辺事情の出来事(エアタグテロ等)をモチーフとしていると思われます。
流言飛語が飛び交う様子は、現代のソーシャルネットと同様でリアリティがあります。
上記の動画のような過剰なARによる情報氾濫に対してどうすれば良いか。
作品では、人間の良心をよった理想主義な解決方法で納めています。
現実のARは、デファクトスタンダードをGoogleがとる可能性が高いと思われます。
Google 検索から簡単にレストラン予約を
Android版「Googleマップ」に目的地付近の駐車場の見つけやすさを示す情報が表示
GoogleアプリとGoogleマップにお店の混み具合をリアルタイムに表示する機能が追加
GoogleマップはARと相性がとても高いので、そのまま利用されればアッというまにAR市場は寡占されてしまうと思われます。
但し、ハードウェアはマイクロソフトのHOLOLENSが一歩リードしています。
Google GlassでARから撤退しているGoogleはどうするか見ものです。
日本勢は蚊帳の外なのでフィクションのように飲み込まれるかもしれません。