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「HADO SPRING CUP 2019」へ行って、HADOの進化を味わってきました!(詳細レポート)

その時、我々は品川におりました!

株式会社meleapは5月11日、ARを使ったテクノスポーツ「HADO」のグランドスラム大会「HADO SPRING CUP 2019」を開催しました。

さらに洗練され、さらにシステマティックに進化した「HADO」・春の陣がいよいよ決戦の日を迎える

ARスポーツ「HADO」春の陣・決戦!「SPRING CUP 2019」が5月11日に品川で開催【直前観戦ガイド】

株式会社meleapが主催するARスポーツ「HADO」の日本選手権大会「HADO SPRING CUP 2019」が、2019/12/08(土)に品川インターシティホールにて開催されます。 先週末の日 ...

HADO(ハドー)は、ウェアラブルデバイスを装着し、自らの手でエナジーボールを撃ち合う、AR(拡張現実)を用いた新感覚のスポーツ。プレーヤーはエナジーボールやシールドなどの技を駆使し、基本的に3対3のチームで点数を取り合って対戦します。

現在HADOシリーズをアジア、北米、南米、ヨーロッパ、中東、アフリカなど世界23ヶ国52箇所に店舗を展開中。すでに延べ130万人以上が体験しています。

今回行われました「SRPING CUP」は、毎年3つ(SPRING CUP / SUMMER CUP / WORLD CUP)に分けて行われるシーズン戦のラストを飾ります「グランドスラム」大会です。今年から「ポイントランキング制」「公認チーム制」などといった大幅な改革が行われ、より「競技スポーツ」の色彩を強めていっている中、会場を「品川インターシティホール」へ移して賑々しく開催されました。

今回も私共VRon、ご厚意で取材させていただきました。ご尽力いただきました皆様、「熱く」御礼申し上げます! それでは、当日のツイートを交えて大会の模様をお伝えしていきましょう!

なお、当日の模様はYouTube配信されました。以下よりご覧いただけますので、ぜひ!

HADO SPRING CUP 2019 レポート

当日は雲ひとつない快晴! 素晴らしいお天気でしたねー。

今回HADOさんは、これまでの東京タワー下・スターライズタワーよりも遥かに広い会場にお引越ししました。その会場は「品川インターシティホール」。

キャパ300席とこれまでの倍以上の観客動員が可能になったということもありまして、とても広々とした趣でございました。メイン会場手前のホワイエでは……

 

 

こんな感じで様々なブース展開がなされておりました! グッズ販売を除けば、昨年までにはなかった新しい試みです。

今回の大会から、それまではすべて無料だった観戦費用が「有料」になりました。これはつまり、HADOという競技スポーツを「エンターテイメント興行」としてステップアップさせるための重要な決定であり、決意でもある、と言えます。『HADOというスポーツがお金を払っても良いくらいに面白く、見るだけでも楽しめるコンテンツである』と言い切れるほどに確固たる自信がなければ、到底できないことです。

そして、だた会場を広くして動員を増やすという選択肢を一切選ばず、エンターテイメントとして楽しめる施策として「飲食店」「HADO SHOOTのデモプレイ」「明確化、多角化されたグッズ販売」を用意した、というこの取り組み・姿勢から、meleapさんからの並々ならぬ決意と情熱がビッシビシに伝わってきます。

「HADOさん、いよいよ腹を決めたんだな……!」、筆者は、そう呟かずにいられませんでした。取材じゃなかったらビール飲みたかったっすー!(仕事しろ)

いやー! お世辞でも何でもなく、マジで観客の皆さんの熱量が全然違ったんですよ!

会場はほぼ満員、一線級のHADOプレイヤーを追いかけているファンから、一歩及ばずに予選を通過できなかった選手とその関係者、そして、全国各地のHADO体験スポットを実際に体験することで「HADO」を知った、「ライト層」とも言うべき家族連れの皆さん……、去年の会場では見られなかった客層の皆さんが掛け値なしで数多く来場され、楽しんでいらっしゃったんです。

家族連れの方々の中には遠方からはるばる来た方も多くいらっしゃったそうで、これは運営者ならずともとっても微笑ましく、心の底から嬉しくなる光景でした。ホント、よかったっすね……!(何故か泣いている筆者)

今回本戦に進出したのは以下の8チーム。

  1. わちゃわちゃ☆ピーポー(ランキング1位)
  2. わちゃごな☆ピーポー(ランキング2位)
  3. team iXA / ANATSUCHI(ランキング3位)
  4. SLAM DIVA(ランキング4位・StudioLIVEX)
  5. 思考行結-あひる組-(4月14日予選1位通過、ランキング5位)
  6. EXPENDABLES(4月14日予選2位通過、ランキング8位・StudioLIVEX)
  7. ヒュブリス(4月21日予選1位通過、ランキング6位)
  8. 華より酒!(4月21日予選2位通過、ランキング9位)

今回は3位決定戦までを行うトーナメント戦(上位4チームは各試合ごとにバラける形でシード。のこり4枠を抽選で決定)、すべて2ゲーム(大会では「ラウンド」と表記)先取で勝ち抜けのレギュレーションとなりました。優勝報酬は大幅アップの100万円!!

今回実況席には、現在ランキング8位の「和心」からD.U選手が解説として参加されました。まー、D.U選手の解説が素晴らしかったのなんのって! 初心者には非常にわかりやすく、それでいて深いところにもしっかりと目線を配るバランスの良さには唸るばかりでございました!

バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI」のお二人も、前回のWORLD CUPに引き続いて「経験者じゃなければ出てこないコメント」をどんどん繰り出されるナイスなゲストワーク。さすがです!

今回特に感心させていただいたのが、こちらの観戦ガイド! めちゃくちゃわかりやすかったんですよ!

これまでにも「ステ振り」については何度か説明をさせていただきましたが、「パラメータに名前がついた」ってすっごい進化だと思うのです。これってつまりは「共通的な名称がつくようになったほどに「戦術」が成熟している」という証なんですよね。

特に「3331(アタッカー)」と「4321(スナイパー)」の2大パラメータをD.U選手が特徴を押さえながら説明されていたのが印象的でした。まずこの2つ、頭に入れながら見ると観戦が何倍にも面白くなりますよ!

選手紹介も終わり、いざ本戦スタートです!

1回戦

絶対王者の「わちゃわちゃ」と、気鋭の「あひる組」のマッチアップからスタートした1回戦をまずはご紹介しましょう。上の写真をご覧頂けますでしょうか、右のブルーサイド「あひる組」の4番「るひあ隊長」選手のパラメータが、他の5選手と大きく違うことがわかりますか? これ、上にあります観戦ガイドにも一番右に書いてあった「タンク」というパラメータ設定です(1135)

るひあ隊長選手が張るシールドはパラメータ「1」のシールドに比べて4~5倍の硬さを持ちます。この特性を利用して堅いシールドを貼り、その後ろから「スナイパー(4321)」の特性である「高速のエナジーボール」を相手に当てに行く戦略に打って出た、という構図です。結果としてあひる組はこのゲームを奪取することはできませんでしたが、チャンピオンに「6-5」という僅差まで詰め寄っています。惜しかったー!

第2ゲームでは両チームのパラメータが拮抗(3331と4321)、ここでわちゃわちゃの強さが光り1回戦を突破するのですが、ここで見ていただきたいのがこちら!

上のパラメータ表示画面でもおわかりの通り、わちゃわちゃのプレイヤーが一人、右前方のセンターラインギリギリまで飛び出しています。今大会でわちゃわちゃの「D」選手が数多く繰り出していた独特なムーブです。だだーっと前に出てしまう動きは、ひと目見ただけではわざわざエナジーボールへ当たりに行っているように見えてしまいますが、これにはちゃんとした意味があります。「囮(おとり)」です。

D選手がシールドを展開しながら前へ出ることで相手側の一身に受け、シールドによる防御だけでなくD選手自身の驚異的な弾除け技術の高さで失点を抑えると共に、自陣の他2名(このセットでは「BIG-U」選手・「タナカユカリ」選手)が相手へ効果的に攻撃できる「隙」を生成しているんですね。

ただ囮になるだけではなく、自分も被弾しないばかりかそこからバンバン攻撃を放つのに加え、HADO屈指の名選手である「BIG-U」選手・「タナカユカリ」選手により良い攻撃環境をもたらす、というめちゃくちゃ高い戦術をやってるんですよ!(鼻息荒く) すごかったですね……。

1回戦で最も盛り上がったのは「ANATSUCHI」✕「華より酒!」。本シーズン絶好調をキープしているANATSUCHIに対し、本大会最大のダークホースと呼ばれた新星「華より酒!」がタイに持ち込む大善戦を見せます。特に上記の第2ラウンドは華より酒!の持ち味である「弾からのディフェンス能力」が炸裂し、ことごとくANATSUCHIが放つ弾を交わしていくのがスゴかったー!

しかし、そこはきっちりと対応していくのが「ANATSUCHI」の強さ。パラメータを変えて挑んだ3ラウンド目では後半きっちりと場をコントロールし、勝利をもぎ取りました。

特に「SHUTO」選手がセンターラインギリギリのところで縦横無尽に暴れ回るさまは、「フィジカルのスペシャリスト」達が集まるチームを象徴するかのような動きでしたねー!

本大会初の「オーバータイムマッチ」(ゴールデンスコア方式の延長戦。80秒経過後に同スコアだった場合、わずか10秒のインターバルを挟んで行われる)が実施されたのは、第4試合「ヒュブリス」✕「わちゃごな☆ピーポー」戦でした。

昨年ワールドカップの2位と3位が激突したこのマッチアップ。互いに前衛を務める選手のポテンシャルが高い「個の力」で勝負するタイプの両チームによる第1ラウンドでは、わちゃごなの「Taka」選手が「1135(タンク)」のステ振りを駆使して前方にシールドを展開する作戦に打って出ます。わちゃごなはこの戦略が当たり、5-7で1勝をもぎ取ります。

1戦目を落としてしまったヒュブリスは、第2ラウンドで「パンちゃん選手→シャア選手」というメンバーチェンジを敢行、さらに今年加入した「りゅう」選手が果敢に前へ出るシフトを展開し、わちゃごなからポイントを先行する展開を作ります。後半ジリジリと追いすがったわちゃごなが残りわずか5秒で追いつきオーバータイムマッチへ。

そして、最後の1ポイントを辛くももぎ取ったのは、「打倒わちゃわちゃ」に燃える「わちゃごな」! 熱い戦いでした!

準決勝

1回戦を勝ち上がったのはこの4チーム。ランキング上位3チームに、古豪のEXPENDABLESが食らいつくマッチアップになりました。

準決勝第1試合「わちゃわちゃ☆ピーポー」✕「EXPENDABLES」

先程ご紹介した「D」選手の「前角を制していく(D.U選手の解説より)」ムーブがここでも威力を発揮し場を制していきます。さらにHADOでも屈指のポイントゲッター・エイム能力を誇る「BIG-U」選手が後方からバンバンポイントを稼いでいきながら、「タナカユカリ」選手が相手選手を巧みに牽制しながら弾を避けまくる……、こういうチームの動きを「盤石」というのでしょうね……!

準決勝第2試合「ANATSUCHI」✕「わちゃごな☆ピーポー」

第2試合はチームカラーが全く違う両チームにおける対戦。「フィジカルとファンタジスタ」と表現させていただきましたが、まさしく両チームの性格がそのまま体現したような試合になりました。

今シーズン、ANATSUCHIが9勝3敗と勝ち越していたこのカードを迎えたわちゃごなは、ここである戦術を取ります。三選手全員のステータスを「4321(スナイパー)」にしてきたのです(ANATSUCHIは2名が3331(アタッカー))。解説のD.U選手は開口一番「これは意外ですね!」と戦略の変化を指摘。事実、わちゃごなは開幕で立て続けに4枚抜き(相手の「羽根」を4枚同時に消すこと)を決め、2点を先制し逃げ切ることに成功します。

第2ゲームもわちゃごなは同じく3名が「4321」のままで挑み、またも序盤でまとまったポイントを奪うことに成功。本来序盤に点を奪った後に持ち前のフィジカルを駆使して逃げ切るのが得意なANATSUCHIに対し、「最初に点を取らせない」戦術で勝ったわちゃごながこの試合も制して決勝へ進出! グランドスラム決勝は、今年も「わちゃわちゃ」対「わちゃごな」という同門対決カードとなりました!

3位決定戦「EXPENDABLES」✕「ANATSUCHI」

決勝の前に行われた3位決定戦は「古豪」VS「若人」というマッチアップ。

実はANATSUCHIの皆さん、今回「Team iXA」に所属してから初めてのグランドスラム大会でした。Team IXAは、ストV(ストリートファイターV)で世界的に活躍するプロゲーマーの「ストーム久保」選手、BLAZBULEシリーズにおいて九州勢の強豪として知られる「剛田(GOUDA)」選手が所属しているゲーミングチームです。

思考行結 -あひる組-に続くゲーミングチームへの所属はつまり、HADOという競技がスポーツとしてスポンサードを受けるにふさわしいものへと進化してきた、という証でもあります。かたやタレント事務所「StudioLIVEX」に所属するEXPENDABLESは、そんな若い彼らに「HADO」を教え、共に闘いを重ねてきた関係です。

鈴木 「ANATSUCHIは、弟みたい奴らで、マジ可愛いんスよ。ホントにかわいがってこれまで一緒に戦ってきて……。だけど、この3位だけはマジ譲れねえ! ……絶対倒します!(会場歓声)」

YUYA 「EXPENDABLESは……、お兄ちゃんみたいな存在です(会場笑)。まあでも、その兄の背中を超えていくのが弟の務めだと思うので、ここで3位を取って、気持ちよく終わりたいと思います!(会場歓声)」

図らずも兄弟対決と銘打たれることになったこのマッチアップ! D.U選手曰く「初耳なんですけど…(笑)」とにこやかな雰囲気の中行われた激しい決戦の模様は、以下のフル動画をどうぞ。

いや、この闘いはANATSUCHIの持つフィジカルが十二分に発揮された対戦でした! まあああ、よく動く動く! 持ち前の体力と敏捷性をフルに生かして場をかき回していく様がとってもANATSUCHI的で! ということで……

3位を獲得したのは「iXA / ANATSUCHI」でした! おめでとうございます!

決勝「わちゃわちゃ☆ピーポー」✕「わちゃごな☆ピーポー」

絶対王者として迎えた、SPRING CUP2連覇がかかる「わちゃわちゃ」と、3名体制になった中で手応えをつかみ始めた「わちゃごな」。お互いの思いと情熱が交差し宙を待っていくかのような、独特な雰囲気が会場内を包みます。

両チームには、互い同士が紡ぎ合ってきた「歴史」があります。2年前にHADOを制したのは「わちゃごな」でした。その栄光の横で、悔しさにくれながら臍を噛んでいた「わちゃわちゃ」は一念発起し、昨シーズンでグランドスラム3タテ+WORLD CUP完全優勝という偉業を成し遂げ、「わちゃごな」は一度も目の前の壁を超えられないまま2位に甘んじてきたのです。両チームに去来するHADOへの思い、察するに余りあります。

そんな中迎えた今シーズンの決勝。我々が言葉をかけるのはもはや野暮というもの。じっくりと、ご覧頂きましょう。

「HADO SPRING CUP 2019」最終結果

  • 優勝:わちゃわちゃ☆ピーポー 報酬:100万円 HRP:2,000p+勝利ポイント240p=7,540p(ランキング1位)
  • 準優勝:わちゃごな☆ピーポー 報酬:30万円 HRP:1,000p+勝利ポイント160p=4,360p(ランキング2位)
  • 第3位:iXA / ANATSUCHI 報酬:15万円 HRP:720p+勝利ポイント160p=3,290p(ランキング3位)
  • 第4位:EXPENDABLES HRP:360p+勝利ポイント80p=1,503p(ランキング4位

※ ランキング表記・ポイント数は5月14日時点の状態でVRonが試算したもので、公式のものではありません。誤りがある可能性もありますので、予めご了承ください。
※ 正式なランキング情報は公式のものをご確認くださいますようお願いします

というわけで、SPRING CUP 2019はわちゃわちゃ☆ピーポーの2連覇で幕を閉じました。皆様、おめでとうございます!!

決勝の「わちゃわちゃ」VS「わちゃごな」は、まさしく手に汗を握る大接戦でした。あの弾が当たっていれば、あのシールドがもう少し持ちこたえていれば、あの弾を避けられていれば……、常に戦況がどちらにも転ぶような状態が目まぐるしく続いていく、シーソーゲームの塊のような試合でした。

これって、つまり……

ということなんですよ! 昨年の絶対王者に、「わちゃごな」は既のところまで追いついていたんです! わちゃごなの皆さんが優勝を手にする可能性だって充分にあったと思います。それほどなまでに今回の決勝は熱かった! 見ごたえがありました……!

もちろん、惜しくも敗れていった皆さんや、この大会に惜しくも出られなかった「和心」を始めとする他チームの皆さんだって黙っていません! 今や公認チームはついに20チームを超え、現在も増えつつあります。

たしかにトップ3の壁は高いかもしれません。しかし(我々の計算が間違っていなければ)今回、EXPENDABLESの皆さんはこの大会だけで大きくポイントを稼ぎ、見事ランキング4位に躍り出ました。ジャンプアップがあり得るということが目の前で実際に起きたわけですね。

この「ランキングバトル」の面白さが加わったことで、HADOというスポーツはさらに何倍にも面白くなったように感じました。そして、今回の新天地で行われた様々なmeleapさんの「チャレンジ」は間違いなく次のSUMMER CUPに生かされ、さらにパワーアップしたスポーツ興行として進化を果たすに違いありません。その「進化」を、目の前でまざまざと見せつけられた、本大会でありました。

次回のSUMMER CUP 2019は8月25日に品川インターシティホールにて開催予定。すでにスケジュールも発表されています。またこの後には「JAPAN LEAGUE / SPRING STAGE」の決勝が控えておりまして(日程は未発表)、ここでも「わちゃわちゃ」と「わちゃごな」が相対する予定になっています。こちらも要注目ですね。

もちろん、これからもVRonはHADOを追いかけてまいりますので、どうぞお楽しみに。それでは、またSUMMER CUPでお会いしましょうー!

取材協力:株式会社meleap

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