その時、筆者は神保町におりました!
HTC NIPPONは16日、ベルサール神保町にて「2019 VIVE デベロッパー・デー」を開催、新商品及びSDKなどの発表を行いました。
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VIVEさんによるイベントは昨年の「VIVE JAPAN デベロッパーミーティング」以来ですね! 今回もご厚意により取材をさせていただくことができましたので、当日のツイートを中心にダイジェストでお届けします!
「2019 VIVE デベロッパー・デー」取材レポート
こんにちは!
本日は神保町で開催されます「HTC VIVE デベロッパー・デー」にきております。新商品などについてキッチリ取材していきますので、お楽しみにー!
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会場は満員の人だかり! 熱気がムンムンとしておりました。そりゃあそうです。新バージョンとなる「VIVE PRO Eye」や、6DoFコントローラーをセットにした「VIVE Focus Plus」など注目商品が目白押しですもの!
1番の注目は、やっぱりこれ! #VIVEDEVDAY pic.twitter.com/ZhalGfKLR1
— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) May 16, 2019
ですよねー!
HTC VIVE PRO Eye
まずは「VIVE Pro」の新バージョン「VIVE PRO Eye」の紹介から。特徴は、
- アイトラッキングを標準搭載
- 中心窩レンダリング(Forveated Rendering)を実装し、PCの負担を軽減
- アイトラッキング機能を駆使することで視線ビームメニューのUIや視線ヒートマップなどを実現可能に
という感じ。今回のバージョンアップで、注視するだけで選べるメニューや、コントローラーを不要とする新しい操作性をユーザーに提供する他、様々なプロダクトシーンにおいてより精緻なフィードバックの提供が可能になります。
VIVE PRO EYEのご紹介。アイトラッキングのメカニズムと、中心窩レンダリングの仕組みについて。視点ヒートマップなどへの応用も!
#VIVEDEVDAY pic.twitter.com/a8pHmttcZK— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) May 16, 2019
一番のポイントは、なんと言っても「中心窩レンダリング(Forveated Rendering)」でしょう!
中心窩レンダリングとは、視線の中心にある部分の描画を細かくする一方で、視線から外れている箇所については描画品質を落とすことで、全体的な描画能力の向上や描画負荷の軽減を目指す技術です。
実はOculus Goにも搭載されているのですが、Oculus Goにはアイトラッキング機能がありませんので、両目のディスプレイの端っこの解像度を低く描写することで描画負荷を軽減しています。これを「Fixed Foveated Rednering」と言います。その点、VIVE PRO Eyeはアイトラッキング機能を駆使して「実際に見ている視線の範囲ににマシンパワーを集中させる」という、本来の中心窩レンダリングを実現させている、というわけ。
こちらがアイトラッキング機能の概略図。瞳孔や目の周囲を正確にリアルタイムでキャプチャーすることで、視線の情報を取得しているそうです。
VIVE PRO Eyeのスペックはすでに公開されておりまして、以下の通り。
スクリーン: | デュアルAMOLED 3.5インチ(対角) |
解像度: | 片目あたり1440 x 1600ピクセル(合計2880 x 1600ピクセル) |
リフレッシュレート: | 90 Hz |
視野角: | 110 度 |
オーディオ: | ハイレゾ対応ヘッドセット ハイレゾ対応ヘッドフォン(取り外し可能) 高インピーダンスのヘッドフォンサポート エルゴノミクスを考慮し改善されたヘッドフォン |
入力: | デュアル内蔵マイク |
接続: | USB-C 3.0、DP 1.2、Bluetooth |
センサー: | SteamVR™トラッキング、Gセンサー、ジャイロスコープ、 近接センサー、アイトラッキング |
エルゴノミクス: | レンズ距離調整による瞳距離調整 調整可能な IPD 調節可能なヘッドフォン 調節可能なストラップ |
ということで、基本的には「VIVE Pro」のスペックを踏襲していますが、ここにアイトラッキングがついた! というのがめちゃくちゃデカイわけです。中心窩レンダリングのおかげでよりハイレベルな描画能力を持ち、かつ様々な機能を追加してくれるわけですから、非常に大きな進化ですねー。
本プレゼンテーションでは日本での発売時期・価格などについて公開はされませんでしたが……
プレゼンテーション終了後、HTC NIPPONの代表取締役社長でいらっしゃいます児玉全克さんに、「VIVE PRO Eye」に関するお話を伺うことができました!
児玉 「(具体的な)発表は6月以降を予定しています。今回様々なデバイスを発表させていただきましたが、ハイエンドに関しては「どこまでもハイエンドに」と。
私達には「ハイエンド」という点で2つの選択肢がありました。例えば、(進化の)解の一つとして解像度を上げる、という選択肢もあったと思うんですね。もう一つは「違うテクノロジーを入れる」という選択肢です。その中で私達は「アイトラッキング」という新しいテクノロジーを「ハイエンド」として選択をした、ということですね」
(カッコ内は筆者による補足)
最後はバーチャルキャストさんのブースにてアイトラッキング➕リップトラッキングのデモを体験させていただき〆。代表の児島さんからも直接お話を伺うことができました! もうちょっと体験させてもらおうっと。この後のレポート記事をお楽しみに!
現場からは以上です。#vivedevday #VIVEDEVELOPERDAY pic.twitter.com/NkInO4X6P3— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) May 16, 2019
プレゼンテーション後に実施されたデモンストレーションでは、バーチャルキャストさんによる「アイトラッキング+リップトラッキング」のデモが行われておりました!
こちらがその実物。HMD本体の下についているのがリップトラッキング用のセンサー部分(開発版)。このセンサーに取り付けられているカメラが口の動きを読み取って、目の前のアバターに反映される、という仕組み。
筆者も体験させていただきましたが、アバターの表情変化に目と口が加わることで、めちゃくちゃリアルになりますね!
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こちらでもお伝えしましたとおり、すでにVisrtualCast Enterprise版がアイトラッキングに対応済みで、今後コンシューマ版でも対応が予定されていますよ。
VIVE FOCUS Plus / VIVE COSMOS
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また、スタンドアローン型HMD+6DoFコントローラがセットになったエンタープライズ向け「VIVE FOCUS Plus」、コンシューマ向けとして新たに発表された……
「VIVE COSMOS」についても紹介されました。
「VIVE COSMOS」は、快適な装着感、簡単なセットアップと使用方法により、いつでもVRにアクセスすることができる他、外部のベースステーションが不要のため、家と外出先の両方で使用できる柔軟性があり、ゲーミングPC以外からも接続することが可能……という触れ込み。現時点で詳細な情報は未発表ですが、来年1月に発表が行われる予定とのことです。
児玉さんによれば「COSMOSがコンシューマ向けという位置づけになります。FOCUSはVIVE PROクラスの体験をスタンドアローンで提供する…という感じですね」とのことで、これでVIVEのコンシューマ、スタンドアローン、ハイエンド、という3つのラインアップが揃うことになります。今から楽しみー!
プレゼンテーションを通して強調されていたのが「XR」でした。
「我々が目指しているのは、「リアルとバーチャルの間」をつなぐことです」と明言され、VRだけではなく、ARやMRをも内包した空間体験を提供するとのこと。今回発表されたVIVE PRO Eyeら3つのラインアップ全てにステレオカメラが設置されていることからもおわかりの通り、ただパススルーさせるだけではなく、MRやARを前提とした空間提供を前提にしている、ということになります。その根幹を支えるのが……
Vive Sense SDK
続いてVive Sense SDKの紹介。全体的に強調されているのは「リアルとVRをシームレスに体験できるXRテクノロジー」。 #VIVEDEVDAY pic.twitter.com/NnDbmZZ0zt
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「VIVE Sense」。今回新たにリリースされるSDKです。SDKを構成しているのは主に以下の4つ。
- SRANIPAL(アイトラッキング)
- HAND TRACKING(ハンドトラッキング)
- SRWORKS(前方に搭載された2つのカメラを使用した3D-MRビューに関するSDK)
- AUDIO(立体音響)
続いてハンドトラッキングのSDKについて。ジェスチャー認識サポートや対応プラットフォームの多さに注目。メチャクチャ力入ってます! #vivedevday #vivedeveloperday pic.twitter.com/HJWmfygOYS
— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) May 16, 2019
特に強調されていたのが「ハンドトラッキング」。HMDに設置されたカメラを駆使した豊富なジェスチャー機能や、めちゃくちゃ精密なトラッキングを実現しているデモなどが公開されまして、ものすごく力を入れている印象を受けました。対応プラットフォームも発表されまして、Unity / UE4だけでなく、C++やJavaベースのライブラリも用意されるなど、さすがはHTCさんらしいキメの細やかさです!
Viveport Infinity / VIVE X
Viveportについて。
へーー! Twitchで配信とかもしてるんですねー!#vivedevday #vivedeveloperday pic.twitter.com/lSwnFUqi1N— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) May 16, 2019
その他、VRプラットフォームとして初の「サブスク」サービスとなる「Viveport Infinity」や、VRスタートアップ支援プロジェクトである「VIVE X」についても紹介されました。
「Viveport Infinity」は、月額1,500円でViveportのライブラリより500以上のタイトルを無制限で楽しめるサブスクリプション型サービス。VIVEデバイスだけではなく、Oculus Riftにも対応しているのが大きな特徴。すでにサービスが始まっています。
本日の参加者にはVIVEPORT INFINITY サブスクリプションが3ヶ月無料プレゼント! 太っ腹!#vivedevday #VIVEDEVELOPERDAY pic.twitter.com/QpPiJdVj7t
— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) May 16, 2019
なんてサプライズもありました! 参加者には後日3ヶ月分のキャンペーンコードが配布されるそうで、今から楽しみですねー。
またVRスタートアップ支援プロジェクトである「VIVE X」では、すでに様々な企業への支援がこのプロジェクトを通じて行われています。当日はいくつかの企業がプレゼンテーションを行ったのですが、ここではその中から……
カバー株式会社さんをご紹介! ときのそらちゃん! カバーさんと言えば「ホロライブ」でございます。昨日には新たに音楽レーベル「イノナカミュージック」の設立を発表されたばかり!
ホロライブさん、現在bilibiliで200万ファン数を抱えておりYouTubeの倍。bilibiliランキングで #白上フブキ さんが第2位だそうで!#vivedevday #VIVEDEVELOPERDAY pic.twitter.com/oVhh13L3FT
— VRonWEBMEDIA【公式】 (@VRonjp) May 16, 2019
そうなんです。中国の動画配信サービス「bilibili」のVTuberランキングでは白上フブキさんが堂々の第2位にいらっしゃるんですよねー!(第1位はキズナアイさん(upd8)、第3位は猫宮ひなたさん(ENTUM))
そんなカバーさんも支援をうけた「VIVE X」を通じ、現在も様々な開発をされている企業さんのデモンストレーションも行われておりまして、こちらも大盛況でした!
今回の発表会で一番強く印象に残ったのは、HTCさんならではのビジョンに対する「自信」と「意欲」でした。
Oculusさんが使いやすさを重視した未来戦略を取る中で、HTC VIVEとしては進化の方向性として「新しいテクノロジー」を持ってきた、という、このハッキリとしたベクトルの違いが非常に色濃く現れたプレゼンテーションだったように思います。そしてその内容には明らかにHTC VIVEというものが築き上げてきたものへの「自信」が満ち溢れていたように感じます。世界を拡張していくための必要なもの、それを第一に追いかけている……。HTCさんの「覚悟」が、そこにはありました。
まずは6月に予定されている「VIVE PRO Eye」の詳細発表を待つとしましょうか! VIVEの今後から、目が離せません!
取材協力:HTC NIPPON株式会社