CEDEC 2019 コラム ニュース

CEDEC 2019 取材レポート(3・3日目まとめ)

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一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(略称:CESA、会長:早川英樹、所在地:東京都新宿区西新宿)は、2019年9月4日(水)から9月6日(金)の日程で、パシフィコ横浜会議センター(神奈川県横浜市)において、「CEDEC 2019(セデック:Computer Entertainment Developers Conference)」を開催しています。

本日はいよいよ最終日3日目。もちろん、一発目に開催されます基調演説も含めバッチリとお伝えしていきますよ。では、ツイートを交えたダイジェストでどうぞ!

CEDEC 2019 3日目レポートまとめ

本日1つ目は、もうひとつの基調演説!

AIの諸問題に対する日本語的アプローチ(中島秀之さん・公立大学法人札幌市立大学理事長・学長)

近年、AIが発展し、実用に耐えるシステムが出てきた。今後AIに知的作業を任せる上で問題となるのが人間との意思疎通であろう。最大の難関は「フレーム問題」として古くから知られているものだ。フレーム問題への挑戦の歴史を概観した上で、今後の展望を探る。特に環境との相互作用、日本語の視座(虫の視点)、記号推論とディープラーニングの融合について語る。

公立大学法人札幌市立大学の学長を務められている中島秀之さんは、東大情報工学専門課程修了後、サイバーアシスト研究センター長.公立はこだて未来大学学長.認知科学会フェロー、会長、人工知能学会フェロー、理事,情報処理学会フェロー,編集委員長,副会長を歴任されました。

2014年には日本ソフトウェア科学会功労賞を受賞。まさに人工知能研究の草分けの一人として、特に人工知能用プログラミング言語のデザインと実装の研究に従事されてきました。論理プログラミング言語Prologに多重世界機構を導入した「Prolog/KR」や、スタンフォード大のCSLIと共同開発した状況推論のための「Prosit」などを始め,知識表現や推論という人工知能の基礎研究における数々の著名な研究業績を上げていらっしゃいます。

今回の基調演説では、ド直球の「AI」に関するお話を導入から噛み砕くように講演されました。

という切り出しから始まったセッションは、AI(人工知能)というものを我々人間がどういう位置づけで活用していくべきか、という流れで話が進んでいきます。

曰く、

「人間は情報の不足に対してほぼ意識せずに補完を行うことができるが、AIにはそれができない。判断や価値観、という概念は人間にしかない」

「例えば、医療情報は毎日3,000件ものアップデートがなされるが、それを一人の人間が処理することは不可能である。こういうときこそAIの出番がやってくる」

「小説のオチはAIには作ることができない。なぜなら、AIは社会常識を持っていないから。逆に言えば、AIにこそ任されるかもしれない分野というものは存在する。また、同じ業種でもAIが得意とする職種と人間が得意とする職種の分担が可能なものもありえる」

「機械学習(ディープラーニング)により得られる結果は「裏切る」ことが可能である。例えばデータの偏りにより発生する誤認識や学習結果の偏りの発生などがそう」

「最大の問題が「フレーム問題」。有限の情報処理能力しかないロボットには、現実に起こりうる問題全てに対処することができない。これらを回避するために、現在「予期知能」の研究が行われている」

「予期知能では。見たいものを予期してから認識を開始する。これは「予測」ではない。あらかじめ「予期」をすることで、まっさらな状態では認識できないものも見えてくる」

この後、「予期知能」をベースにした様々な機械学習のメカニズムや、構成的方法論、環境との相互作用などについて論じられました。日本語と英語の視点の違い(英語は俯瞰視点から文法が形成される(鳥の視点)のに対し、日本語は多様な形容詞などから状況依存視点(虫の視点)をベースとする)など、AIの理解に必要な考え方を一つ一つ解説される内容で、とってもわかりやすかった……!

最後に、AI・機械学習のこれからについて3つの言葉で表現されました。中島さんがこれまで取り組んでこられた知見から紡ぎ出されたお話しの数々は、とっても魅力的な内容ばかりでした……!

超人スポーツ:超人を創る・超人として遊ぶ

今日一番楽しみだったんです! 稲見先生は光学迷彩、触覚拡張装置、動体視力増強装置、第3・第4の腕など、主に人間の身体能力拡張に関する研究において日本の第一人者として知られ、VRonが応援している「HADO」も認定されている「超人スポーツ協会」の発起人・共同代表をお勤めでいらっしゃいます。

ご自身の幼少時の経験から現在に至るまでの研究のおはなしを軸に、人間の機能をどのような「拡張」していくのか、というお話が展開されました。めちゃくちゃおもしろかった! こちらは後日じっくりとまとめてご紹介してまいりますので、お楽しみに!

PlayStation®VR の振り返り

これはもう、VRonというサイトを3年やってきまして非常に馴染み深いデバイスであります「Playstation VR」についてのセッションということで、大注目、大盛況でした!

3年間で420万台(2019年3月時点)が販売されたPSVRの動向について、秋山賢成さんがかなり突っ込んだところまで赤裸々に語るというセッションとなりました。流石に具体的なタイトル名までは明かされなかったものの、海外と日本の販売動向をガッツリとお話していただきましたよ!

こちらも大ボリュームのセッションとなりましたので、後日たっぷりとお届けします!

WebXRの現状と実社会への応用事例

3日目ラストはメルカリさんの2つのセッションで〆させていただきました。同じWebを作るものとして常に気になっていた存在「WebXR」。VRonでもWebVRについての特集を組んだことがあります(続きはいつできるのやら……)だけに、このセッションは行かねば!と思っておりました。

登壇されましたのはメルカリの諸星一行さん。VR界隈では「いっこう」さんとして有名なお方です! セッションでは2017年に勃興した、Webブラウザ上にてVRコンテンツを取り扱う「WebVR」、そして現在後継としてWorking Draftの整備が進んでいる「WebXR Device API」についての詳細な解説を、OpenXR、各ブラウザ・OSでの対応状況など超タイムリーな情報を交えつつお話されました。

すでに資料は公開されております! 早い! こちらも後日じっくりとまとめさせていただきますね!

3Dアバターにおける権利と倫理、開発者が出来る対策

最後もメルカリさん。3日間のラストを飾るのは、今最もホットな3Dアバターの現状に鋭く切り込むセッションでございました!

登壇されたのは中地功貴さん。メルカリさんにてゲーム開発に携わる傍ら、XRエンジニアとして臨死体験ができる『VR通勤電車』, VRM対応モーションキャストなど、VRの可能性について活動されています。

こちらのセッションでは、VRChatやVRMの影響で利用が広がっている「3Dアバター」についてモデルデータの権利の問題(ライセンス、利用範囲、IP侵害など)や、アバターの倫理の問題(人格を持つこと、性的表現、暴力表現など)の側面から現状を整理しながら、自身で開発しているVRM対応サービス「モーションキャスト」の事例を踏まえつつ、開発者が考慮すべき対策・利用者に求める自衛方法などについて検討を行う、という内容となりました。

昨今VRonでも3Dアバターに関する話題は増えておりまして、こういった問題は対岸の火事ではありません。そういう点においても非常に興味深いお話をお聞きすることができました。こちらも後日独立記事として取り上げさせていただきます!

インタラクティブセッションは国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト(IVRC)2018年決勝大会にて総合優勝を受賞した、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンスの「ブレインツリー」が1位を奪取しました! これでIVRC2018に続く受賞となります。おめでとうございます!

これで、怒涛の3日間は無事に終わりを告げました。実はこれまでご紹介した以外にも、インタラクティブセッションを中心に取材をさせていただきました。ご協力いただきましたすべての皆様に、この場を借りまして厚く御礼申し上げます。

さあ、VRonの本領はこれからですよ! 今回取材させていただきましたセッションを一つ一つ詳しくご紹介してまいります! 昨年末のSIGGRAPH Asiaのような怒涛のレポートをお届けしてまいりますので、どうぞお楽しみにー!

取材協力:CEDEC 事務局

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