ちまたには非常にたくさんの種類の「ヘッドマウントディスプレイ(Head Mount Display、以降HMD) / XRヘッドセット / XRゴーグル」「MRグラス」が販売または配布されていますが、これらをザッと分類してVRonのオススメ順にザっと並べると、XRHMDは4種類、MRグラスは2種類になります。
XRHMD / VRHMD
- スタンドアローン型
- PC接続型
- ゲーム機型
- スマホ型
MRグラス・ヘッドセット
- スタンドアローン型
- グラス / コア分離型
それぞれでメリット・デメリットがありますので、特徴に合わせて自分にあった種類のものを選ぶとよいでしょう。また、最近は「パススルー」といって、VRHMDながら前方の視野が確保され、MR機能を持つものも多くありますので、MR機能をフィーチャーしたHMDについて、このページでは「XRHMD」と表記しています。
では、種類ごとにご説明しますね(以下の画像の一部にはAmazon販売ページへのリンクを張ってありますので、ぜひご利用ください!)。
XRHMD
スタンドアローン型
今一番ホットな分野です。セッティング時や有線を使ったデータ取り込みなどの場合を除いて、単体(or単体+コアユニット)で動作するXRHMDがこちらになります。
各製品によりスペックなどが大幅に違いますので、特徴を個別にご紹介しましょう。
Apple Vision Pro New!!
やべえのが出ます。
appleが2024年にリリースするXRHMDは「空間コンピューティングデバイス」として紹介されました。AIの「え」の字も、メタバースの「め」の文字すら出なかった! アップルさん本気!
スペック(独自2チップ構成、両目8K解像度確定、12のカメラ・5つのセンサー・6つのマイク、アイトラッキング、前面にも空間ディスプレイ(レンチキュラーレンズ使用)で使用者の顔を立体表示、など)はもちろん、その価格(3499米ドル・日本円で約50万円)からして、いわゆる「ディベロッパーエディション」であろうことは容易に想像がつきます。
詳細については「ARおじさん」こと、MESON CEOの小林さんが詳細な記事を書かれていますので、ぜひご参照を。どうやらRGBパススルーの誤差が殆ど感じられないらしいよ!
https://note.com/ar_ojisan/n/n074df9001012
日本での発売は2024年末くらいになりそうという観測。まだ詳細なスペックなどほぼ状態が出ておらず、着用経験者も非常に限定されている現状ではまだまだ真価はこんなもんじゃなさそうです。2025年に廉価版を出すんじゃない?なんて記事すら出る始末。故にVRonではもうしばらく様子見!
Meta Quest 3 New!!
Vision Proが発表される数日前、Meta社がサプライズで発表したのが「3」です。
- 価格:128GBモデルで74,800円(税込)
- 大きなストレージモデルも発売する
- Snapdragonの次世代チップセットを使用(噂が本当なら「XR2 Gen 2」)、GPU比較で2倍以上
- 高精細なカラーパススルー、革新的な機械学習、空間認識を搭載
- 2つの4メガピクセルのRGBカラーカメラ、プレイエリアをより正確に表現する深度センサー、Meta Quest 2と比較して10倍以上の画素数のパススルー
- Meta Quest 2と比較して40%スリムな光学設計
- フェイストラッキング・アイトラッキングはなし
とのこと。詳細は9月のイベントで公開される模様です。
Meta社制XRHMDの正当な進化版。新しいチップセット、そしてめっちゃ攻めた価格設定。これは期待大ですね。詳しくは以下の記事をどうぞ。
VIVE XR Elite New!!
HTCが発表したHMDモデル「VIVE XR Elite」。2023年1月6日より予約受付開始。価格は179,000円(税込)。公式ストアにて取り扱いが始まっています。
- ディスプレイ:1920×1920px(片目)、90Hz
- 視野角:110度
- プロセッサー:Snapdragon XR2+
- メモリー:12GB
- ストレージ:128GB
- オーディオ:内蔵スピーカー・3.5mmミニプラグ
- 無線LAN:Wi-Fi 6E
- Bluetooth:Bluetooth 5.2
- パススルー機能:カラーで実装
というスペック。非常にQuest Proを意識したような仕上がりです。特徴は
メリット
- インサイドアウト方式のポジショントラッキング(6DoF)、ハンドトラッキングあり
- Snapdragon XR2+を搭載
- カラーで「パススルー」機能を搭載
- PCとの接続を利用可能(有線・無線)
- Quest Proよりも安い(約5万円)
デメリット
- Quest Proに比べると「フェイストラッキング」機能がなく、メモリも少ない(128GB)
- Pimax、WinMR系4K~8KハイエンドHMDに比べると解像度の面で劣る
- 外部RAM拡張ができない
- 高い
詳しくはこちらの記事から。
-
HTC、新しいスタンドアローン型XRHMD「VIVE XR Elite」を発表 事前予約は2月15日まで
HTC NIPPON株式会社は2023年1月6日、新しいXRHMD「VIVE XR Elite」の事前予約受付を開始しました。希望小売価格は179,000円(税込)で、事前予約特典として$100以上相 ...
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Meta Quest Pro New!!
Metaが発表した新しいHMDモデル「Meta Quest Pro」。2022年10月25日より発売開始。価格は22万6800円。公式ストアにて取り扱いが始まっています。
- ディスプレイ:1800×1920px(片目)、最大90Hz(72Hz~)
- 視野角:平行106度・垂直96度
- IPD調節:55~75mm
- プロセッサー:Snapdragon XR2+
- メモリー:12GB
- ストレージ:256GB
- センサー数:10
- オーディオ:内蔵スピーカー・3.5mmミニプラグ
- 無線LAN:Wi-Fi 6E
- Bluetooth:Bluetooth 5.2
- バッテリー駆動時間:1〜2時間(付属の2mケーブルを使って給電利用OK)
- PCとの接続:有線・無線(AirLink)でOK
- 重量:722g
- パススルー機能:カラーで実装
- Quest 2との後方互換性:あり
というスペック。XRHMDだけでなく、MRHMDとしてのカラーを全面に押し出しているスタイルです。特徴は
メリット
- インサイドアウト方式のポジショントラッキング(6DoF)、さらにコントローラーにもセンサーを搭載し、ハンドトラッキングの精度が向上
- Snapdragon XR2+を搭載。Ouest 2に比べて「1.5倍高い動作性」(リリースより)を実現
- カラーで「パススルー」機能を搭載
- PCとの接続を利用可能(有線・無線)
- 「ハンドトラッキング」だけでなく「アイトラッキング」「表情トラッキング」を実装
- 開放的なフォルムの採用により、顔面に干渉しない利用目的に配慮した設計(付属・別売りのパーツ装着で遮光性の確保も可能)
デメリット
- Pimax、WinMR系4K~8KハイエンドHMDに比べると解像度の面で劣る Quest 2とも解像度・視野角の面では大きく変わらず
- 外部RAM拡張ができない
- 高い
- 重い(700g強)
- スタンドアローン駆動が1~2時間と短い
詳しくはこちらの記事から。
-
Meta、スタンドアローンXRHMDの新作「Meta Quest Pro」を発表
いよいよ来ましたね! Meta社は米国時間の11日に「Meta Connect」を開催し、新しいHMDモデル「Meta Quest Pro」を発表しました。米国時間の25日(日本時間26日)に発売しま ...
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PICO 4
PICO Technologyが2022年に発表したHMDモデル。同年9月より予約受付を始めその後リリース。現在もAmazonを始め、大手量販店で販売中です。
Quest 3のリリースや、Quest 2の値引きなどを受けてゴリゴリ値下げを仕掛けてます。買うなら今かも?
128GBモデル:Amazon正規ストア通常価格…49,000円(税込み)
256GBモデル:Amazon正規ストア通常価格…54,000円(税込み)
(※ 上記リンクはアマゾン正規ストアの販売ページです)
- ディスプレイ:2160×2160px(片目)、72/90Hz
- 視野角:105度
- プロセッサー:Snapdragon XR2
- メモリー:8GB
- ストレージ:128GB/256GB
- 無線LAN:Wi-Fi 6
- Bluetooth:Bluetooth 5.1
- パススルー機能:カラーで実装
- 重量:約600g(後方部分を含んだ全体の重量)
というスペック。あきらかにQuest 2を意識したスペックです。特徴は
メリット
- インサイドアウト方式のポジショントラッキング、6DoF
- カラーのMR機能を搭載(「パススルー」機能)
- リフレッシュレートが90Hzに対応
- Quest 2よりも安く、かつ解像度で勝る
- Quest 2よりもやや軽く、重量バランスに優れる
- PCとの接続及び「Steam VR」プラットフォームが利用可能(Streaming Assistantアプリ経由でUSB-C接続・Wi-Fi 6接続)
デメリット
- プラットフォームがPICO OS。Metaのプラットフォームに比べネイティブアプリ規模などで劣る
- Pimax、WinMR系4K~8KハイエンドHMDに比べると解像度の面で劣る
- ストラップフレームを外せない(Qiest 2は着脱可能)
- PC接続ではリフレッシュレートの低下が報告されており、Steam VR経由のPCVRアプリ使用は体験の質が限定的になるおそれがある
Quest 2よりも装着感が軽い!という評価が多め。エクスペリエンス重視と言うよりは、よりライトユース向けのようですね!
VIVE Flow
HTC社のスタンドアローン系HMDの新作「Flow」です。
特徴は
メリットとスペック
- インサイドアウト方式のポジショントラッキング、6DoF対応
- VIVE Portプラットフォーム準拠により、豊富なアプリ資産を継承
- インカメラによるパススルーあり
- 驚異の軽さ「189g」(ケーブル含まず)。コアユニットをスマートフォンに預けることで驚異的軽量化を実現。このフォルムで視野角100度を確保
- RAM4GB、内部ストレージ64GB
- VIVE Flow向け「STYLY」が発売と同時にリリース
- 折り畳める!
デメリット
- 対応スマートフォンが必須。対応スマートフォン一覧はこちら。iOS(=Apple A系CPU)・Exynos CPUには非対応。事実上、Galaxy S10 / Xperia 1 / ZenFone 7 / U11 / OPPO Find X2 以上のスペックを持つAndroidスマホがないと動作しない(ケーブル断線時・バッテリー交換のための予備バッテリーは本体に持つものの、基本電源供給はスマホorバッテリーから)
- 現状、スマートフォンがコントローラーを兼ねるため、ユーザエクスペリエンスに限界がある(接続はBluetooth)
- ポジトラを担当するカメラが2つのみのため、ポジショントラッキング範囲が狭い
- 外部RAM拡張ができない
超軽い! かっこいい! しかも折り畳めるから携帯もめっちゃ楽! なので、ここはぜひ他のCPUやiOSに対応してほしいところですね。あと専用コントローラーはほしいなあ……、でも、VIVEシリーズクラスのコントローラーとなるとその分高くなっちゃいそうだし、悩ましいですね。
なお、「5GHz Wi-FiとBluetoothに対応」「Miracastに対応」「HDCP 2.2または同様の標準に対応」の3点をクリアしていれば対応スマホ一覧になくても動作する可能性があるそうですので、お確かめを。
販売はVIVE公式ストアにて販売されています。
Meta Quest 2
特徴は
メリット
- インサイドアウト方式のポジショントラッキング、6DoF
- これまでの豊富なOculus StoreのVRコンテンツがQuestにも多く互換
- Snapdragon XR2を搭載
- MR機能を搭載(「パススルー」機能)
- 「Oculus Link」機能により、VR向けPCと接続してPC向けハイエンドタイトルにも対応(要USB-Cケーブル)
- ルームスケールをパススルー機能を使って行う「ガーディアン」が超便利
- 「ハンドトラッキング」機能を実装。「手」だけで操作が可能に
- 「3DoFモード」の実装により、多くのOculus Go用アプリも動作
- リフレッシュレートが72Hzから90Hzにアップデート
- ディスプレイの高精細化+RGB配列の変更により、大幅に「スクリーンドア効果」を軽減
- 「App Lab」機能により、Oculus ストア以外のアプリをインストール・動作可能に
デメリット
- Oculus Rift向けネイティブVRコンテンツはスペックの限界によりハイエンドPC向けアプリよりも動作が制限される
※例えば「VRchat」はQuestシリーズに対応していますが、アバターやワールドなどに制限が課されます- Pimax、WinMR系4K~8KハイエンドHMDに比べると解像度の面で劣る(1832×1920×2、約3.6K)
- 外部RAM拡張ができない
インサイドアウト形式のポジトラに6DoF+6DoFコントローラ、という魅力的なスペック。しかもVR対応PCがあればRift用アプリも動き(Oculus Link)、App Lab機能によりOculusストア取り扱い外のアプリもインストールでき、さらにはハンドトラッキングまで実装し、ダメ押しでお安くなっちゃったという、非常に攻め攻めの商品。
Meta社はこのQuestシリーズが現時点で唯一のプロダクトシリーズとなっています。
HTC Vive Focus 3 / Vive Focus Plus
HTC社によるスタンドアローンHMDです。2021/5/12に新機種「Focus 3」が発表、現在の「Focus Plus」との2機種体制になります。VIVE Focus 3の希望小売価格は130,900円(税込)。Focus Plusが98,725円(税込)です。
- Focus 3はクアルコムの「Snapdragon™ XR2」、Focus Plusは「835 VR」を搭載
- 6DoF(6自由度)のインサイドアウト形式トラッキング機能
- Vive Wave VRオープンプラットフォームが利用可能
- Focus 3は4896 x 2448ピクセル、Plusは2880×1600ピクセル
ビジネス向けの位置づけになりますが、正規販売代理店・公式販売店にて購入が可能です。
Focus 3について詳しくは以下のページをどうぞ。
-
HTC NIPPON、HTC VIVEの新商品を発表 「Pro2」「Focus 3」共に両眼4.9k解像度、120度視野角を実装
やべーのキタ!! HTC NIPPONは12日、同社が展開しているXRHMD「HTC VIVE」シリーズの新商品を「VIVECON 2021」を通じて発表しました。 いよいよVIVEも次の次元に突入。 ...
パソコン型
HMDとパソコンをつなげるタイプの物ですね。
arpara Tethered 5K VR Headset
ARPARA GLOBAL TECHNOLOGY. LIMITEDがKickStarterでのプレセールを経てリリースしたVRHMD。5K解像度(両眼横解像度5120px)視野角95度、リフレッシュレート120hz(最大)、マイクロ-OLEDを使用、そして200gという軽量タイプHMDという野心的なスペックです。トラッカーなしのモデルがAmazon正規販売・日本円で11万円弱。接続はUSB-C / Display Port。
実際に試しましたが、マイクロOLEDなだけあってかなりスクリーンドア効果を抑えている印象。これ単体では3DoFですが、arparaトラッカー(未発売)やサードパーティのトラッカー(VIVE トラッカーなど)を接続すればLighthouse準拠の6DoFを実現できます(上記画像先のAmazonはトラッカーなしモデルの商品ページに飛びます)。
同社は現在トラッカーを内蔵させた『arpara VR オールインワン5K』(arpara™ AIO 5K)のクラウドファンディングをゴールしたばかり。一般販売はこれからですが、価格によっては注目を集めそうですね。
HTC VIVE Pro 2 / VIVE COSMOSシリーズ
HTC VIVE PRO2と、アイトラッキングに対応した……
「VIVE PRO Eye」が主力製品。どちらも伝統のアウトサイドイン形式ポジショントラッキング。
-
「2019 VIVE デベロッパー・デー」へ行って、HTC Viveの未来戦略を確認してきました!(詳細レポート)
その時、筆者は神保町におりました! HTC NIPPONは16日、ベルサール神保町にて「2019 VIVE デベロッパー・デー」を開催、新商品及びSDKなどの発表を行いました。 VIVEさんによるイベ ...
特にロケーションVRの分野において採用率が高く、ハードユースに耐えうるのが大きなポイント。トラッカーとベースステーションの組み合わせや、フェイストラッキングユニットなどの周辺機器による高いトラッキング性能が最大の特徴です。
とにかくハイクオリティな環境でVRを体験したいんだ、広い空間でグリグリ動き回りたいんだ、36点トラッキングしたいんだよ俺は!という方には、VIVE Proシリーズが大きな選択肢になります。広範囲なポジトラが必要な場合や、トラッカーを使ったボディトラッキング用途ならVIVE Proシリーズの独壇場ですね!
さらに、インサウドアウト形式を採用した「HTC VIVE COSMOS」がリリースされています。このCOSMOSについては複数機種展開が進んでおりまして……、
廉価版的位置づけ、トラッキング用カメラが4つにすくなった代わりにお安い「COSMOS」、
ベースステーション1.0とのセットでトラッキング性能を向上させ、VIVEコントローラーをセットにした「COSMOS Elite」が展開されています。
COSMOSについて詳しくは以下の記事をどうぞ。
-
デジカ、HTC VIVE COSMOSの事前予約販売を発表、明日から。お値段89,882円 (税抜)
株式会社デジカは19日、国内発売を10月11日(金)に控えたHTC社製VRHMD 「VIVE COSMOS」 の事前予約販売を、9月20日(金)10:00~10月10日(木)23:59ま ...
Windows MR
MicroSoftが主導しているHMD規格。こちらはAcerがいち早くリリースした「AH101」。Windows Mixed Realityについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
-
【2018年版】Windows Mixed Realityいよいよ始動! これまでのざっくりとしたまとめ
さあて、10月17日がやってまいりましたよ! 10月17日がどうしたのって? 決まってるじゃないですか、Windows Mixed Realityが動作可能になる「Windows 10 Fall Cr ...
最近は上位版も登場しています。こちらはHPが発表した「HP REVERB VIRTUAL REALITY HEADSET」。4K解像度を実現しています。詳しくは以下の記事をどうぞ。
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HP、4K解像度+視野角114度のVRHMD「HP REVERB VIRTUAL REALITY HEADSET」を発表、お値段599米ドルから
アメリカのHP(ヒューレット・パッカード)社は現地時間19日、ヒューストンで開催された自社のイベント「HP Reinvent」において、Windows MR / Stram VRに対応したPC接続型H ...
Windows MRについてはOculus Rift / HTC Vive(CE)よりも解像度が高く、かつ位置トラッキングをインサイドアウト方式で対応しているので、ベースステーションなどの設置がいらず、かつ必要なPCの要件レベルが他のヘッドセットよりも比較的低い、という強みがあります。
Pimax
いち早く「8K解像度」というハイエンドなHMDの分野に挑戦してきた「Pimax」。2021年頃から日本でも購入がしやすくなってきました。Pimax公式サイトが正式に日本語対応している他、Mogura VR Storeさんでも取り扱いがあります。
Valve Index
Valve社が「Steam VR」のリファレンスHMDとして発売を発表したのが「Valve Index」です。3K解像度ながら144hzという高フレームレート対応、視野角130度、ハイクオリティでハンドモーション認識に長けるコントローラーなど、ハイエンドな仕様になっています。ただいまデジカさんで絶賛発売中。日本での販売については以下の記事をどうぞ。
-
デジカ、Valve社による「SteamVR™」 公式VRHMD「VALVE INDEX」の日本国内正規品取扱いを開始
株式会社DEGICAは22日、世界最大級のPCゲームプラットフォーム「Steam®」および、世界で最も利用されているVRプラットフォーム「SteamVR™」を展開するValve社が開発した、最新鋭のV ...
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これらのPCHMDは、一言で言ってしまえば「ガチ仕様」。最前線・一流のVR体験が約束されるのが最大の強みです。ただ、接続するパソコンがそれなりにハイスペックでないと対応しません。お値段にして……最低でも100,000円以上するくらいのパソコンでないと、ちょっと厳しいですね。
特徴は
メリット
- 現時点でメインストリーム・プロユースのVR仕様。クオリティは保証付き
- 全て6DoF・ポジショントラッキングに対応(それぞれで形式は異なる)
- Vive / Windows MR / Valve Index共に本格的で様々なVRコンテンツ・アプリがリリースされている(各機器でネイティブプラットフォームが違うので、注意のこと)。どのHMDも「Steam VR」に対応。特にValve Indexは「Steam VR」公式HMDであることも強み
- ポジション・トラッキングに対応。動き回れるタイプのVRコンテンツをプレイできる(ルームスケールVR)
デメリット
- 現時点においてHMD+パソコンで最低でも150,000円以上の出費を覚悟しなくてはならない(HMD単体では5万円から)
※特に「Pimax 8K」については非常にハイエンドなPC・グラフィックボードが必要- パソコンのセッティングをするレベルの知識が必要
- Windows MRについては「Windows 10 Fall Creaters Update」が必須
- アウトサイドイン形式のHMDはトラッカー・ベースステーションの設置のためにある程度のプレイエリアを確保する必要がある
Metaの製品ラインナップ変更などのため、ここらへんの様子も変わってきそう。エントリー~ファミリーユースはQuestやFocusなどのスタンドアローン型、プロユースやハイエンドユースをPCVRHMDやQuest Proが担う……って感じになりそうですね。すでにPC接続型についてはVALVE INDEXなどの人気が高まってきていたりもしますし、引き続き動向を見ていきたいところです!
ゲーム機型
PlayStation VR2
ソニーさんの「PlayStation VR2」です。2023年2月23日より74,980円にて発売される予定になっています。
メリット
- PS5の周辺機器として開発されており、PlayStation 5との相性は抜群
- Quest 2を凌駕する解像度(横ベースで両目4K)・リフレッシュレートなどのスペックを搭載
- アイトラッキングを実装
- パススルーあり(白黒)
- カメラによる位置トラッキング(インサウドアウト方式)に対応。動き回れるタイプのVRコンテンツをプレイできる(ルームスケールVR)
- コントローラーもバージョンアップ、ハプティックフィードバックなどを搭載
- PS5との接続がUSB-C1本のみでできる
デメリット
- PS5が必要なので、トータルの価格ではQuest 2を大きく超える(定価ベースで13万円弱、実質価格はそれ以上)
- PS4+PSVRとの後方互換性がない = PSVRのタイトルをそのまま遊ぶことができない
- PS5自体の品薄が常態化しており、入手そのものが困難
まずはPS5がもっと出回ってほしいですねー! 「PlayStation 5」の詳細は以下の記事をどうぞ。
-
PlayStation®VR2、2023年2月22日に発売 税込み74,980円
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは2日、同社のPlay Station 5専用となるVRHMD「PlayStation®VR2」を、来年の2月22日に発売すると発表しました。合わせて価格も公 ...
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スマートフォン型
おそらく、アマゾンや楽天などで一番多く取り扱いがあるのがこのタイプです。いわゆる「Google CardBoard 対応」のもので、製品紹介欄に
「iPhone、androidなど、様々なスマートフォンに対応します」
と書いてあれば、ほぼこれです。お持ちのスマホでVR動画を再生させてから、そのスマホをHMDにはめて、レンズのついた穴からのぞいて見る形になります。
いろんなメーカーからたくさんの機種が出ているのですが、その中から……
サンワダイレクト 400-MEDIVR9
こちらをご紹介します。サンワサプライが販売している「サンワダイレクト VRゴーグル スマホ用 メガネ対応 iPhone Android 4.7~6.8インチ程度対応 焦点距離・瞳孔間距離調整 400-MEDIVR9 3,080円」。メガネをかけたままでもかぶれたり、ダイヤルで調整ができたり、イヤホンを通すためのスリットがついているタイプで、サンワダイレクトの最新機種です。
特徴は
メリット
- 気軽にVR動画を視聴できる(現役のスマホならほぼ全て対応します)
- 安い(0円から、高くても8,000円くらいまでで収まります)
デメリット
- 映像が荒かったり、視野が狭かったりして、「その場にいるような感覚(没入感、と言います)」に浸るのが難しい
※ 特に頭に固定しないタイプや、視野が遮蔽されないタイプのものでは没入感を得にくくなります。- 使用するスマートフォンの解像度・処理速度などにより、使用感が大きく左右される
- これらの結果、6DoF対応するVRゴーグルに比べると、格段にVR体験の質が落ちてしまう
- 位置トラッキングがないので「動き回れる」VRコンテンツの体験はできない
- 専用のVRコンテンツアプリが動画プレイヤー以外では多くリリースされていないため、特に3DCGベースのVRゲームをプレイするのは難しい
VR動画の仕組みだけなら、これで十分理解できます。でも、これではVRの本当の凄さが伝わりません。もどかしい。
ただ、最近はハイエンドなスマホを使うことで、これまで3DoFVRゴーグルにおいて優位を保っていた「Gear VR」「DayDream」(両方とも展開終了)に匹敵する体験を得られる場合もあります。特に「今自分が使っているスマホで安くVR映像を見たい!」という方には、まずこちらからがスタートラインかな?
MRグラス
Microsoft HoloLens 2
Microsoftが社運をかけて展開しているスタンドアローン型MRグラス。前モデルである「HoloLens」に比べて解像度は片目2Kと倍増、着用感なども改善し、お家芸でありますハンドトラッキングについても大幅に向上しています。
なんといっても最大のポイントは「スタンドアローン」であるということ。競合MRグラスが「コアユニット」との複合構成であるのに対し、こちらは単体で動作するという大きなアドバンテージがあります。
視野角(FOV)は水平方向:43度 垂直方向:29度 対角方向:52度。
お値段は単体で383,800円(税別)。マイクロソフト ストアの法人サポート窓口、および認定リセラー(日本ビジネスシステムズ、大塚商会)から購入が可能で、基本的にはビジネスユース前提になります。とはいえ、MRグラスを先頭で引っ張り続けているのは間違いありません!
Magic Leap 1
いよいよ昨年5月からNTTドコモがドコモショップなどで一般販売を始めました「Magic Leap 1」。
メガネをモチーフにしたデザインのヘッドセット「Lightwear」、有線でヘッドセットと接続されるプロセッサとバッテリーを内蔵したユニット「Lightpack」、そして手に持つコントローラーの3つでワンセット(コントローラーは個別販売も予定されています)。コントローラーでの操作のほか、ハンドトラッキング、アイトラッキング機能を搭載。グラスに搭載されているカメラをつかってインサイドアウトのポジトラをする点はHoloLensと同じです。
視野角は水平方向:40度 垂直方向:30度 対角方向:50度。解像度は1280x960pxと、片目720p相当になっています。
お値段は273,900円。NTTドコモストアにて絶賛発売中です。
NrealLight / Nreal Air
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KDDI、MRグラス「NrealLight」を「スマートグラス」として12月1日から一般販売
いよいよあのMRデバイスがあなたのお手元に! KDDIは10日、Nreal Ltd. と共同で開発したスマートグラス「NrealLight」を2020年12月1日から発売開始することを発表しました。 ...
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KDDIと業務提携を結び、MRグラスの一角に名乗りを上げたNreal。現在2つの製品展開を行っています。
NrealLight(6DoF)
販売価格は69,799円 (税込み)。12月1日よりau オンラインストアにて販売中です。
- 視野角(FOV):52度
- 本体トラッキング:6DoF(インサイドアウト)
- コントローラートラッキング:3DoF
- グラス部分重量:88g
- コネクト規格:USB-C
なんと言っても最大の武器は、グラス部分の軽さです。他の2製品が400~500gの重量を持つ中、レンズ部分でわずか88gは驚異的です。コア部分は対応するスマートフォンの力を借りる、というのがミソ。
対応するスマートフォンは以下の通り(2022年2月時点)。
(○とーは、左からミラーリング機能、MR 3D App (6DoF) の起動機能、Android 2D App起動機能)
Xperia 5Ⅱ SOG02 〇 〇 〇
Xperia 5Ⅲ SOG05 〇 〇 〇
Xperia 1Ⅱ SOG01 〇 〇 ー
Xperia 1Ⅲ SOG03 〇 〇 〇
Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06 〇 〇 〇
Galaxy S20 5G SCG01 〇 〇 ー
Galaxy S20+ 5G SCG02 〇 〇 ー
Galaxy S20 Ultra 5G SCG03 〇 〇 ー
Galaxy S21 5G SCG09 〇 〇 ー
OPPO Find X2 Pro OPG01 〇 〇 ー
OPPO Find X3 Pro OPG03 〇 〇 ー
Nreal Air
こちらは3DoF仕様の「Nreal Air」。3DoFでありながらもつけ心地や快適性を重視。お値段39,799円(税込)という破格の値段を実現しています。対応スマートフォン(アプリ「Nebula」を使用)はこちら。
Xperia 5Ⅱ SOG02 |
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Xperia 5Ⅲ SOG05 |
Xperia 1Ⅱ SOG01 |
Xperia 1Ⅲ SOG03 |
Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06 |
Galaxy S20 5G SCG01 |
Galaxy S20+ 5G SCG02 |
Galaxy S20 Ultra 5G SCG03 |
Galaxy S21 5G SCG09 |
Galaxy S21+ 5G SCG10 |
OPPO Find X2 Pro OPG01 |
OPPO Find X3 Pro OPG03 |
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
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日本Nreal、ARグラス「Nreal Air」を予約販売開始 税込み49,800円
日本Nrealは14日、KDDIとNTTドコモにて、新製品のARメガネ「Nreal Air」を日本で発売することを発表しました。 その価格、5万を切る。Nrealの新たなる一手がいよいよ日本上陸 軽量 ...
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