匂いVRデバイスを開発するVAQSO Inc.は本日行われました記者会見にて、VR体験に匂いを加えるデバイス『VAQSO VR』のディベロッパーズキットを、本日よりVAQSOの直販サイトにて$999(税抜)で発売することを発表しました。
本日ホテルニューオータニで行われました記者会見へお招き頂きましたので、詳しくご紹介します!
「匂い+VR」で世界をリードするVAQSO、いよいよ開発版を正式リリース!
VAQSO VRは、VR映像と連動して匂いが出るデバイス。VR映像と匂いが連動することで、よりリアリティの高いVR体験が可能になるというものです。これまで何度かのプロトタイプを経まして、この度いよいよ開発版リリースとなった次第。
匂いはコンテンツにあわせて最大5種類の匂いカートリッジを付け替えて使用します。匂いの種類は、ホットコーヒーの匂いから「ゾンビの匂い」(!)まで15種類の匂いを展開(今後さらに拡充予定)。法人向けに1種類3,000米ドルにて「匂いのオーダーメイド開発」も承っているそうです。
そんなVAQSOさんの記者会見が始まりました。まずはCEOの川口健太郎さんから事業のご紹介。
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2回目の資金調達に成功、そして著名パフューマ―「フランシス・クルジャン」がアドバイザーに就任!
そんなVAQSOさん、まずは2回目の資金調達が発表されています。前回に引き続き、早稲田大学と連携しているベンチャーキャピタルのウェルインベストメント(WERU Investment)が累計約1億円(80万米ドル)を出資。登壇されたWERUの菊池さんによれば、来年は海外の投資家が参入する予定だそうです。
続いて……
今回VAQSOさんのアドバイザーとして、香水ブランド「メゾン フレグランス クルジャン(Maison Francis Kurkdjian)」のマスターパフューマー、フランシス・クルジャンさんが就任されました。
きっかけは、川口さんが伊勢丹新宿店の香水イベントにいる際に、クルジャンのドメインから直接送られてきたVAQSOメルマガ登録申請メール。川口さんはこのメールに返信しやりとりをしたことで、同時期に来日したクルジャンさん本人と出会い、VAQSOさんのテクノロジーに興味を持ったクルジャンさんからの提案で「アドバイザーJoin」というパートナーシップを結ぶことになったそうです。
クルジャンさんはパフューマーとしての知見を活かしながら、香りのキュレーションなどに関わっていくそう。楽しみですね!
開発版キットは999米ドル(+送料10ドル)で本日から発売開始。5色の香りリキッド+カートリッジ付き。70ドルで追加の香りもオプションで購入可能
こちらがVAQSO VR開発版キットの製品構成です。概要がこちら。
製品名:VAQSO VR (Dev kit)
本体サイズ:H 30 × W 147 × D 83 mm
本体重量:125g (カートリッジ無し)
接続端子:Micro USB(PCへの接続に使用)
カートリッジ最大取付数:5
匂いの持続期間:約3日(使用環境により変動) *匂い補充ツール付属
販売価格: $999(税別)、送料一律 $10
発売日:2018年11月21日(日本時間)
購入先:VAQSO オンラインサイト(https://vaqso.com/)
同梱物:VAQSO VR (Dev kit) 1台、カートリッジ 5個、匂いリペアボトル 5個
匂いのラインナップは以下の15通りです。開発版のため、製品版では1か月を想定している持続時間は約3日(使用状況により変わります、とのこと)。その代わりに補充のためのリキッドと補充ツールが付属します。
- 環境系:海、火(火薬)、森(芝)、木、土、
- 食べ物/飲み物:コーヒー、ミルクキャラメル、チョコレート、カレー、フライドチキン、
- その他:ゾンビ、女性、ミント、ガス、花束
筆者が一番目を引いたのは「ゾンビ」でした! 実際ににおいを嗅いでみたのですが、すごく不快とかじゃないんですけど、結構しっかり目に「腐敗臭」のような感じのにおいがします! あとVAQSOさんの香りといえば「女性」(これまでに「女の子」の香り、と表現されてきたもの)。洗い立てのシャンプー! って感じがいいんですよね……!
今回の開発版キット、出荷は11月末を予定しているそうです。金型成型による製造に移行したことで、これまでのプロトタイプ(3Dプリンターを使った成型)で指摘されていたにおい漏れなどが解消されているとのこと。
「VAQSOプラットフォーム」の展開も発表! コンシューマ版は2019年内のリリースを予定
さらに、今後は……
「VAQSOプラットフォーム」を展開していくそうです!
ディベロッパー向けの開発環境を提供するため、すでにUnityベースで提供されているSDKに加え、APIやリファレンスなどを整備するそうです(Unreal Engineへも対応予定)。またプラットフォーム内ではコマース機能などを提供いきたいとしています。すでに開発中だそうですよ!
この後の質疑応答でも様々な質問が飛び交いました。かいつまんでご紹介しましょう。
Q コンシューマ版のリリースについては? 価格帯はどのあたりを想定していますか?
川口 開発版のリリースを優先していますので、コンシューマ版のリリースは2019年内を目指しています。価格帯としては、大学生でも気軽に買えるように、2日~3日バイトすれば買えるくらいの価格帯……200ドル以内)を想定してします。コンシューマ版は特により洗練されたデザインになり、かつモバイルバッテリーを内蔵するなど、かなり形状は変わると思います。
Q これから出てくる新しいVRHMD・スタンドアローン型HMDや、HoloLensなどのARゴーグルへの対応はどのように考えていますか?
川口 まだ仕様が確定していないのですが、AR系や新たなデバイスへの対応としては(これまでのマジックテープによる固定の他に)マグネットを利用した固定についても検討しています。またワイヤレス・スタンドアローン型HMDについては、量産型モデルにBLE(Bluetooth Low Energy)を搭載する予定ですので、スマホ版VRも含めて(BLEを使って)対応できれば、と考えています。
Q 今開発中の香りで、今回リリースされるもの以外で御紹介いただけるものはありますか?
川口 今作っているものの中に「魔法の香り」というものがあります。とあるキャラクターのイメージに合わせて調合したものです。現在アメリカやヨーロッパなどで開発の展開を進めていまして、その中で作ったものですね。
これまでに何度かご紹介してきましたVAQSOさんがいよいよ開発版リリースですか! 感慨深いですねー! 今回の記者会見には多くの記者さんが集まり、ほぼ満員状態。如何にこのデバイスが注目されているのかを象徴しているかのような盛況ぶりでした。
気になるコンシューマ版は来年リリース予定。今後の情報へ引き続き注目してまいりましょうー!
Special Thanks: VAQSO Inc.