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キズナアイ、『新しい挑戦の準備のために』2022年2月26日の無料ライブを持って無期限スリープ(活動休止)へ

今年はVTuberという世界において多くの出来事が起こりました。毎年かもしれないけれど、今年は特に多いような。先週末にはあの「バーチャフリーク」がageHaでラストパーティを終えたばかりでした。

とはいえまさか、またこの言葉を、今年の間にここに書くことになるとは。

 

それは、まさしく青天の霹靂でありました。

 

Kizuna AI株式会社は12月4日21時40分、所属バーチャルタレントであるキズナアイが2022年2月26日(土)「Kizuna AI The Last Live “hello,world 2022”」をもって無期限に活動を休止することを発表。アイさん本人もご自身の「5周年記念配信」で発表を行い、その後「できるだけ正しく伝えたいから」と、こんな動画を投稿されています。

キズナアイさんは2016年6月30日より活動を開始。同年11月29日に最初の動画『【自己紹介】はじめまして!キズナアイですლ(´ڡ`ლ)』にて「バーチャルYouTuber」をいう名称を使って以降、VTuber界の先頭をずっと走ってこられました。

その活動範囲は特筆すべきほどに広く、2018年3月に日本政府観光局ニューヨーク事務所・訪日促進アンバサダーに就任、4月にはBS日テレにて初の冠番組『キズナアイのBEATスクランブル』がスタート、7月には初のオリジナル曲「Hello,Morning」をリリース、10月には秋葉原バーチャル観光大使に就任……と、2018年だけでもこれほどの活躍をしています(一部を紹介しただけで、実際はもっとあります)。受賞・選出歴だけでも……

  • 第17回日本イノベーター大賞 - 日経クロストレンド賞
  • Twitterトレンド賞「ピックアップアワード」(2018年12月27日「VTuber」として。キズナアイがコメントを寄稿)
  • デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’18/第24回AMDアワード - 優秀賞
  • 「G1メディアアワード2019」特別賞(2019年6月16日)
  • 日本キャラクター大賞2019 - 選定委員特別賞
  • 世界が尊敬する日本人100 選出(ニューズウィーク日本版4月30日・5月7日合併号 2019年4月)
  • 東京モーターショー バーチャルナビゲーター就任(2019年10月17日)
  • ポッキー&プリッツ アンバサダー就任(2019年10月22日)
  • DIMEトレンド大賞2019年エンターテイメント賞(2019年11月13日)
  • 『アバターアワード2020』主催者特別功労賞(2020年12月13日)
  • 2020年秋 JRA公式バーチャルナビゲーター
  • 日本サニパック株式会社 応援団長就任(2020年11月26日)
  • 「東京コミコン 2020」バーチャルサポーター
  • 「SIXTY60 2021 BEST of ASIA」(株式会社シックスティーパーセント 2021年3月31日
  • 星出宇宙飛行士交信イベント 応援サポーター(JAXA 2021年4月16日

こんなにあるんですね(出典:Wikipedia「キズナアイ」を加筆修正)。もちろん、テレビ・ラジオ・雑誌・新聞と多くのマスメディアにも多数出演、まさしくVTuberという世界における「親分」として、キズナアイさんは抜群の存在感を持っており、その佇まいは唯一無二と言っても過言ではないでしょう。

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Activ8株式会社は24日、2020年5月11日(予定)に新会社「Kizuna AI株式会社」を設立することをキズナアイ公式YouTubeチャンネルにて、キズナアイさんを通じて発表しました。 201 ...

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そんな親分にも数多くの転機がありましたが、その中でも筆者の中で外せないのが、Kizuna AI株式会社の設立による分社・独立だったと思います。upd8が終わる中で一つの大きな舵取りを選んだ親分は、このあと個人勢を中心として積極的なコラボを打ち出した他、この1年半の間に多くの先進的なライブパフォーマンスを実現させるなど、彼女独自の「一歩先をゆく」活動を我々に見せてくれていた、そんな中での今回の発表でした。

筆者は12月4日に行われた5周年記念配信をリアルタイムで見ておりました。純粋に親分の5周年を祝い、そしておそらくはライブを含めた新企画的な重大発表があるのだろう、とそれを確かめるために。しかし、「2つ重大な発表があります」という彼女が口にしたその2つ目の「超重大発表」は、上で書いた「無期限スリープ」というものでした。

ただ。

これははっきりとここに記したいのです。上の動画・配信アーカイブを見ていただければ自明ですが、配信でも、動画でも、彼女はあくまで前向きでした。泣く素振りもなく、寂しい雰囲気にもならず、あくまで生き生きとした声と表情で自分の活動休止を1万人以上のリスナーを前に話したのです。これは決して後ろ向きではない、あくまで前を向くためのスリープなのだ、と、衝撃に震える私達をまるで、諭すかのように。

私はこのツイートをするときに、少しでも親分の胸に去来するであろう思いを、できるだけ中立的な立場で、それでいて数少ない文字数の中で一人でも多くの方に正確に伝わるように心がけたつもりです。それがメディアとして当たり前の姿勢であることはもちろんですが、それ以上に、「無期限活動休止」という言葉そのものの持つ力があまりにも大きいということも、ものすごく考えていました。

こちらがKizuna AI株式会社さんの出したリリース全文です。このリリースからも、決して後ろ向きの活動休止ではないことが伝わってきます。相当練られ、配慮がなされている文章です。

特に「YouTubeメンバーシップも更新はしないが継続する」という発表が非常に大きいのです。メンバーシップはサブスクリプションタイプの課金であるがゆえに、休止時の取り扱いににおいては判断が分かれます。それを継続するということは、「活動を再開する前提である」ということを示す非常に強いメッセージです。ここは指摘しておきたかった。

「無期限活動休止」という言葉を聞いただけなら、そこに悲観的なイメージを持ってしまうのは当然のことだと思います。これまで「無期限休止します」と言って復活しなかったコンテンツ(VTuberに限りません)の数を数えようとするだけでもそれはすぐに分かることです。しかし、Kizuna AI株式会社とキズナアイ親分にその気がさらさらないことは、少なくとも私に十分伝わってきました。

ただリリースをリライト・改稿しただけでは、Kizuna AI株式会社とキズナアイ親分のこの「思い」の多くはいくら手ですくっても指の間からこぼれ落ちてしまいます。この記事を書くにあたり、そのことを意識していることを明言しておきます。それだけ、キズナアイという存在は、今のVTuberという世界において重要な存在と思いますし、だからこそ、少しでもこの「思い」を、伝えたいのです。

 

 

さて、2月26日までまだ時間はあります。それまで親分との時間を大切に過ごしましょう。
そして彼女の帰りを、……「女王の帰還」が彼女らの手によって実現することを、心から祈ることにいたしましょう。

情報元:Kizuna AI株式会社プレスリリース、Wikipedia

※ 記事内で使用されている画像はすべて「Kizuna AI株式会社 / Kizuna AI」が著作権を保有しています。

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